東王の日記

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五等分の花嫁の感想考察日記!

五等分の花嫁:90話『私とある男子②』感想 初めまして「上杉さん」、さようなら「風太郎君」

 なんてことには絶対にさせたくない。6年前に芽生え、ずっと持ち続けてきたあの恋心に蓋をし続けて生きていくなんて、そんな辛い物語が存在してもいいのだろうか。いや、ないね!

 

 五等分の花嫁という作品は風太郎が誰と結ばれるか?」が主な謎として存在し、それに向かって物語が進んでいくのですが、四葉も含めて全員が幸せにならなきゃ意味ないんです。例え四葉が今を受け入れようとするなら、風太郎と4姉妹が力を合わせ真の意味で四葉を解放させてやるから待っててくれ、四葉

 

 と、思わずそんなことを言いたくなるような内容でした。

 

 今回も、『私と〇〇』編の例にもれず四葉の視点で話が展開されてきました。四葉は6年前に初めて会った時からずっと風太郎への淡い恋心を持ち続けてきていたことが分かったのですが、それを頑なに封印し続け、さらには他の姉妹の幸せを願うあまりに自分の楽しかった思い出を消してしまおうとする四葉の心理状態を考えるといてもたってもいられなくなりますね……(だからといって現実に自分たちができることは四葉の幸せを願い続ける事くらいしかできませんが)。

 

 そんな感じで、今回のお話で様々な「裏側」が明かされました。そしてそれと同時に、今まで語られてこなかった『中野四葉の心情が果たしてどのようなものだったのか?』という部分もそこそこに描写されています。その最中に起こった四葉の悲壮な決断がどのようなものだったのかを見ていくことにしましょう。

 

 

やっぱり風太郎君だ!

 1話で四葉風太郎が出会う直前のシーン。四葉風太郎のことをちゃんと憶えていました。テスト用紙を拾ったままの状態にしてあるので、もしかして名前を見ずに気付いたのか?と最初は思いましたが、風太郎は一切喋ってないし、当時は四葉の悪目立ちリボンを5分の1くらいにまで小さくしたようなアホ毛もなかったし、金髪から黒髪に変わってるし、そもそも雰囲気がまるで違うし、そもそも二人は1日しか会っていないしそれも5年前の話だし、という感じなので、おそらくきっとテストの名前を見たんじゃないでしょうか。もし見てないのなら、いくらなんでも四葉の愛が他を軽く超越するレベルで深すぎます。

 

 それと、四葉が憶えてるなら風太郎もハッキリ憶えていてもおかしくないんじゃないかなって。5年前からの変化の量で言えば四葉の方が髪の色も雰囲気も全然変わってない事は見て分かると思います。とするなら風太郎が一目見て思わず「もしかして……京都の……!」みたいな反応を示してもおかしくないわけで。

 

 それに食堂での会話の時は四葉が五つ子の一人ってことすら分かってない時期ですし、恒例の『確信のないことについて黙っている』という風太郎の性格もここで作用するようなものではなさそうかなと。さらに言えば1話の風太郎のモノローグで四葉を見た時の第一印象が「あの悪目立ちしたリボン……」でした。顔も見ていただろう事は間違いないのに、そこについてはノータッチでした。

 

 あとは論理的に言ってしまえば、まず風太郎は壁の方に顔を向ける形で椅子に座り、顔を下げて両手を組んだ状態で悩んでいる様子でした。つまり横から顔を見る事すら不可能な状態です四葉はテストさえ届けられればそれでいいので、後ろから「テスト落としましたよ!」みたいな感じで声を掛ければいいわけで、あんな姿勢をとってまで顔を見る理由がありません。

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名前を見たから四葉はこういう姿勢になった説

 という理由により四葉はテストの名前を見た説が自分の中で濃厚となっております。さすがにね、四葉推しとしては名前を見ずに風太郎だと気付いてくれたらそれはそれは壮大なロマンではありましたが、さすがに現実離れしすぎてる印象があったのでちょっとだけ自分の考察を述べました。

 

 ちょっと待てよコラ

 よく見ろよテストが折り畳まれたままだろコラ

 やっぱり中野さんは上杉の雰囲気だけで分かったんだろコラ

 

 名前を見てからもう一度折り畳んだ可能性があるだろ! 

