五等分の花嫁:97話『変わり始める日常』感想 ボタンを掛け違えたままの関係にさよならを。
リアルの都合で金曜日~月曜日の間記事を書くことすらできなかったので大分遅れてからの更新となります。マガジンが一週間お休みで本当によかったと思っている唯一の人間になれたと無駄に喜んでいます。
今回で五等分の花嫁の連載が2周年を迎えられたそうなのでまずは一言。
ねぎ先生、五等分の花嫁連載2周年おめでとうございます!
僕が五等分の花嫁にハマったのは今年の1月の頃でした。ハマったきっかけについてはちょっと人に言えない理由があるので割愛しますが、とにかくこの漫画に出会ってもう半年以上経つわけです。時間というのはあっという間に進むものですね。
巷で話題の五等分の花嫁をつい全巻買って一気読みしてしまったけど楽しかった……(・ω・)
— 東王 (@muse_AO) February 5, 2019
五月と三玖が非常に好み、次いで四葉
本アカの方を確認したらハマったの2月からだったわ。普通にブログのプロフィール詐欺ってるな。でも面白いからこのままにしとこう。
ここまでハマってしまった作品だからこれからもずっと五等分の花嫁を追い続けていきたい気持ちはありますが、おそらくそれももう1年、もっと言えば半年と経たずに連載が終わってしまうんだろうなあ……。年内には終わらせたいみたいな噂が飛び交っているのもあるでしょうが。
その一方で、世間では3か月前のスペシャルイベントではアニメ二期の制作発表、近頃ではラッピング電車、そして五等分の花嫁展、さらにはコミケで色々なグッズが売り出されては超スピードで大完売祭りが起こるなど、色々な場所で五等分ワールドが広がっていってるのが分かります。自分はスペシャルイベントは幸運にも参加できたけど他は仕事とリアルの都合上行けませんでしたからね、皆さんが楽しんでいる様子をツイッター上でこの目にしかと焼き付けていこうと思っております。
原作の話に戻りますが、とりあえず物語が終わるその時までに『花嫁は誰か?』という作品最大の謎に自分なりの答えを導き出していければいいなと思う所存でございます。そして答えがバッチリ当たってケイスケ ホンダばりに「俺の勝ち!」って言いたい。なのでこれからも全力でネギ ハルバの心を意欲的に読んでいきたいと思います。
という前置きをしたところで簡単に本編の感想をば。97話のサブタイトルが『変わり始める日常』とあり、今回は二乃を中心に話が進んでいきました。三玖・五月・四葉と他の姉妹との会話を重ねていく内に、今まで二乃がマルオに対して抱いていた思いが刻々と変化していく様子が描写されましたね。
今までマルオの事を「正しさしか見ていない」としか評していなかった二乃がその正しさの裏側に隠されたマルオの意思を知り、「一時の気の迷い」だったマルオへの招待を確固たるものにしたこと、そして何よりも二乃の初めて作った料理がパンケーキで、しかもそれがマルオから材料一式を与えられて作ったものだと分かった時には思わず心が打たれてしまいました。
これが料理が得意とされる二乃のルーツでした。『私と〇〇』編で零奈の死後に五姉妹それぞれの特徴が顕著になっていく経過は描写されていましたが、こうして『マルオから与えられた結果、姉妹で唯一の個性を持つ』ことになるとは全く思いもよりませんでしたね。
そんな二乃が今まで目にしてこなかった正しさの裏側に着目しながら、今回の話を見ていこうと思います。
第一次3年1組大戦
さて前回の終わりで男女でたこ焼きVSパンケーキの争いが起きるんじゃないかと予想したところ、今回の1ページ目で早速3年1組大戦が繰り広げられていました。
やっぱりな!!
どうやら何日にも渡って両雄並び立ってしまっている状況が続いているようです。
クラスの生徒数は1列6人×5列=30人で、学級長は投票ナシ+一花が休学してる状態だから同票にはならないはずだけど、まあ裏で一花も投票してたってことにすればいいな。 pic.twitter.com/m1tKmJxIIM
— 東王@五等分の花嫁専用 (@428AO) August 6, 2019
ちょっと身も蓋も夢も希望もない3年1組考察を一つ。学級長が投票せず14:14で同票、そのうちたこ焼きの1が二乃って事は、男子14人、女子16人のクラスなんですね。普通の高校で言うなら文系クラスかな?まあこの漫画に普通の概念は全く当てはまらないのでそういう考察に何の意味もないのは内緒だぞ!
