東王の日記

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五等分の花嫁の感想考察日記!

五等分の花嫁:91話『偶然のない夏休み』感想 「変わる」ということ

  先々週の金曜日くらいから風邪をひいてしまい、それがようやく治ったと思ったら先週の金曜日からとある病気を発症してしまってるのと、某スマホカードバトルであるSH〇DOW〇ER〇Eに復帰して少しずつやりだしてることもあり、今週の更新はとてもじゃないけど文章は書けないなということを最初に言っておきます。いつものことか。

 

 

 91話、読み終わりました。率直な感想を言えば「とてもホッとした」、これに尽きます。いくつもの伏線心境の変化などがあちこちに散りばめられていましたが、ひとまずは五等分の花嫁における日常回と呼んでもおかしくないお話でした。

 

 しばらく過去+重い話が続いていた事もあって、今回の現在+日常との読了後の後味の良さ?というか温度差?がまさに正反対といった感じでしたね。読了後のツイッターのTLも、先週の悲鳴の嵐とは逆で「安堵した」「ほっとした」「次週こそ五つ子の水着姿が見られる!」などなど、一部お祭り騒ぎな面もありましたが大体平穏な感じでした。

 

 さて、今回の話で最も衝撃を受けたのは何と言っても風太郎の五つ子に対する気持ちがある程度知れたこと」「風太郎の変化」「風太郎が五つ子達のために動き出したこと」でしょう。久しぶりに風太郎視点で物語が進んだという非常に貴重な回だったので、その点を中心に今回は書いていこうかなと思います。

 

風太郎、恋愛ガイドの本を買う。

 まさかね、風太郎がそういう本を買うとは。正直に言って驚きでしたよ。

 

 風太郎の高校生活における恋愛観を見ていくと、3話『屋上での告白』での時では恋愛を「学業から最も離れた愚かな行為」だと一蹴していました。しかし二乃からの人生初の告白を受けたこと、そして五月の姿の誰かとのキスを体験することで72話『学級長の噂』にて「あそこまで真剣な気持ちを前ほど馬鹿にする気もおきないな」と言ってのけるほど考えが変わっていきました。それを考えると『恋愛ガイドを買う(もしくは本当に誰かから借りる)』という行為はさらにその先に一歩踏み込んでいるわけで。どういう心境の変化なんでしょうか。 

 

 こういった類の本を一度も買ったことがないので完全にイメージの話になってしまうんですけど、こういう本を買う時って『自分に好きな人がいる時、その人をどうすればゲットできるかを知りたい時』ですよね?そういう場合だと『既に風太郎に好きな子がいる』ということになるわけなんだけど……きっと多分おそらく違いますよね。

 

 二乃の告白、五月(?)とのキス、四葉「応援します!」三玖の告白キャンセル、一花の「全部嘘」発言+頬キスという、五つ子達(正確に言えば五月は偽物かもしれませんが)からのそれぞれの恋愛事情を見聞きして体験してきたことで、女の子の持つ恋愛観をついに知りたくなったのかもしれません。

 

 それからこの本の表紙がものすごいハートハートしてるのできっと女性向けの本なのかなって思ったんだけど、実際のところどうなんでしょう。男性向けの恋愛ガイドもあんな感じにハートハートしてるのかな?

 

 ちょっとネットで調べてみたけどあんなにハートハートしてるのなかったわ。まじでわからん。

 

 それにしても、勉強大好きな風太郎が恋愛に関することも本で理解しようとするのも実に「らしい」ですね(笑)。 なんというか、本を何べんも読んだとしても風太郎には理解できないんじゃないか?とつい思ってしまいます。いや自分が読んでも理解できるとは思えませんが。

 

 

 さて、風太郎は夏休みに入ってからはずっと家に引きこもっていました。勉強以外にもこういう本を読んで少しずつ彼女らの心境を理解しようとしていたんでしょうか。そんな風太郎にらいはが五月達に会いに行こうと言いますが、中々風太郎は渋っている様子。

 

 これは春休みの時もそうでしたね。二乃に告白された風太郎が買い物中に三玖と会った時も「行く用事がないしな」と言っていた件。恐らくその時もきっと本心ではないのでしょうが、この時も今も『会いに行くのに理由が必要』だと思っているようです。いや、思っているというより「思い込もうとしている」の方が適切ですか。

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五つ子達に会いに行く理由は?