 

 

 それは置いておいて。

 

 四葉は5年前、しかも1日しか会ってない男と子のことをずっと憶えていたし、その子とこうして再会できたことを純粋に喜んでいました。前々回の記事で「とんでもない悪夢だ」と思ってるに違いないとか言ってたのは内緒な。しかし、英単語の単語帳や100点の答案用紙を見て、誓いを立てたあの日から今までずっと勉強を頑張り続けている事を知ります。四葉にはそんな風太郎の姿がとても眩しく見えていたことでしょう。風太郎と比べて今の四葉の学力は悲惨な状態である事、そしてそれがきっかけで夏休み前に転校騒動を引き起こしてしまいましたので。

 

 「風太郎君」と呼びたいけど、自分があの日に誓いを交わし合った子だと知られることが恥ずかしいと思い、「上杉さん」呼びになる四葉。この時点から四葉「嘘」が始まりました。

 

風太郎君に話してもいいのかな?

 最初は自分の事を話すことが恥ずかしくてできなかった四葉だったけど、それでも風太郎が自分達の家庭教師になってくれたことに対しては大歓迎の様子でした。二話で一人だけ逃げず「上杉さんの授業を受けるために決まってるじゃないですか」とまで言ったのも、そのためです。

 

 それから、このまま勉強を頑張れたら自分の事を話そうとする考えも見られました。このことから最初から自分の秘密を隠し通そうとする意思は特になかったことがわかります。

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いつか伝える意思はあった模様

 前回の記事で四葉の態度はわざと?」と疑問を出していたのですが、そのようなものはなかったというのが答えのようです。風太郎の京都の子のイメージを引き離す作戦』が存在しない以上、わざわざ三玖との話を妨害したように見えたあの出来事は四葉の演技でもなんでもなく、素でやったことになるんですね。それはそれでいいのかどうかはわかりませんが!

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これは縁起でもなんでもなく「素」だった

 しかしそんなことを考えている間に三玖が、そして一花が次々と風太郎に好意を持っていることを察知し始めます。特に一花に関しては風太郎君と話していた事を忘れていたのかな?→やっぱ思い出してるんじゃない?)とめちゃくちゃ疑っていましたね。

 

 

 そんなことがあった次のブランコのシーンにて。「皆が上杉さんの素敵なところに気がついてくれてよかったよかった」四葉がひとり呟く場面。ここは林間学校が終わってから五月と風太郎の話を聞くまでのわずかな間の事だろうと思いますが、自分しかいないのに「上杉さん」呼びになっていました。家庭教師が始まったころは風太郎君」と呼んでいたのにです。

 

 もしかしたら、この辺りから風太郎の事で姉妹に無意識に遠慮をし始めるようになっていったんじゃないかなあ……。で、病院内で五月と風太郎の話を聞いて、風太郎が自分のことを憶えていたことを知った時に、その密かに抑えつけていた心がさらに大きく膨らんでいってしまったのかなと。

 

 今の自分がここにいるのは姉妹のお陰なのに、自分だけが特別なんて良くないから。だからこの思い出を消してしまおう。四葉はそう考えたわけですね。

 

そして零奈と風太郎は出会う

  思い出を消そうと決意した四葉が取った行動とは、五月に昔の姿になって風太郎に別れを告げてもらう事でした。7つのさよならの時には『不要だと落ち込んでる風太郎に前を向いてほしいために零奈(五月)が行動を起こした』ように見えましたが、こういう裏側を見てしまえば答えは全くの逆でした。あの修学旅行での1日を風太郎が忘れてくれれば、自分もこの思いを封じ込めたまま風太郎と付き合っていける。皆にとっての特別でなくなることができる。そう考えたんですね。