真剣に考察……するわけでもないんですけど、果たして1組の出し物は何に決まるのでしょうか。考えられるのを一つずつ上げて考えていきましょうか!
①たこ焼き軍団の勝利
どちらかの軍勢が勝利するパターンその1。とはいえこっちの勝利はどうなんだろうなあ……たこ焼き軍団長の二乃が「マルオを招待してパンケーキを振る舞いたい」と思う可能性があるのであまり期待できないかもしれません。
その一方で「私が最初に提案したんだもの、最後まで責任持つわ」と言っている以上そう簡単には旗を上げる事もしないとは思いますが、だからと言ってパンケーキ軍団の内部で裏切りが発生する可能性もなさそうなので基本的にはたこ焼き軍団は不利と見ていいでしょう。
②パンケーキ軍団の勝利
どちらかの軍勢が勝利するパターンその2。正直こっちの方が勝つ確率は高いんじゃないかなあと思っています。
前述した二乃の件もそうですが、仮に今まで投票をしなかった学級長が投票権を持った場合に風太郎がパンと関連してパンケーキに入れる可能性もありますし、そもそも去年のランキングという理由だけで最初から候補にあったたこ焼きと違って「三玖が提案したことで初めて候補にあがった」というのも一つの大きな要因になりそうです。
武田に好意を持っているであろう女子3人が万が一たこ焼き軍団に降伏するような事でもしない限り、基本的にはパンケーキ軍団が有利な状況かなと。
③二つとも一緒にやる
ブチ切れた二乃が言い放った悪魔の提案。片方でやるより必要な材料が多くなり、人員の確保も難しく、片方がものすごい流行ってしまうともう片方のお店の肩身が狭くなるだけではなく、その分のスペースが非常に邪魔に感じられてしまうことになってしまいます。さらに言えば、一つのお店で二つの食べ物が買える便利なお店として大繁盛するかもしれませんが、成功しすぎて忙しくなると休憩時間などがもらえないかもしれません。
一緒にやる場合、学園祭は3日間あるので『初日はたこ焼き、2日目はパンケーキ』みたいに交代しながらお店を出すやり方が無難だし効率もいいとは思います。しかしクラスの空気を見てみると、3日間同じものしか出せないっぽいですね……なむさん。
まあそんなことしたら他のクラスもダブル出し物大作戦を敢行して学園祭がしっちゃかめっちゃかになる可能性もあるけどね(笑)
④二つを混ぜ合わせる
たこ焼き機でパンケーキを作りましょう。試す価値はある。
⑤まさかの別の案が飛んでくる
3年1組の出し物を多数決で決めようとしたら同票になってしまい、数日後に問題解決した五月が元気よく「カレーにしましょう!!」と宣言してしまい、なぜか出し物がカレーに決まっちゃう展開とかどうでしょうかねぎ先生!!
— 東王@五等分の花嫁専用 (@428AO) August 5, 2019
カレーは強い。カレーは林間学校で一度作っていますし作り方も全然難しくもないので失敗する道理がありません。それにカレーが嫌いな日本人もいないのでこれで決まりですね。
「たこ焼きが嫌いな日本人なんて存在しねーよ」と何やらクラスメイトが騒いでいますが、たこ焼きなのにタコが入ってないシロモノも作られている現実を理解していますか?あれはたこ焼きのタコが嫌いな人がいるから作られたので、それを考えたらたこ焼きが嫌いな日本人も一定以上いるハズですよ!そこんとこ覚えとけ!
さらに言えば五等分の花嫁展のドリンクコーナーでも「五月のカレースープ」が販売されますからね。これは1組の出し物がカレーになるフラグと見ていいでしょう。
【新情報②】
— 五等分の花嫁展【公式】 (@5Hanayome_ten) August 7, 2019
「五等分の花嫁展」ではドリンクを販売いたします!
三玖の抹茶ソーダや五月のカレースープなど五つ子にちなんだドリンクをご用意しております。
そしてなんと特典でコースターが付きます!