 

風太郎、海に行く。そして……

 そんな中、裏で五月とやり取りをしていたらいはは強引に風太郎をに誘います。それに断り切れず一緒に付いていく風太郎でしたが、海に到着して出会ったのは五つ子ではなく、前田や武田をはじめとした3年1組の面々でした。

 

 スイカ割りでクラスの右や左の声に思いっきり突っ込んだあげく前田の額をバチコーン!とブチかましたり男子達に砂に埋められたりと中々に楽しんでいた様子でした。それはクラスメートの目から見てもそうだったように思います。

 

 しかし、未来の前田の嫁さん(アニメで名前が松井と判明してます)から「楽しそうでよかったよ」と言われた時に風太郎は意外そうな顔をしていました。思わずもう一度確認してしまうくらいに。

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楽しんでいたのは確か

 なぜそんな事を聞き返してしまったのか、風太郎にはその理由はハッキリと分かっています。クラスの連中と楽しかったのは事実だけど、それと同時に風太郎の中で物足りなさを感じてしまっていましたからでした。

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もの足りなさを感じてしまった風太

 

 この後の花火を断り眠っているらいはをおんぶして二人で帰る夜道、風太郎は一人思わずつぶやいてしまいます。何だかんだでずっと自分の事を騙し続けてきたけど、ここまで来るとさすがに認めざるを得ない。

 

 会う理由がないからと言い訳して五つ子達と会うことを避けてきたハズなのに、いざこうしてその五つ子達がいない日常を過ごした途端に「物足りなさを感じてしまった」事。クラスの連中と盛り上がれたのは間違いなく楽しかったハズなのに、五つ子達がいないだけで「もっと楽しくなっただろう」と思わされてしまった事。そしてある時から勉強の事ばかり考えるようになり家族以外の人間関係をばっさり切り捨ててきたハズなのに、今の自分にとって五つ子達の存在が「とても大切で必要だ」と感じてしまった事。

 

 これまでの自分の行動と意識が、今の自分の心境と絶望的に噛み合ってないこの焦燥感。最後の試験を全員が突破して自分が文字通り用済みになったと自覚した時に思わず漏れた「寂しくなるな」という言葉の通りに、状況はかなり違えど今現状まさにそうなってしまっているかのような寂寥感。

 

 そんな感覚を持っていた事を、風太郎はついに肯定するようになりました。「あーくそ」という一言に風太郎の全ての感情が詰め込まれていました。

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もう認めざるを得ない

 

 もう五つ子に会いたいと思うのに理由なんていりません。ただ会いたいから会うだけ。そう決めた風太郎はたどたどしくも、ついに五つ子をプールへ誘うのでした。

 

 いやあ。なんでしょうね。五つ子の水着姿こそ拝めなかったものの、それはそれで次回にお預けになってるだけですし、それよりも風太郎に起こった心境の変化をこうして見れたことがすごい嬉しいと思ってしまいます。ただただ受け身に回るだけがラブコメ主人公じゃない、こちらから積極的に動いてこそってもんです。一番最後に五月が言った「あなたが誘うのですか!?」は本当に読者の心のうちを代弁してくれたなあって感じでした。

 

一方中野家は

 風太郎に変化が訪れている一方で、今回のもう一人の主要視点者・五月の周りでも様々な事件が訪れていました。それは今住んでいる家が取り壊されるということで強制退去をするところから始まります。

 

 前の年の12月24日になる前にはこの家に住んでいたので、だいたい8か月くらいでしょうか。こちらの家に引っ越しをする前に建物の管理してる所からそういう解体の可能性があるのかどうかとかのお知らせしなかったのかなとか思わなくもないですが、それはさておき、退去に際して補償が出るのかという質問を一花に聞いてもらおうと五月は外に出るのですが、そこで一花が「私はいなくなりますので」という言葉を聞いてしまいます。

 

 それを聞いた五月はとてもビックリ!文字通り白目になってしまいました。家を出るなんていきなりどうしたんだと。まあもっとも、これは一花に限った話ではないようで、ペンタゴンに中野家の五つ子が戻ってきてからも「修学旅行が終わってから皆どこか……」と姉妹の様子を心配していました。

 

 

 あれ、デジャヴ?

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どこか変なのです

 さすがに今回は家族旅行のこの時とは違い、家族旅行最終日の前日に三玖が風太郎を大好きだと言っている、風太郎から一花と二乃から好かれてるのを聞いてる、班決めの際に二乃が風太郎に猛アタックしている、修学旅行最終日に三玖が告白しているのを聞いている、その裏での一花と二乃のやりとりも聞いている、四葉はいわずもがな、なので原因がすべてにあるのは間違いないと思っているようです。

 

 ところで風太郎君に五月さん。君たち何か似過ぎじゃありませんか?互いにこいつのせいだ!って言ってるところとか。

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全部五月/上杉君のせいだ!