 

 ボートを漕ぐ風太郎の楽しそうな顔を見る四葉の顔はとても対照的でした。あの笑顔は昔の風太郎がかつての自分に向けてくれた笑顔と同じものです。風太郎にとってもあの日の事は楽しかったのだろうと、遠くから見た四葉にもわかったのでしょう。そんな楽しかった思い出を自分は封じ込めないといけなかったし、そんな楽しかった思い出を風太郎にも忘れてもらわなければならなかった。「ごめんなさい、上杉さん」って内心で謝っていたのは、ただずぶ濡れになっている風太郎を放置するからという理由だけではなかったんだなって。そう思います。

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楽しい思い出を忘れてほしいと願ってしまってごめんなさい。

さようなら、風太郎君

 話は現在に戻り、四葉は五月から必死の説得を受けます。「このまま自分が出会ったことを明かさないでいいのか、四葉にだって本当は風太郎に打ち明けたい気持ちで一杯じゃないのか、そして四葉だって幸せを願う権利はあるはずだ」……と。事情を知っている五月の言葉を聞きながらも、四葉は決して何一つ肯定することはありませんでした。

 

 かつて「特別」を求めたばかりに、姉妹を巻き込む大きな失敗を経験してしまった。そんな自分が真実を明かして風太郎の「特別」になることは決して許されない。それはかつて自分を救ってくれた四姉妹の恩を仇で返し、幸せを奪ってしまう事に他ならないのだから。

 

 そんな思いを胸に抱えたまま、いつものように公園のブランコを漕ぎながら風太郎への想いをひとり寂しく呟きます。今までの思い出なんて存在せず、一年前に初めて「上杉さん」に会ったんだと自分自身に言い聞かせるように。あの時の告白の最後に「嘘」と言った事が、本当に「嘘」だったと自分に言い聞かせるように。そして最後に今まで想いを寄せていた風太郎君」にさようならを告げるように、「好きだったよ、ずっと」と。

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好きだったよ

 きっと、6年前に偶然出会って誓いを交わしたあの日からずっと。長く会うことのなかった5年間も、再会してからひたすらずっとそばに居続けたこの1年間もずっと、風太郎の事を好きであり続けたのでしょう。そんな想いを、姉妹の幸せのために捨てなければならない。本当は泣きたいくらい悲しい決断なのに、「そんな思い出は存在しない」ため、涙を流すこともできない。

 

 四葉の初の見開きがこんなに切なくて悲しい1コマになるとは思いませんでしたよ……。早く四葉が救われてほしいと願わざるにはいられません。風太郎、頼むぜ……!

 

 

四葉とブランコ

 さて、今回は複数に渡ってブランコを漕ぐ四葉のシーンが描写されました。このブランコは勤労感謝のデートの際に「ちょっと落ち込んだ時はそのブランコに乗ってみたり……」四葉が言っているものなのですが、それに関してちょっと思ったことを書いてみようかなと。

 

 ブランコって遊べば分かると思うんですけど、漕いだらいつかは台が中央に戻るじゃないですか。そういう部分から、四葉の落ち込んだ気持ちが真ん中=0に戻るという事も暗示しているのかなって。

 

 四葉は落ち込んだ時にブランコに乗るそうですが、つまり、自分の持っている負の感情が、ブランコに乗ることでいつかは中央に戻る=一旦リセットされるようになる。そんな性質も含めてるのかな、とふと思いました。

 

 もちろんそれだけでなく、持ち手の鎖の部分を手で捕むことから自分が特別であってはならないという四葉を繋ぎ止める枷を示していたり、ブランコから跳ぶことはそうした枷からの解放を連想させてくれるのもあります。こうしてみるとただの遊具であるブランコが四葉の色々な面を表しているなんて、ねぎ先生の発想は相変わらず凄いなと思わず感嘆の声が上がってしまいます。

