東王の日記

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五等分の花嫁の感想考察日記!

五等分の花嫁:93話『ツンデレツン』感想 「変わる」という事

『変化とは人類の永遠のテーマである』
大昔のとある偉い人がそんな言葉を遺しました。

 面白いですよね。『変化』と『永遠』というある意味真逆の位置にある言葉が同じ文章の中に存在していて矛盾するはずなのに、何故かしっくり来てしまう。それはきっと、人間が時に変化を求め、時に永遠を求める生き物だからなんだと思います。

 「人は常に変化し続ける生き物」とよく言われていますが、それは見た目とか体格だけの話ではなく、性格の変化、社会的立場の変化、世界情勢の変化、そして自分の生き方の変化など、枚挙にいとまがないくらい自分と自分の周囲に変化が満ち溢れているから。

 だけどたまには立ち止まって、「今この状況が永遠に続いてほしい」と願う事もまたたくさんあることでしょう。楽しい時間を友人や家族、恋人と過ごしている時なんかは特にそうではないでしょうか。この時間が、この環境が、この立場が変わらなければどれほど幸せな事だろうか。そういった意識を持つ事は誰もがふと経験することだと思います。

 だけれども『時』というのは残酷なもので、流れれば流れるほどにあらゆるものに『変化』をもたらします。それが良い方向に流れるのか、悪い方向へ流れるのかはわかりません。分かっていることはただ一つ。『変化』に気づいた時に自分は何を考えてどう行動を取る事ができるのか、という事のみです。

 それはこの五等分の花嫁という作品でもそう。登場人物の心情や環境の変化と言った所に焦点を当てつつ、各人がその変化にどう対応していくのかもこの作品を語るうえで欠かせない要素となっていることだと思われます。自分や他人の変化を受け入れるのか?それともその変化に抗うのか?

 今回の二乃回を見てそんなことをふと思いました。ということで早速今回も見ていきましょう。

※ちなみに『変化とは人類の永遠のテーマである』って検索しても誰も言ってねーぞ!って方、ご安心ください。僕が勝手に考えて作った言葉なので一生検索結果に出てこないです。

久しぶりのツンとデレ

 今回は久しぶりに二乃が演技とはいえ風太郎にツンツンしている姿が見られましたね。一部の二乃推しの方はこれに歓喜しているのではないでしょうか?

 風太郎に告白をしてからも猛烈にアタックし続ける二乃。しかしいくら風太郎にガンガンアピールをしても全く関係が進展しないので、ついに痺れを切らして『押してダメなら引いてみろ』という作戦を練って動いたわけですね。それが直前まで風太郎が読んでいた本の内容と被っていたのはあれかな、もしかしたら二人で同じ本を買ってしまっている可能性がある……?


 そして病院に着き、いつもの直球勝負じゃなく、変化球勝負に持ち込もうとする二乃。愛の暴走機関車も恋愛のいろはが何なのかを少しずつ考えてきている証拠です。ただちょっとこれまで以上にキツイ言い方をしている感じもあったので多少不安に思っていましたが、「触らないでよ」って言ったあたりでさすがに「やりすぎたーっ‼」と後悔してくれたので一安心するところではありました。

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やりすぎてしまいました。はい可愛い。


 これであれですからね、もしもこれでも「まだ足りないわね……」的な思考をしたら例の事件に行き着いてしまう可能性も十分に考えられますからね。中野家の姉妹なので否定できないのが怖いところ。
一花ファンの皆様、そして一花様、ネタにしてしまってまことに申し訳ありません。今後もやめないけどね


 まあなんにしても、一応二乃もひどいことを言ってる自覚はあったようで何よりです。過去にも色々酷いことを言ってしまっている二乃ですが……ん?

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ぽわぽわぱっ!


 ちょいちょいちょい。


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覚えてないわ


 オメー過去忘れすぎやろ!!そりゃ過去を忘れて今を受け入れろとか言ったけどさあ!!(笑)

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過去を忘れて……

 いやー神経が図太すぎますこの女。もちろんこういったのも大事ですけどね、いつまでも前に酷いことを言ったのを気にしていては前に進めませんから。そういうのも含めてこういう所が二乃の魅力の一つなんだろうなと改めて思いました。やってることはド畜生だけどな!!

