五等分の花嫁:80話『シスターズウォー 三回戦』感想 応援する者、妨害する者。大波乱の修学旅行1日目!
ブログを書きたいと思って開設はしたものの、最初の回がこういったものになるとは全く予想できませんでしたね。
え、読了後の感想ですか?
「嘘だろおおおおおおうわうわうわうわ!!」
……などと、語彙力を完全に失っていました。
思わず2回くらい読み返してしまいましたが、それでもまだ落ち着きを取り戻せていないのが現状です。
頼むぜフータロー。得意(?)の難聴で実は何も聞こえてませんでしたっていう状態であってくれ!色々理由付けはできるからさ!大量の階段で登り疲れていたし、自分の声でかき消されてるかもしれないし、実は周りにもたくさん人がいて四葉の声も聞こえていなかったとか……いやそれは苦しいか。
仮にハッキリ聞こえていたにしても、一応「三玖から上杉さんへの告白だよ」としか四葉は言っていないのでギリギリ「何か言いたいことがあるのか?」と思うこともあるかもしれない……けど、現状フータローが二乃と(間接的に)一花から告白を受けている状態を考慮すると、「告白=愛の告白」と考えてもおかしくないわけで……。
いや、こうなったらもう逆に考えるんだ!今はフータローの近くに前田も武田もいない!一花は多分四葉が抑えてくれる!お昼も食べてなさそうな感じだし、これはある意味最後のチャンスなんだ!ここでパンを渡せなかったらいつ渡すんだ!頑張れ三玖!
あ、でも応援する云々のくだりがまだ解消されてないのに告白なんてしていいのか……?
はいやめやめ!これ以上先を考えると頭が痛くなりそうなので一旦置いておきましょう。
ひとまず今回の話の大きなポイントを3つほど!
これまで以上に三玖を応援する四葉
まずなんと言っても今回特筆するべきなのは、というか特筆するまでもなく今回の四葉は今まで以上に徹底して三玖の応援をしていました。様々なシーンで常に三玖の隣にいるだけでなく、疲れた三玖の手を取ったり、最後のシーンでは三玖をおんぶして階段をのぼっていたりもしています。さすが体力お化け
しかし、これだけ三玖を応援する理由ってなんでしょうかね。『フータローを好きな人を応援する』ということなら、班決めの際に姉妹の前で堂々と好意を告げた二乃も応援対象になるはずなんですよ。だけど今回で二乃を応援するような描写が全くなされていない以上、どこかで決定的な差があるんですよね。
一応過去の回で答えらしきものはあるとは思いますが…
『学級長の噂』でこんなセリフありましたね。
これまで、四葉自身は三玖から直接的にも間接的にもフータローへの好意を聞いてはいません。だけど、物語の初期からフータローの味方でいるもの同士として、見るべきところはしっかり見ていた。だから三玖の恋愛事情を察して応援することになった……って所なのでしょう。この時も、誰を好きになろうともフータローの恋を応援をすると口で言いつつも、内心では三玖の応援することも決めていたのでしょうね。
ん、あ、あれ?
もしかして四葉は自らフータローとの恋愛を諦めようとしてるからこそフータローと三玖をくっつけさせようとしているのか……?