 

 

 

 さて、四葉に関してはこんなものですかね。今回の話は修学旅行後の現在に戻ってきており、そこで登場したのも四葉だけではありませんでしたので他の姉妹についても少しずつ見ていきましょうか。 

一花についてあれこれ

 回想の一花ですが、もしかしたら四葉風太郎への好意には気が付いていたんでしょうか?四葉はかつて3話で「三玖は恋をしています」と言っていたり、直後に一花と楽しそうに恋バナをしていました。それなのに「やっぱり!どうしてこうなっちゃったかなー」と落胆している感じで言うのは少し妙だなと。思わず漏れてしまった四葉の本音から、四葉風太郎への好意を察知したのかもしれません。

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「だよね」とは?

 それから探偵風太郎の回で「この中で昔俺に会ったことがあるよって人―?」という質問があった際に四葉の方をちらりと向いていましたね。最初は「え?誰かおるん?」みたいな感じで姉妹の方を向いてるのかなと思ってたけど、四葉が言い出すか出さないかの動向を気にしてたってわけですね。こういう姉妹の視線も何かしらのヒントになるってことがわかったのでまた単行本全巻読み返して手がかりをつかもうとする人が続出しそうです。

 

 

 さて、今回の話で現在に戻ってきたのですが、その時の姉妹の会話の中で一花の姿だけがどこにもいませんでした。修学旅行の終わり際を見る限り、決意を新たに女優業に専念すべく学校をやめることになった、ととれますし、単純に女優のお仕事で学校を休んでいるだけとか何かの事情で席を外しているだけとも捉えられます。

 

 果たして一花が学校をやめたのかそうでないのか?それ自体は今後の話で分かると思います。なんだったら、次の話ですぐにネタバラシするかもしれませんね。そこまで大きな謎にするような内容でもありませんし。それに、エキシビションマッチの記事で一花が学校をやめるというのならその道を選んだ決意を全力で祝福したいと言いましたしね。

 

 ただまあその時の記事でも言ったんですけど「一花の姿で直接告白すること」「女優という夢を目指すようになったきっかけ」など、今後もまだ一花に関する話題は残されています。特に夢に関しては二乃、四葉、そして風太郎が不明なままなので、夢を持つとはどういうことか、夢を追い続けるのはどんな気持ちなのか、など、未来の話に関して大いに出番はあることでしょう。これからの一花の活躍にも超期待です。

 

三玖の進路

 今回の話で三玖は大学に進学せず、お料理の学校に行きたいと姉妹に話していました。修学旅行で風太郎にパンを食べてもらった時の一件がきっかけで決まったんでしょう。勉強以外で唯一風太郎から努力を認められた『料理』を、これから自分の生きていく道=夢にする。本来は苦手な分野なのに、それを生業にしていこうと決める三玖の姿はとても輝いて見えました。

 

 三玖はおそらくですが、今回の話で「成長すべき点・乗り越えるべき点」はなくなったように思います。もともと勉強は五つ子の中でもトップだし、こうして夢を見つけてそこに進みたいという意思も今回で確認できたし、修学旅行中に欠点だった自信のなさを姉妹の援助もあって克服することができて最後には無事に風太郎に告白する事もできましたからね。

 

 おそらく三玖を中心とした挫折・試練・トラブルは基本的にもう起こらないんじゃないかなあ。逆に、今後は三玖がいかに姉妹や風太郎に影響を与えていくかが見どころになると思われます。特に三玖が風太郎の性格や人格に影響を与えるもの一花なら夢を追いかける姿四葉なら自分のいる意味などなど)がまだわかっていないので、そこらへんもその内描写されると信じて三玖の活躍を待ちましょう。

 

二乃の将来は?