 余談ですが、何か最近の二乃に対して「ド畜生感」という言葉がピッタリ似合うような言動を連続でしてきてる印象があります。

 90話『私とある男子②』では「笑わないで聞いてほしいんだけど、お料理の学校に行きたいんだ」と言った三玖にすぐさま「あんた正気?」と笑ったり、91話『偶然のない夏休み』でも「せめて夏休みの間は会うのを控えましょう!」と言った五月にすぐさま「何それ電話しよ」って言ってのけましたからね。

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このド畜生感



 少し話が逸れましたね。そんなこんなでツンな状態の二乃でしたが、本当に嫌われてるのか不安に思ってしまった状態の風太郎を前にしてついにフー君呼びのいつものデレ状態に戻りました。自分の演技に風太郎がビビってくれたことを知り、思わず最高の笑顔を浮かべてしまいましたね。久しぶりのツン状態も良かったですが、こういう笑顔もやっぱり大好きです。素晴らしい。やはり姉組の笑顔はポイントが非常に高いです。

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はい可愛い。



 とはいえ、今回はツンとかデレとかそういったものとは別に、二乃の『親しい人や家族がいなくなることへの寂しさ』も同時に描写されていたように思います。

 人は生きていく限り、たくさんの出会いと別れを繰り返していきます。一度出会ってしまったなら、いつかは別れの時がやってくる。それは足掻いても避けられない事。

 家族の関係においてもそれは当てはまるし、二乃も頭の中では分かっていることでしょう。(最初は実の父親が離れていき、続いて)母親である零奈と死別し、そして今度は一花が離れていくかもしれない。そしてもしかしたら高校卒業を経て他の姉妹とも。そんな風に自分を取り巻く環境が変わっていくとしても、せめて自分の好きな人だけは変わらずずっと傍にいてほしい。

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親しい人がいなくなることへの寂しさ

 やっぱりというか、前々からずっと言ってきた『二乃だけが取り残される試練(今と未来の狭間バージョン)』の予兆がようやく描写されるようになったなって感じでした。もしかしたら四葉風太郎よりも早く夢が決まるかもしれませんけどね。

 今後の二乃はまだまだ話の中心となれるカードを持っていますので、これからの二乃の心の変化に大きな期待をしましょうか!

花束は誰が置いた?

 8月14日、ついに零奈の命日がやってきました。風太郎が二乃に花を託したので五つ子だけの墓参りになったのですが、五つ子が零奈の墓に来た時に既に置かれていたもう一つの花は、一体誰が置いていったのでしょうか。

 誰が置いたところでそこまで大きな問題にはならないでしょうけど、一応提示された謎には間違いないので考えてみたいと思います。 


 一番候補:マルオ

 そもそも今の零奈の夫ですからね。二乃の「明日も忙しいの?」「ああ」とは言っていたものの、来れないとは言っていませんので早朝にお参りに来ることなどは普通に考えられるでしょう。

 ただしマルオの場合、腑に落ちない点がひとつ。仮にマルオが花束を置いていくのであれば、五つ子は今年に限らず毎年花を目にしている可能性が非常に高いと思われます(もちろん五つ子が先に墓参りに来て目にしていない場合もありますが)。

 なので「お父さんじゃない?」に対する二乃の「まさか」という発言には若干の不自然さが残ります。マルオが今年も含めて毎年花を置いていってるのであれば「そうかもね」ぐらいの言い方になると思います。


 というかこの考察をしてる最中にふと思いついたんですけど、マルオが娘達に自分の姿を見せたくない、ゆっくり零奈と話をしたいから一番最後に墓参りをしてる可能性ってどうなんでしょうかね?

 さすがに妻の墓参りに来ないのは理屈星人のマルオだとしてもありえない気がするので、毎年必ず行っているとは思うんですよね。なのでこの花はマルオのものではなく、マルオは一番最後にお墓に来て花を置きに来て零奈と遠慮のない長話をしているものだと予想しましょう。



 二番候補:下田さん

 1月14日の月命日で五月と偶然出会ってるので命日のこの日に来てもおかしくないと思われます……と言いたい所ですけどちょっとタンマくん

 五月が毎月14日に墓参りをしているのに5年後の1月14日まで1度も下田さんに会ったことがないのは57話『最後の試験が五月の場合』を見れば一目瞭然です。そのことを考慮すると『命日に必ず下田さんが墓参りに来るかどうかは正直に言って微妙』です。今回の話や57話で五月が何か言っていればそれが判断材料になりますが、今までの墓参りや花に関しては何も言っていませんしね。