 

 それだけじゃなく、恋愛のアレコレに関しても片方は本に頼ってたと思えば、もう片方はネットに頼ってたのもあり、すぐに何か外部の媒体から情報を得ようとするところとかも本当そっくりやん……と思わずにはいられません。やっぱりこの二人の似た者同士な関係性は見ていて楽しいですね。

 

 ちなみに軽く流しましたが、一花から風太郎への「?」の矢印が向いているのは一花が風太郎を好きであるのに家を出ていくことが理解できないところからきているものだと思われます。一花本人から風太郎への好意を直接聞いたわけではないけど、知らないわけではないはず。

 

五月の風太郎に対する恋心は

 ここは人によって考察の中身がだいぶ違うと思われますので自分の考えてることを少しだけぶちまけましょうか。

 

 上の図では五月本人の矢印が出ておらず内心で「どうしましょう」と言っていることから『五月自身は恋愛感情を有していない』とも受け取れそうな雰囲気ですが、個人的には四葉のために恋愛感情をガッツリ隠している』のかなと推測しています。

 

 きっかけというか予想ですが、中間試験直前の『嘘つき嘘たろう』あたりで(上杉君が好きかも?)という疑惑が五月の中で発生し、林間学校三日目での「見つけた」で完全に(上杉君の事が好き)となって確信に変わったんじゃないかな、と。

 

 で、風太郎のことを色々知りたくなって入院中に『なぜ風太郎は勉強するのか』の理由を聞きだそうとしてましたが、入院時の話の時か四葉からの依頼の時かはわかりませんがとにかく四葉が昔風太郎と出会ったことがあるのを知り、四葉を最優先に考えている五月は自分の恋心を封印したのかなって。

 

 そう考えた根拠について。これがまた仮定の話なもんだから根拠として弱すぎるものではありますが一応。87話『私と姉妹①』で、四葉が財布を落としてしまって探している最中に誰かが四葉を心配している描写がありましたよね。それが五月なのかと思っています。理由?ないよ!!

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心配してるのは五月なんじゃないか説

  これより前の段階から何らかの事情で五月は四葉を心配するような性格になっていて、それが現在になってもまだ続いてるとするのであれば、四葉のために風太郎への恋心を封印する可能性はあるんじゃないかなって。

 

(もう少し詳細に説明をしたいところですが、それに関しては情報をまとめる時間もほしいので今後単体の考察記事を作って書きたいかなってところ)

 

 そう予想はしていますが、今後の展開がどうなるかは非常に気になる所ですね。

 

 

一花の未来

 さて、上で少し話に出しましたが一花について。時間軸が現在に戻った時に一花の姿がなかったことが気になっていましたが、やはり学校をやめて家を出ていく可能性が濃厚になっていったのかなと思われます。

 

 五月の驚きっぷりを見ると、一花がまだ誰にも知らせていない状態なのがわかります。自分はてっきり修学旅行の最終日の三玖の告白キャンセル後の五つ子の会話で一花が今後どうするか話したんじゃないのかなと思ってましたが、そうではなかったようですね。ここの会話の内容は後日分かるのかな?

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何話してたんだろうね、ここ。

 それにしても。普通に他の姉妹と話をしてる一花の姿を久しぶりに見られたのがとてもよかったなって。僕がマガポケで最新話を追うようになって一番最初に見たのが例の事件の回でしたので、それを考えると今の一花の嘘で塗り固められていない顔を見るのがとても感慨深いなあって思ってしまいますね。

 

 もしも学校をやめて家を出ていくことを風太郎が知ったら何て言うんでしょうね。林間学校で話した時は「選択肢のあるお前が羨ましいよ」「何事も挑戦だ」と一花の夢を肯定していましたが、今の風太郎は五つ子が大切で近くにいてほしい存在だと認識しています。一花が自分のもとから離れていくかもしれないと思う風太郎の心境やいかにって感じですね。そしてその話から風太郎自身、それから四葉や二乃に「夢を追う事とは一体何ぞや」的な話が繋がっていくのでしょうか。

 

 風太郎からすれば自分をおそらく好いてくれているのにそこから離れていく理由がわからないだろうし、『五人一緒』におそらく最もこだわってる二乃や四葉からしても、母の言いつけを破ってまで自分の道を進み始める一花の姿に何か思うことができるのかもしれませんしね。

 