 三玖が「笑わないで聞いてほしいんだけど……」と言った直後なのに「あんた正気?」と笑ってる二乃のド畜生感がツボでした。

 

 夢に関しては五月よりも早い段階から「お料理関係で自分の店を出すのが子供の頃の夢」と匂わせてはいたものの、結局五月と三玖の方が先に進むべき道を見つけています。それに五月が「受験勉強しかないでしょう……」と言ってるのに対して「うっ考えたくもないわ……」と言った事から、お料理学校などへは行かず、大学に進学することを一応考えてる様子が見られました。

 

 これどうなんでしょうねー。ネットでは二乃はパティシエ説が結構出てるし、どう考えてもそれっぽいのはあるんですけど、ここまでのお話で二乃が「これをやりたい!!」というのが決まってないってことは、お料理関係の道には進まないんじゃないかなあ……と思ってしまうんですよね。

 

 二乃の特徴に従って別の職業を見つけるとしたら、面倒見がいいので保育士さん、オシャレに一番気を使ってるのでアパレル系、お風呂関係の描写もなんか知らないけど姉妹の中でダントツに多いからお爺ちゃんの後継ぎとなって温泉旅館を経営……。

 

 うーん、一応選択肢としてはありえそうな気もしないわけでもなさそうなんですけど、どうにも将来の夢が決めるきっかけとなるエピソードが作りにくそうですね。

 

 五月も三玖もそれぞれの性格などに依る所はありますが、夢が決まったきっかけとして風太郎から影響を受けた部分も少なからずあります。五月なら先生と生徒という教える側と教えられる側の関係から、三玖なら「上杉風太郎の女の子が好きなトコBest2」からと言ったところ。なので二乃だけでなく四葉も、今後何かのエピソードにおいて、風太郎と関わる部分で大きな影響を受ける可能性は十分考えられます。というか僕はそう考えようかなと。

 

 ちなみにツイッターでは言ってるけどブログ記事に書いたことがなかったのでこの際もう一つ言っておくと、二乃・四葉風太郎の中では、二乃が一番最後に夢が決まるのかなと予想しています。

 

 根拠と呼べるほどの強い根拠は存在しないけど、ただ単純な話、以前乗り越えた「二乃だけが取り残される試練」にもう一度二乃が直面するのではないかと思ったから。

 

 43話『7つのさよなら⑤』で二乃は「みんな少しずつ離れていった」「まるで五つ子から巣立っていくように、私だけを残して」と、自分だけが取り残されていた感覚に襲われていました。それでも三玖の説得によって「過去を忘れ、今を受け入れていかなければならない」という意志を持ち、長かった髪を切ることでその覚悟を示しました。

 

 でも、それはあくまでも「過去と今」の話です。「未来」の要素はどこにも存在していません。吹っ切れた今となっては皆と同じ場所に立っているのかもしれませんが、既に一花・五月・三玖はその地点から別々の方向を見ています。そう、今度は「今と未来」の間で悩まされる日がきっと来るんじゃないかと思います。

 

 風太郎に告白した後は暴走機関車となりつつ快進撃を続ける二乃ですが、もしかしたら自分の未来の姿をハッキリと見定めていない故に暴走しているのかもしれません。いつか二乃らしい夢を見つけられるように、これからの二乃を応援していきたいですね。

 

現状最大の謎、五月

 今回の話で五月に関して一番重要だったのは、ボート零奈の正体が99.999%五月だろうと推測していたのがようやく100%確定になったことと、それは四葉からの依頼によるものだったという事です。ボート零奈の一件が五月単独で行動したのか、あるいは依頼されて行ったのかが争点になっていましたが、今回で決着が付きましたね。

 

 ただしそれはそれとして五月が渡したお守りの中身は一体何?という問題が未だに解明されていません。五月が風太郎の元を去る時に最後に渡したお守り。これはおそらく四葉の依頼ではなくて五月が単独で考えて実行したものだと予想していますが、果たしてその中身は一体何なのでしょうか?「自分を認められるようになったらそれを開けて」と五月が言っていることから、お守りの中に何かが入っていることは間違いないんでしょうが……。

 