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5年間今まで会ったことがない二人

 ただし五月は現在下田さんの元でバイトをしており、五月から命日の話を聞いたので今年初めて命日に花を置いていった、という可能性も十分に考えられます。

 とまあ、結局は五月が何も喋っていないので置いていったとも置いていかなかったとも言えます。



 三番候補:江端さん

 マルオの命を受けて花だけを置きに行くパターンと、お互いに学校の先生ということで実はマルオとは無関係な所で接点があったかもしれないパターンの二つがありますので『花を置きに行く』という点のみで見れば実行しやすいのは江端さんかもしれません。

 ただし僕は修学旅行の盗撮騒動で江端さんを犯人と推測して冤罪騒ぎを起こしてしまったので、今回はその罪滅ぼしということで江端さんはズバリ無関係だと言い張りましょう。

 それに江端さんが花を置いていくならあの人の事なのでめちゃくちゃお墓を綺麗に掃除してくれることでしょう。五つ子が出会わない、あるいは勘づかない可能性の方が低いと思います(笑)。

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掃除のプロ


 四番候補:上杉勇

 そもそもマルオと勇也は昔馴染みで中野家の事情もマルオ越しに分かっている(と思う)ので可能性は十分にあります。それから例の上中下トリオが本当に存在していた場合は勇也も零奈と会っている事になるから、その点においても勇也が置いていったと考えられなくもありません。

 とりあえずいきなり感のある勇也ですが、これについては否定するだけの材料がないので今のところ可能性が一番高そうかも。



 最後に五番候補として五つ子の実父説が所々で囁かれていますが……。

 うん、ないな。

 まず、もしも毎年花を置いていってる場合、それだけの愛情があるのにどうしてその子供を放置したのかが疑問になります。「とっとと会いに来いやコラ☆」って感じですね。

 で、今年から花を置いていったのであれば「何で今の今まで置きに来なかったんやコラ☆」ってなるので、結局のところ実父が出たところで話が良くなる流れになりそうにないってのが主な理由です。

 というか実父側にどんな事情があったにしても、第三者視点で見たら『零奈一人に五つ子の世話を押し付け、病気で死なせてしまった』という事実は取り消せないし、弁解のしようもありません。どう頑張ったとしてもいい話に持っていけるとは……ねえ?零奈の死の際に姿を現していないようなので和解など到底無理としか考えられませんね。

 実父が今後描写されるにしても、五月の過去回想で出てくる程度で十分かと思われます。

 ただし五つ子ともマルオとも和解できて結婚式に参加してないだけ、あるいは前田夫妻や店長と同じ場所で娘の花嫁姿を見ることも『ありえなくはない』程度に考えておきます。

 といった具合で、『勇也≧下田さん>江端さん>>>>>>実父>マルオ』ぐらいの予想でいこうかなと。

変化を選ぶ一花

 今回の最後で一花は「二学期からは学校行かないから、学校辞めるんだ」と大きな爆弾を放り投げてきました。修学旅行の最終日に和解した五つ子で何かの話をしてた時に学校を辞めることは言っていなかったんですね、やっぱり。

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学校辞めるんだ

 『全部嘘』の時から薄々こうなってしまうのでは……とそれなりに不安に思いつつ最近の動向からそれなりに覚悟はしていましたが、それでも実際に言葉として出されてしまうと大きな衝撃を受けてしまいます。風太郎が「全員笑顔で卒業させる」とか言ってたり、自分は自分で一花が学校と風太郎の家庭教師から卒業する時に「あなたが先生でよかった、あなたの生徒でよかった」ともう一度言ってくれるだろうという希望を抱いていましたからね。

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全員笑顔で卒業させる

 でもこのタイミングで言われるとすこしキツイものがありますね……。というのも、五つ子のヒロイン達が花嫁争奪戦から脱落するタイミングは『五つ子の全員が風太郎に告白をして、最後に風太郎が誰かを選んだその瞬間』以外にありえないと予想しておりまして。

 まだ風太郎に告白をしていない四葉と五月がいるので誰も脱落はしないだろうと思っていますけど、11巻の残り話数を考えると、次々回の11巻ラストの話で「あなたが先生でよかった」と言って告白しながら風太郎のもとを去っていき11巻が終わる展開もあったりするんじゃないのかなと。「ByeーByeありがとうさようなら」ってやつです。懐かしいなオイ!