いや、もし仮にそうだとしたなら二乃を応援していてもおかしくないか。やっぱり違うか。純粋に『三玖とフータローの恋愛』を応援してるんだよな。
失礼しました。ふとあの「ありえません」について思いついたことを書いてしまいましたが即座に撤回できてよかったです。
しかし……しかしねえ……
『姉妹は皆一緒で』の精神を覆して二手に分かれる提案を、なんでも命令できる権利を使ってまで強行するくらい三玖の事を応援してくれていた四葉なのに、どうして最後のシーンはああいう形になってしまったんでしょうね。
一つ言いますと、四葉を責める気は全くありません。これまでの四葉の行動は全部三玖を思っての行動であることに嘘も間違いもなく、三玖自身それに救われている部分も少なからずあったのではないかと思います。そしてフータローに対しても「後悔のない修学旅行にしましょう」と言っており、恋愛が絡んでくるかどうかは別として、最高の思い出を作ろうと意気込んでいるあの表情に偽りはなかったはずです。
だけど、なんで四葉なんだろうな。
と、思わずにはいられません。
ここしばらくの回を見ると、一回戦で二乃が、二回戦で五月が、そして今回では一花が思い切った行動をしているんです。そんな展開が続いていた中で、この「三玖&四葉」のペアってぶっちゃけると癒し的な立ち位置にいたんですよね。
そんなオアシスのような安心感のあった場所が、一瞬で音を立てて崩れ去っていきそうなこの感じ。思っていた以上に心が悲鳴を上げてしまっていたようです。
止められない一花
ということで次にその思い切った行動をした一花について見ていきましょう。
この一花さんの決意の表情がすごい格好良くて魅力的で思わず惚れそうになってしまうんですけど、とりあえず最初に思ったこととしては『あ、零奈の変装をするんじゃなかったんだな』って所でした。これには一杯食わされましたね。
五月の事は別の何かで手を打つんでしょうか、ひとまず最優先で三玖の妨害にひた走る一花。今まで全く嘘がバレていなかったことの方がある意味奇跡すぎるのですが、まあそれは置いておいて、今回もまた嘘を重ねようと奮闘します。
これねー、やってることは相当ひどいんですよ。三玖の恋路を徹底的に邪魔するために何度も何度も嘘を重ねていくっていうことはね。ただ、嘘を吐き続ける事それ自体に関しては結構共感できてしまう所があるなあって。
人間なら誰しもが嘘を吐いてしまいます。それがとっさに出てしまうものなのか、意図して最初から言い放つものなのかの違いはあるでしょうが。そしてその嘘を守り抜くために、さらに重ねて嘘を吐く。まるでその嘘が真実であったかのように振る舞う。こういった経験って、皆さんの中にもあったのではないでしょうか?
そして『嘘つき嘘太郎』の回を見た皆さんなら割ともう察していることと思いますが、意図的に嘘を吐き続けている時って、かなり緊張してしまうんですよ。しかもそれが絶対に誰にもバレてはいけないような嘘ならなおさらね。表面上は余裕ぶっていたり冷静に見えてたりしていても、内心ではかなりのドキドキもの。だからこそ――
隠し通すべき嘘がついにバレてしまった時のこの『ドクン、ドクン』という心臓の鼓動が恐ろしいほどリアルに伝わってきます。おそらく1か月以上もの間必死に皆を騙し続けてきたわけですから、もはや眩暈すら起こってもおかしくないことでしょうね。
フータローに対しては秒で変装解除をしたので全くバレていなさそうですが、はたして身内に嘘がバレた一花がこの後どう動くのか、注目ですね。
本当にしたいこととは……
そして最後。その変装がバレた一花に対して四葉は……。
家族旅行で泣いていた一花に対して掛けた言葉が、まさかこんな結果を迎えてしまっていただなんて四葉も夢にも思っていなかったでしょうね。
ただね、これ、う----ん…… ちょっと自分が読み取れてない部分が多いので妄想が激しくなってしまうんですけど、これ自体は一花がしたいことの一環と言いますか、なんて言いますか……。
一花の一番したいことって、『誰にも取られたくなかった』ってことじゃないですか。何をって?おそらくですが『フータロー』ですよ。で、『フータローが欲しい』じゃなくて『フータローを取られたくない』なんですよ。
『フータローが欲しい』なら二乃のように突撃すればいい。だけど、一花には二乃のような直球勝負は無理と自分でも思っている。だから、取られないように振る舞うことでフータローが他の姉妹になびいてしまう事を防ぐ、っていう感じなんだろうけど……
だから四葉に「それが本当にしたいこと?」って言われても一応「はい」としか言えないような、そんな感じに思ってしまうんですよね。というか四葉の言葉が『そんな手を使わず正々堂々してよ!』ってニュアンスだったのなら、それこそ「無理!」ってなりますよね。
ちなみに、四葉が一花のフータローに対する好意を全く知らないのであれば多少どころか結構納得できます。源フータローが好きな野比三玖太に対してジャイアン一花がちょっかい目的で奪おうとしている。こんな構図がズビシっと当てはまるので。
ただしここまで来ると、三玖に対して察しがよかった四葉が一花に対して察しが悪くなるものなのか?と思ってしまうので、この線もおそらくない……よなあ。
あ!あとトンデモ珍回答があるんですけど!