 ちなみに僕は清水寺の学業成就のお守りに関してリアルで知識がなかったのでどういうタイプのお守りなのか全く分からなかったのですが、ツイッターでフォロワーさんが教えてくれました。どうやらお守りは円筒型(卒業証書とかを入れるようなやつ)ではなく巻物型のタイプであり、延々と何らかの文字が書き込まれえている紙をグルグル巻きにして、表面のあの赤いアレを巻き付けて糊かなんかでくっつければ完成っぽいです。

  分かりにくいのでここから追ってってください(笑)

 

 おそらくそのままの書面が入ってるわけではなく、そこに何か別の事が書かれていると思うのですが、じゃあそれは何なのか?

 

 それだけでなく、五月が「お、上杉君、もしやあなたお守りを開けましたね?」と自然に推測できるかどうか?も気になる所ではあります。

 

 これは別の有名な方のブログのとある考察をガッツリ参考にさせてもらっているのですが、五月の意識が大きく変わる瞬間、引いては「もう上杉君お守りを開けただろうな」と思われるような瞬間が73話『新川中島』で出ているんですよね。風太郎が五つ子の家庭教師を続けることに関して「この仕事は俺にしかできない自負がある‼」と4人の前で言っていた件です。こんなことを自信満々に言える風太郎を見て「自分を認められるようになったんですね」と五月が思ったとしても何の不思議もありません。

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ここまで啖呵を切れる風太郎はそうそう見れない

 これを見て、五月が「上杉君はお守りを開けたに違いない」と思うか否か?ここらへんの疑問が妙に重なってるせいで今の五月がどう思ってるのかが非常に困難なものになっています。

 

 

 一番考えられる中身はやはり「京都で会った子が四葉だとわかるもの」でしょう。後の五月の行動パターンを見ればこう考えるのが自然です。修学旅行に関するあれこれについても、四葉が京都で出会った子だと風太郎に気付いてほしそうにしていましたから。

 

 ただしこの場合、五月は修学旅行の最中どころか修学旅行が終わって誕生日プレゼントを受け取る段階になってもまだ風太郎がお守りを開けていない」と判断していることになります。もしも「もう上杉君お守りを開けただろうな」と思った場合、風太郎には京都の子が四葉であると分かっているはずなので修学旅行の前と最中で五月があんな真似をする必要は一切なくなります。

 

 ということで、そんな感じになってない現状を考えると「五月はまだ風太郎がお守りを開けてないと考えている」もしくは「お守りの中身はそもそも四葉に関する事ではない」ということになりますか。

 

 仮に四葉に関するものが入ってなかったとしたら、次に考えられるのはやはり五月に関する物になるのでしょうか。でもそれはそれで……ねえ?「五月はまだ風太郎に恋心を抱いていない」という今までの前提が大きく崩れてしまうような、そんな気がして考察するのが怖くなってしまいます。

 

 この考察はまた今度にしよ……

 

 

 ちなみにこの五月、その際の会話で「心当たりはありました」と言っています。こ-れ一体どういう事なんだろうなと色々考えたのですが、事前に「やはりあなたでしたか」の文言を考えると風太郎と5年前に会った姉妹は誰か?」というのを考えていたんでしょうね。

 

 ってなると、39話『7つのさよなら①』で五月と二乃が喧嘩をし始める日の風太郎との会話でしょうか。お手本という言葉がその時に出てきており、89話『私と姉妹②』でも四葉「お手本にしてみて!」に対して「お手本って」と言っていましたので、『お手本=四葉というのが五月の中で結びついたのかもしれません。

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昔のことをふと思い出したのかも?