▼詳細はこちらからhttps://t.co/1bytPB61mY#五等分の花嫁 #五等分の花嫁展 pic.twitter.com/jxw1pvp9kl
さて色々な案が出たわけですが、これだけ列挙しておきながら自分はパンケーキになるのではないかという面白くもなんともない予想を立てておきますね。まあさすがに今回の流れでいきなりラブコメ漫画定番の出し物『劇』になることはないと思われますしね、順当に考えていきましょう。
男子達の不満をどう抑えていくかは学級長の腕の見せ所、ですかね。もしくは人望的な面で、今まで出し物に関して何も口を出さなかった武田あたりがまとめてくれるのかもしれません。
二乃にとってのパンケーキ
風太郎の母親がパンをよく作っていたことから三玖は『うちのこと』を思い出し、学園祭の出し物としてパンケーキを候補にあげました。
ここの二人の会話を見ると中々に興味深いですね。三玖が「うちのこと」と言っているだけでなく、二乃も「あれこそふわっふわだった」「あれは一朝一夕じゃ作れない」「あの味が恋しくて」と言ってることから、まだ零奈が存命だった頃に作ってくれたんでしょう。しかも二乃の言葉からしてかなりの絶品かもしれません。
零奈が他界してマルオが義父になってから、二乃がパンケーキのお店に行きたいと駄々をこねてもマルオは頑なに連れていこうとしませんでした。それはきっと、五つ子達だけじゃなくてマルオと零奈の間にも何かしらパンケーキに関わる思い出が存在していたということなんでしょう。
そんな零奈お手製絶品パンケーキの味を他者に上書きされたくなかったんだろうし、娘達にも味わわせたくなかったからこそマルオはパンケーキのお店に娘達を連れていかなかったんだろうなあ。しかし何度もパンケーキを食べたいと言ってくる二乃の希望をかなえさせるため、家に戻ってきた二乃に食材一式セットを置いておいたのでしょう。思い出の味を100%再現することはできないだろうけど、実の娘が作る料理なら母親の味に似たものが出来上がるのではないか。そんな期待もあった……かどうかまではわかりませんが。
二乃が初めての料理を成功させたのか失敗してしまったのかはわかりませんが、その経験がきっかけで段々と料理をするようになっていき、今では中野家の食卓を任されている、と。そういうことなんだろうなあ。
いやあ、多分捻ることなくこう考えていいんですよね。最初にこの部分を読んだときは「あれ、これもしや上杉母が経営してる個人喫茶なのかな?」と思ったんですよね。で、マルオが担当したけど結局死なせてしまったからマルオとしても申し訳なさが先に来てしまいお店に入るに入れないみたいな。
そう考えもしたんですけど『うえすぎ(上杉家の一階のアレ)』は一体何だったのかって話になりますし、パンケーキを取り扱うお店は他にいくらでもあるので別のお店に連れていけばいいだけの話なんですよね。って考えると頑なに拒んだ理由はやっぱり『お店』ではなく『パンケーキ』にあると見ていいようです。
心配をかけさせたくない
三玖と別れた二乃は一緒に帰る人を探して五月と遭遇しますが、結局一緒に帰ることはできず。こういう所にも二乃の淋しがりな性格が現れていますね。
五月から入試判定の話を振られましたが、二乃はそれなりに自分に合った大学を選んでいたようで『B判定』を受けていました。このままいけば卒業だけでなく大学入試も無事に終わりそうな気がします。
というか中野家の五つ子は知識のインプットは人並みにあるけどアウトプットが壊滅的に下手くそなだけなので、そこを重視して勉強に取り組んでいけば今よりも1ランク、いや、2~3ランク上の大学も目指せると思うんですよね。これまでのテストや問題集を見ると空欄の答案用紙を見かけたことがほぼありませんからね。知識の蓄積量に関しては問題ないハズ。
さて、このままでは夢である先生になれないと取り乱した五月を落ち着かせるために飲み物を買ってくる二乃でしたが、買ってきたものにねぎ先生の悪意(笑)を感じさせるものがありました。
カルピスウォーター→軽ピスウォーター→重ピスウォーター→オモピスウォーター
……
いやいやいや!これ完全に皮肉でしょ!!