実は四葉も本当に言いたかったことが言えてなかった説
もはやギャグの領域になってしまいかねませんが、四葉が「これだけは言わなきゃ!」と思って咄嗟に口に出したものの、実は他にも何か重要なことを無意識に言い逃していた可能性です。ボタンの掛け違い。アンジャッシュ状態。現実では割と起こりえる状態ですが、漫画的にありえないと言うべきか…?
何はともあれ、四葉の問いに対して一花がこの先どう応えるのか、これもまた注目です。
今回の気になったポイント
さて、感想はこんなところにしておいて、今回の話を見てて疑問に思ったところを少し抽出していきましょう。ささやかな謎でも、紐解いていけば何か大きな答えに繋がるかもしれませんからね。
- フータローは五月の誘いをどう断ったのか?
前回の終わり際で一緒に清水寺に行きましょうと言った五月だけど、今回の話を見て分かる通り、五つ子たちは完全に尾行モードになっています。武田君が猛反発していたのでしょうか?
- 二乃の聞いた「カシャン」って音は何?
解散と同時に聞こえてきた謎の音。一番の候補はやはり一花が持っていた三玖への変装用のヘッドフォンでしょうか?少なくともカメラではないような気がします。
- フータローは何故追い抜かれた?
先行していたフータローがどうして三玖と四葉より後に上ってきたのか、についてはまあ色々考えられます。まず、三玖と四葉の2人って武田班とは遭遇してませんよね。遭遇していたならフータローが一番乗りなんて言うわけがないし、そもそも彼らと一緒に行動するはずですし(もしかしたら武田君が何か言ってくるかもしれませんが……)。
2人は何よりもフータローを探していたので、人が多いからって見逃すこともまずないでしょう。それに前田と武田君でも見つければ芋づる式にフータローも見つかりますし。
あとは残念ながら僕自身に京都の知識がないので推測にさらに推測を重ねてしまうことになるんですけど、道の途中にお手洗いがあったとか、何かのお店に入って買い物をしたとか、くらいですかね。三玖達とフータローの到着にタイムラグがなかった以上、お昼ご飯を食べた、ということはないでしょう。
- 『京都の子』に関して
はい。もうお気づきの方が多いと思いますが、地味ながらかなり大事なポイントです。五月が「行きたい所あるか?」の質問に対して京都駅内の散策を提案しましたが、その際に「あの日のこと」と口を滑らせています。
そして、こちらをご覧ください。
京都駅でしょうか?フータローが以前話した場所が小さいコマとは言え現在にも描写されていますね。ここが京都の子とフータローの会った場所、ということですか。
そうです。京都の子=五月説が浮上して参りました。
シスターズウォー二回戦の時の五月の行動に関してはまだあまり自分の考察はしていませんので何とも言えませんが、一つの大きな手掛かりであることに違いありません。
そしてもう一つ。
ここね。普通なら『姉妹間でギスギスしてたとはいえ5人で京都を回った思い出は形として残しておきたい、そんな二乃の変わらぬ姉妹愛が垣間見れるいいシーンだな』で終わってたんですよ。
こんなのが前に出ていなければね!!
そうです。京都の子=四葉説も浮上して参りました。
どう見ても似てるんだよなあ、ピースの構図が。
はたしてどう見るべきなんでしょうね。ピースに関しては偶然で片付けられるけど、「あの日」って言った以上五月の方は少なくとも何かあるんだなとは思いますが……。
そろそろ京都の子についても何か決着が付きそうな予感がするので、その内考察をまとめられればいい……かなあ。
といったところで、今回の感想はこの辺で終わりたいと思います。
ご拝読ありがとうございました。
最悪の形で風太郎に告白することがバレてしまった三玖。
この最大のピンチをチャンスに変えることができるのか?
変装が姉妹にバレた一花は三玖を止められるのか?
四葉は一体一花にどうしてほしかったのか?
置き去りの二乃と五月、武田と前田はこの場に現れるのか?
そして、かつて応援するねと言われた風太郎は三玖に何を想うのか?
続きは次回。それでは良い一週間を。
*本記事で掲載している画像は©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁」より引用しています。