クラスメイトとの交流

 物語が始まる前の風太郎はまさに一匹狼な状態でした。勉強のために自ら家族以外の人間関係を捨ててきたのが主な理由ですね。

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常に一人だった風太

 しかし、五つ子との出会いがきっかけで風太郎の心情は段々と変わっていきました。最初の頃なんて上のコマで他の生徒を「俺の人生とは関係のない人間」呼ばわりしてたのに、今回のクラス会の帰り際に「皆によろしく伝えといてくれ」と言うまでになれたのが風太郎の人間的な成長を表してるんだよなあ。

 

 クラスメイトもクラスメイトで、そんな風太郎をぞんざいに扱ったり除け者にしようとせず一緒に楽しむべき学友として接してくれているのもいいですよね。これも一つの青春ってやつなんでしょうな。

 

 前田も二年の時は喧嘩ばっかりしてきて怖がられていたようですが、未来の嫁さんと付き合い始めてからは風太郎と同じように段々と性格が丸くなっていったんでしょうかね。今ではクラスメイトから砂浜に埋められ、風太郎を介して重い一撃を食らわせられるようになるなど……あれ、扱い悪くなってね?(笑)

 

 ああそういえば一つ気になった部分がありまして、前田の未来の嫁さんって風太郎と同じ3年1組なんでしょうかね?修学旅行で前田と同じ班になってないからてっきり別クラスなんだろうなと思っていたんですけど。もしかしたらあれですかね、他の仲のいい女子達と組んだんだけど前田の面構えがアレなもんだったから前田の事は武田と風太郎に任せた的な。風太郎から前田を誘うことは多分考えられないから、武田がいなかったらきっと前田の修学旅行が恐ろしいものになってたのかもしれませんね(笑)

 

 さて武田。僕がずっと前から「これぜひとも武田が風太郎に言ってほしいな」って思ってたことをズバリ言ってくれたのでもうご満悦です。

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これ言えるの武田しかいないからね

 こうして風太郎の変化を直接口に出して本人に伝えたのも、高校1年の頃からただ一人風太郎をライバル視=特別視してきた武田だからこそ言えたセリフなんだよなと思わずにはいられませんね。

 

 それに今の風太郎と武田は以前の『ただ追いかける側とただ追いかけられる側だけの関係』ではなく、全国模試を通じて『永遠のライバルでありつつも、互いを認め合った友人』として人間関係を構築しています。だから武田は風太郎にああいったことを何の臆面もなく言えたんでしょう。そして風太郎も武田が自分の変化を分かってくれているから物足りなさを感じてしまったことについて真正面から言えたのでしょう。こういう人間関係は貴重なものです。修学旅行のプレゼントの時にも思ったけど、本当に風太郎はいい友達を持ったなあとしみじみ思います。

 

 

 

 そういえば武田について一つ気がかりなことがありまして……。

 

 武田って宇宙飛行士になる夢を持っているじゃないですか。そしてそれになるために勉強をたくさんしていますし、体づくりも欠かさずやっていることだろうと思われます。修学旅行の初日で昼食を食べすぎて動けなくなった前田をおぶってあの大量の階段を登り切ったとすると、四葉に負けず劣らず相当な体力を持っているものだと思います。

 

 そして今回も前田と一緒に登場した時にも、体を鍛えてることがわかるような描かれ方をしてたじゃないですか。

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夏楽しんでる?

 で、ここで皆さんに思い出してほしいことがあるんですけど、風太郎の誕生日プレゼントに三玖ってスポーツジムのペア券を渡したじゃないですか。これで三玖と風太郎がスポーツジムデートをするんでしょうけど、もしかしてそのジムに武田が出入りしてるなんてことあるんかなって。

 

 仮にですよ?もしも仮に今後三玖とのジムデート回があるとして、そこに武田と偶然出会ったりしようものなら三玖と武田が将来くっつく可能性もガチでありえるんじゃないかと想像してしまったんですよね。

 

 これは飛躍しすぎだよなあと自分でも思っているんですが、その一方で風太郎に将来選ばれなかった四人の花嫁候補の未来がどうなるのか、とかも気にならないと言ったら嘘になるわけで。武田なら武田ですっかりいい人間になってるから別に三玖にふさわしくないわけでもないのもまた悩みどころ。

 

 まあここらへんの事情はちょっと頭の片隅にでも置いておきましょうかね。

 

 

次週

 さて、今度こそ五つ子達の水着姿が拝めるぞ!

 

 

 ……というのは置いておいて、今回は一花や五月の動向や思惑が気になる所だったので、それがどのように描かれていくのかを期待しつつ今回は終わりましょう。次も平穏な回のまま終わってくれるといいなあ(笑)

 

 ということで今回はこの変で終わろうと思います。

 

 ご拝読ありがとうございました。

 

*本記事で掲載している画像は©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁」より引用しています。