 

 

 話が現在に戻り、前述したとおり四葉に説得を試みます。正体を打ち明けるべきだと言ったのも、修学旅行前の買い物で零奈として現れたのも、そして今こうして本当にこのままでいいのかと聞いたのも、すべては四葉の幸せを願うためでした。風太郎がかつて「ハッキリ言って度が過ぎている」と言ってたのと同じように、五月の目から見ても四葉が幸せを放棄しているように見えるんでしょうね。

 

 何度言っても意思を曲げようとしない四葉に対して五月は今後どんな行動をとっていくのか。そして物語は夏休み直前まで進んだということで、8月14日の零奈の命日も迫ってきています。この日の前後で何も起こらないわけがないと予想していますが、果たして何が起こるんでしょうね。

 

 

 ……さて。これで五月の話題を終わらせようと思いましたがもう一つだけ。

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零奈に変装しようとしてるね

 修学旅行中に風太郎と二人きりになりたいかと聞かれて「否定はできません」と言ってたことがありますが、やはり恋愛感情の云々が目的ではないことが明確になりました。零奈の姿に変装しようとしてた以上、風太郎に六年前の事で何かを伝えようとした可能性があります。三玖が常に傍にいる中で風太郎とどのように二人きりになるのか、もしかしたら五月に何か策略があったのかもしれませんが、そもそも四葉に見つかってしまったことでその計画はご破算になってしまいました。

 

 何をどうやって伝えるのかも不明でしたし、ここら辺も結局どういう算段だったのかは今後の話で分かってくるのでしょうか?

 

風太郎、実は?

 最後に現在の話の風太郎について。四葉風太郎に気付いて遠くから声をかけるシーンがありましたが、ここで「手に持ってたものは何か?」「風太郎もクラスの噂話を既に知っているのか?」という二つの疑問がありました。

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もしかしたら何でもない2コマだけど……

 何を持っているんでしょうね。ぱっと見て何かの大きな袋に見えるので「ゴミ出し」あるいは「買い出し」のどちらかかと思ってますが。ゴミ出しも何故か学級長の役割だということにすればいいし、買い出しなら買い出しで、テストが終わったことによるお疲れ様会などを考えてたのかもしれません。風太郎は金ねぇけど。

 

 まあこっちは些細な疑問です。それよりももう一つの疑問風太郎もクラスの噂話を既に知っているのか?」について考えたい所。

 

 これはフォロワーさんから言われてなるほどと思った疑問です。四葉の呼び掛けに対して風太郎が「そんな遠くから大声で呼ぶな!」と怒っていますが、もしかしたらクラスのあのについて何か耳にしたのかもしれませんね。それが気になってしまい、他の生徒にこれ以上話題にされるのも困るから、四葉に大声で呼ぶなとつい怒ってしまったのかなと。

 

 三玖の一件以来『とりあえず風太郎の「!」は疑っとけ』という精神を持つようにしていますので、おそらく噂も同じように知ってるだろうなと。そんな感じで予想しておきましょうか。まあ最も大きな問題は『その噂が耳に入った時の風太郎の心理状態が果たしてどんなものなのか?』という所にあるんですけどね。さすがに現状そこまで考察をする気力は残ってないので更新を待ちましょう。

 

終わりに

 今回で現在まで時間軸が戻ってきたため、次回からは「私と〇〇」シリーズは終わり、新たな章が始まると思います。というかねぎ先生が「次週風太郎海へ行く!」と思いっきりツイッターで呟いていましたからね。現在でも漫画内での世界でもエイプリルフールはとっくに過ぎているのでおそらく普通に海回なのではないかと思います。日常回を入れてこないねぎ先生の事だから、最後の最後で普通じゃなさそうな展開が待っているのが大いに推測できますが。

 

 今回姿を見せなかった一花の出番はあるのか?夏と言えば海と言った二乃は?何がとは言わないけど三玖→五月はあるのか?内面に大きな問題を抱えている四葉は?その四葉の問題を知っていてなおかつ未だ謎の多い五月は?そして風太郎は果たして泳げるのか?

 

 色々気になる次週予告でしたが続きは次回。今回はこの辺で終わろうと思います。

 

 ご拝読ありがとうございました。

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単なるアイキャッチ用なのです。

 

*本記事で掲載している画像は©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁」より引用しています。