 一花がこれまで学校に通い続けていたのは間違いなく『風太郎がいるから』と言えますけど、全国模試の前に発生した例の事件、そして修学旅行での事件解決が一花のその未練を断ち切ろうとするきっかけとなった、と言った感じなんでしょうね。

 ……とは言うものの、結局のところ一花の本心は一体どこにあるのでしょうか?

風太郎を完全に諦めたから学校を辞めることを決めた
風太郎を完全に諦めるために学校を辞めることを決めた

 言い方は似ていますが中身は全く別です。前者だとちょっと、どころかかなり一花が花嫁候補から遠ざかってしまいますからね……。さすがにまだ後者であってほしいところです。



 それから、多分深読みの一種であるとは思うんですけどなんとなく。家を出るのかなあ、とかも一応考えております。気になりませんか?この口元のコマの存在。

 二乃や五月の家出の時とはワケが違い、一度家を離れたらおそらくずっと戻ってこなくなってしまうでしょう。数年後に五つ子がお爺ちゃんを囲んで仲良く写っている写真がありますが、それも一花がスケジュールを合わせてあの旅館に行けばいいだけなので家を出ていかない根拠にはなりえないかなと。まあこれは深読みかもしれない部分なのでこれくらいにしておくとして……。


 もう一つの疑問として、これに関して風太郎は何を思うのか?ということがあげられます。

 林間学校で一花が学校を辞めるかもしれない話を聞いた時には「選択肢のあるお前が羨ましいよ」「何事も挑戦だ」などと言って、一花の夢を否定するどころか思いっきり肯定しています。

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「やりたいこと」を肯定する風太

 それから、初めて3年生になった日に一花が「バラバラになるのかな」と皆がバラバラになっていく事に対して少し寂しい思いを吐露します。それに対して風太郎が「悪いことではないんだろう」と言っています。

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悪いことではない……が。

 風太郎が「何事も挑戦だ」と言っていたように、たとえ五つ子が離れ離れになったとしても、その時に得た経験がいつしか大きな糧となって各々の成長や生き方にプラスの影響を及ぼしたのなら。それならそれで『五つ子にとって』は非常に良い事だと言ってもいいのかもしれません。


 でも、それは『今の風太郎にとって』はどうでしょうか?


 後に風太郎が海でクラスメイトと遊んだ時、五つ子が自分にとって必要不可欠な存在だと感じました。もしかしたら3年生になりたての時期も、ただ自分が認めていないだけで心の奥底にこのような思いがあったのかもしれません。

 一花の学校辞めるという言葉を聞いた時に果たして風太郎はどんな思いを抱き、行動するのでしょうか。肯定するのか、留まるよう言い聞かせるのか……。

 またその際『夢』の話がメインに出てくるのであれば、まだ夢が決まっていない四葉と二乃、そして風太郎がようやく自分の夢を探し始めることになるのかな、なんて思ったりもしています。

 今回の話の序盤で出た「推してダメなら引いてみろ」を図らずも実践した一花ですが、それが風太郎や他の姉妹にどのような影響を及ぼすのか、今後の話を待つことにしましょう。

もしかして?

 ちょっと気になったことなので。

 らいはなんですけど、前回のプールで風太郎が遅刻をしたんですね。その原因がらいはの体調不良にあるのかなと。んでもって今回店長と零奈へと贈る持ってきた花が「そぐわないなららいはにでもやろう」と言っていました。見舞いのお花をらいはにやろうという事は、それはもしかして……?と思った次第でございます。

 林間学校の時にらいはが倒れた時、風太郎はウイダーや冷えピタなどは買っていましたが、お花などは買っていません(まあ現実でも入院していない人にわざわざ花を買う人はいないと思いますが)。だから一応らいはに体調を崩しているらいはに渡そうと考えたのかなって。

 まあこれも深読みの一種ですね。当たってても「お、僕結構わかってるやん(ドヤァ)」って自画自賛することぐらいしかできません。

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ウイダー冷えピタ


 さて、次回はどこからスタートするんでしょうか。まさか8月14日があっという間に過ぎるものだとは思わなかったので、完全に予測が付いておりません。学校の事でマルオと一花の会話から始まったりするのか?それとももう二学期スタートしてしまうのか?

 色々気になる所ではありますが、次の更新まで24時間を切りましたので今回はこの辺で終わろうと思います。

 ご拝読ありがとうございました。

*本記事で掲載している画像は©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁」より引用しています。
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