これ今五月は取り乱してたから二乃に感謝してますけど、例えば風太郎が「差し入れだ」とか言って平常時にこんな名前の清涼飲料水を五月に渡したら中身を全部一気飲みしてから空き缶を全力投球されてもおかしくないですよきっと。こんな感じで。
話が逸れました。五月は風太郎に最初は相談しようとしていましたが案の定風太郎は学級長の仕事で忙しそうだったし、『何より今までずっと勉強を教えてもらっているのにこの有様』という事に対して非常に申し訳なく思っている様子でした。
そして先生からは親と相談した方がいいと言われましたが、それも乗り気ではない様子でした。というのもマルオが娘達をいつも放置しているような親だからではなく、陰でずっと気にかけてくれていたマルオにこれ以上無用な心配をかけさせたくないから。
その際、零奈の命日に五つ子よりも先に墓にきて花を置いていったのはマルオだと五月は言います。あくまでも五月の言なので確証はないですが、誰かに向けて五月が言い切るという事は間違いなくマルオが手向けた花なんでしょうね。
え、前回の記事でマルオの可能性が一番低いだって?ダレガソンナコトカイタノカナ?
そんな五月の話を聞いて二乃は少なからず衝撃を受けているようでした。父親はこれまで自分達に何もしてこなかったと思っていた、というよりも『他の姉妹もマルオに対して「何もしてこなかった」と思っててほしかった。』多分、そういう事なんだろうと思います。二乃が「そんなわけ……」と最後まで言えなかったのは、自分にも思い当たる節があるから。それが今回の最後で明かされたパンケーキの思い出ですね。
有名な講師とは?
下田さんの塾に近々有名な講師の方が来て特別講義をしてくれるそうですが、果たしてそれは一体誰なのか?
①江端さん
兎にも角にも江端さんで一点読みをしていきましょう。そう考える理由はズバリ怪しいからです。
風太郎を再度家庭教師として雇おうとしたときに五つ子は江端さんの偽の履歴書を作りましたが、それを見た風太郎は「見た目は怪しいがな」と感想を述べています。
そもそも塾の事情を知らない二乃が五月の話を聞いただけでわざわざ「怪しいわ」と言うのかな?と思った部分は大きいですね。普通に聞く限りでは別にわざわざ怪しく思うものでもないですし。まあ二乃からしたら風太郎以上の教師は間違いなく存在しないので、そういう意味では怪しいと言えなくもないですが……とりあえず今回はただその一言が出てきたために江端さん一点読みをします。
②風太郎
ちなみにですが、一応『有名な講師』が『(私達五つ子にとって)有名な講師』と解釈できるならば江端さんだけじゃなくて風太郎にも可能性があると思います。
ほら、今はまだ可能性の話でしかないんですけど、上杉・中野・下田の『上中下トリオ』の存在があるじゃないですか。そんな大人達の横の繋がりを活かすために、勇也と下田さんが風太郎を講師にして特別授業をすることを裏で話しあっていたとか。そんな可能性もなくはないですよね。
風太郎も風太郎で4月末の全国模試で堂々の3位をもぎ取りましたし、先の入試判定でA評価の結果も貰っていました。そして風太郎自身「何事も経験」をモットーにしている事なので、学園祭の事で忙しいのもありますけどその程度の仕事なら喜んで請け負ってくれるでしょう。さらに言うなら、「1対多」の授業の仕方も『最後の試験が四葉の場合』で描かれていたので多少は分かっていることでしょう。
何より風太郎が講師をするならそれはそのまま五月とのイベントに繋がりますからね。そういう見方もあるので『特別講師=風太郎説』は自分の中では『割とアリ』な方です。
風太郎も怪しいしな!
陰でコソコソ
別の日のこと。マルオへの招待状の準備ができた事を四葉から聞く二乃でしたが、一時の気の迷いだったとして送るのをやめようとしました。家にもロクに帰ってこないでいつも陰でコソコソしているだけの父親なんだから、どうせ招待状を出したところで何も変わらない。そんなマルオへの屈折した思いが二乃の中にあったことでしょう。
そんな話をしている二乃と四葉でしたが、階段下で自分を睨んできていた女子グループを発見します。
ウルトラスペシャルどうでもいいこと
— 東王@五等分の花嫁専用 (@428AO) August 13, 2019
トラブルに巻き込みたくないから四葉の背中を押してる二乃のこの姿、地味だけど「お姉ちゃん」感があってなんか好き。 pic.twitter.com/B0UBV1FTXI
これ良くないですか?今回はずっと妹達との会話で話が進んでいたけど、二乃が「姉らしさ」を出していたのってこのシーンくらいしかないんですよね。それゆえか、コマは小さいものの個人的に好きなコマになってます(笑)
女子グループとの衝突を回避しようとした二人はその子たちが風太郎と話していることに気が付きます。曰く、「二乃がたこ焼き派にいるのは意中の男子がいて、それが武田だったら勝てそうもない」という事でした。
またもや話を脱線させてしまうのですが、二乃って他姉妹と比べて格段に武田との相性が悪いだろうなと思ってるのは自分だけですかね?笑
一花は2年の時に同じクラスでしたし五月は夢を持ってる者同士仲良くできそうですし、三玖はスマートフォンの武田菱が目撃されるかジムデートに現れれば仲良くできそうじゃありません?四葉に対しては武田を学級長に任命しなかった罪があったのですが、今では友達であり永遠のライバルとも呼べる風太郎が3年1組に段々馴染んできているのも四葉が選んだおかげな部分はかなりあるのでチャラどころかおつりがくるレベルで「よくやった!」と思ってるのかもしれません。
一方で二乃はというと、初登場時から「胡散臭い」、他にも「(心中で)憐れだわ……」「朝からうるさいわね……」「男二人が邪魔ね」と、もはや武田の事など眼中にないような言動が目につきます。こういう部分を女子グループも目撃していれば安心できたんじゃないかなあ(笑)
話を戻します。このままではクラス内で不和が生じかねない(というかもう生じているけど)と感じた風太郎が女子グループの話を聞いて勘違いを正そうとします。何よりも五つ子達との楽しい思い出を作っていきたい風太郎としては、今回のような二乃に対する誤った感情を修正していかなければ「二乃に学園祭を楽しんでもらえないのではないか?」と思ったんじゃないでしょうか。
ゆえに女子達の前で爆弾発言をぶっ放すわけですね。「二乃は俺を好きだからな」と。
はい。「二乃は俺を」まで勢いで言えたものの、その後がつっかえてしまってしまらない状態になってしまいました。そりゃ他人に「あの人は自分が好きだよ」なんて言えるわけがありませんからね。かつて恋愛を否定していた風太郎ならなおの事言いづらかったでしょう。それでも口に出せた風太郎はすごい立派ですよ!(突然の上から目線)
二乃と風太郎の事をよく知らない女子達からすれば「学級長が何かおかしいことを言っている……」といった程度にしか映らないのが悲しいところですが当たり前と言えば当たり前の反応ですね。でも一番肝心なのは、その風太郎の言葉を二乃がしっかり聞いていた事です。二乃の告白に対して(二乃が返事を後回しにしているとはいえ)まだ答えが出せていない風太郎でしたが、少なくとも今はまだ真剣に返事を考えてくれていることが二乃にも伝わったことでしょう。
そんな風太郎の姿を見て微笑んでいる二乃に四葉が「陰でコソコソも悪くないと思うな」と声を掛けますが……ここは見てて何とも言えない気持ちになりました。
この影の差された笑顔の裏に、四葉が今までずっと抱いてきた風太郎への6年分の想いがある。自分が陰でコソコソ動いていたからこそ出てくる言葉なのは読者しかわからず、読者しかわからないが故にその重みがどれだけのものなのかを実感させてくれます。
四葉の言葉を聞いた二乃は過去を振り返り、パンケーキのお店に連れていかなかったマルオが陰で自分のためにしてくれていた事を改めて思い起こしました。そして今までずっとすれ違い状態だったマルオに「学園祭に来てほしい」という思いを明確にするのでした。
零奈の命日にマルオにお墓に来てほしくて「明日も忙しいの?」と探るような聞き方をしていたあの頃とは違います。ハッキリ学園祭に来てほしいと思ったから、今度は招待状を送る。たったそれだけのことなんです。二乃が父親に家族愛を求め、マルオは二乃に家族愛を示す。お互いに不器用なためにボタンの掛け違いからそのまますれ違ってしまった義理の親子ですが、これを機に二乃の、ひいては姉妹全員とマルオとの親子関係が良くなることを願わずにはいられません。
三玖とのデート先はどこ?
最後のページにて、三玖が風太郎とデートに出かける描写が差し込まれました。果たして一体どこへ行く予定なのでしょうか?
①ジムデート
真っ先に思い浮かんだのはこれでした。この回の時からどこかで三玖とのジム回があるんだろうなと思っていましたからね。
ただ、今となってはこのジムデートに一抹の不安を感じるものがありまして……。91話『偶然のない夏休み』の記事でも書いたことです。
武田って宇宙飛行士になる夢を持っているじゃないですか。そしてそれになるために勉強をたくさんしていますし、体づくりも欠かさずやっていることだろうと思われます。修学旅行の初日で昼食を食べすぎて動けなくなった前田をおぶってあの大量の階段を登り切ったとすると、四葉に負けず劣らず相当な体力を持っているものだと思います。
そして今回も前田と一緒に登場した時にも、体を鍛えてることがわかるような描かれ方をしてたじゃないですか。
で、ここで皆さんに思い出してほしいことがあるんですけど、風太郎の誕生日プレゼントに三玖ってスポーツジムのペア券を渡したじゃないですか。これで三玖と風太郎がスポーツジムデートをするんでしょうけど、もしかしてそのジムに武田が出入りしてるなんてことあるんかなって。
仮にですよ?もしも仮に今後三玖とのジムデート回があるとして、そこに武田と偶然出会ったりしようものなら三玖と武田が将来くっつく可能性もガチでありえるんじゃないかと想像してしまったんですよね。
これは飛躍しすぎだよなあと自分でも思っているんですが、その一方で風太郎に将来選ばれなかった四人の花嫁候補の未来がどうなるのか、とかも気にならないと言ったら嘘になるわけで。武田なら武田ですっかりいい人間になってるから別に三玖にふさわしくないわけでもないのもまた悩みどころ。
これが正直ありえそうで怖い。ないとは思うけど万が一って言葉があるじゃないですか。現状武田には五つ子達に深く関わるような描写は現在ありませんが、いつどこでねぎ先生が手のひらをひっくり返してくるかわかりませんからね!
ただ、ジムデートならば学園祭の近づいている今だけでなく、修学旅行が終わってからでも機会はいくらでもあったように思われます。描写こそありませんでしたが1学期中にジムデートを終わらせていた可能性は一応考えられることなので、ジムデート一点読みは避けようかなと。
②料理専門学校のオープンキャンパス
三玖は1学期の終わりに料理の学校に進みたいことを姉妹に言っています。もう2学期も始まっているので、まだ風太郎に言っていない、なんてことはないと思うんですよね。一花を雇うために一緒にパン屋でバイトしていた時間もそれなりにはあったと思うし風太郎に言う機会はこれまたいくらでもあったはずです。
で、風太郎に言ったのであれば、次はそういったところのオープンキャンパスなんかに行ってみてもいいんじゃないのかなって。風太郎がオープンキャンパスに行く理由は一切ありませんが、三玖にお願いされたら予定がない限りは「付いていってもいいか」くらいには思うんじゃないでしょうか。なんせ三玖の夢のためですし。もしかしたらそこで風太郎の今後の夢の話も出てくるんじゃないでしょうか。それは妄想しすぎか。
③なんか普通にデート
『勤労感謝ツアー』での四葉とのデートと同じで、普通にお買い物やレストランなど色んな所に出かけるパターン。風太郎にはお金がないし、三玖もおそらく以前ほどの持ち合わせはないと思われるのであの時ほど散財することはないと思われますが、ウインドウショッピングとかも中々に面白いですよ。問題は二人の体力がすぐに尽きてしまう所でしょうか。あとは戦国武将の史料館とかに行って三玖の武将蘊蓄をたくさん聞くのも面白そうですね。
例を3つ挙げましたが、「フータローに用がある」と言って誘う中で一番『用事』というのにふさわしいのはオープンキャンパスですかね。これならお金も交通費と食費だけで済みますし。ただ逆に「頑張るぞ……!」という言葉に少しだけ合わない気もします。逆に「今じゃなくてもできる」という点を除けばジムデートが有力でしょうか。何よりこちらはペア券を持っているという明確な描写があったわけですしね。果たしてどこへ行くのやら……。
まとめ
二乃のマルオに関する問題は解消に向かっているとはいえ、他の3年1組の出し物と五月の進路に関する問題は解決の糸口が見えてきません。そして四葉は今回トラブルは起こりませんでしたが、果たして起こらないまま学園祭編は終わってしまうのでしょうか?
色々な問題が錯綜していてまさしく『問題は山積み』な状態ですが、風太郎と五つ子達ならきっと乗り越えてくれるさ!ひとまずは次回の三玖のデートを楽しみにしつつ、今回はこの辺で終わろうと思います。
ご拝読ありがとうございました。
*本記事で掲載している画像は©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁」より引用しています。