東王の日記

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五等分の花嫁の感想考察日記!

五等分の花嫁:105話感想 皆の思い出に残る学園祭を過ごしたくて……

 105話、読了しました。局所局所で盛り上がりを見せている『最後の祭り編』も折り返し地点に到達し、いよいよ3人目の姉妹にフォーカスが当たります。一花回・二乃回と長女から順番にメインを張っていくように物語が進行されましたが、今回もその例に漏れず三女の三玖が中心人物として描かれました。

 

 物語開始当初から引っ込み思案で根暗で自分に自信がない人間として描かれてきた三玖。しかし風太郎との出会いから様々な出来事を経験して、今では好きな人に告白できるくらい前向きになれました。そんな彼女が今回の学園祭で一体どのような思いを持ち、どのような動きを見せていく事になるのか、それをつぶさに追っていきたいと思います。

 

最終日の三玖

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教室の廊下にて思いを馳せる三玖

 さて今回も一花・二乃の時と同様に、三日目後夜祭の終了を告げるアナウンスと、やはりアンニュイな表情を見せる三玖の姿がそこにありました。『二乃の場合①』の時の記事で『人事を尽くして天命を待つような表情をしてるのかな』とどうでもよさげに予想していましたが、全くそんな事はありませんでしたね。

 

 さて、三玖が立っているのはどこかの廊下です。右手をあてて窓の向こうをじっと見つめていますが、その視線の先には一体何があるのでしょうか。こちらに歩いてくる風太郎の姿を探しているのか、それとも別の何かなのか?そしてその反対側にある扉を開けたら教壇に二乃が立っているのでしょうか。その教室のベランダに一花がいるのでしょうか。

 

 姉妹が同じ教室に招集させられているのか、そうでないのか?三玖回をもってしても全く分かりませんでしたね。これは5人目になっても分からないままかなあ……?とりあえず二乃回でのちょっとした予想を続けるなら、四葉は教室の後ろ側、五月は自分の席ですね!

 

前日夜?の三玖

 学園祭を間近に控えたとある夜の事。初日が担当となっている三玖は夜遅くまでずっとパンケーキを焼く練習をしていました。どうやら母や姉の作るパンケ-キのように上手くいかないのが原因で、何度も練習をしていたそうです。お皿に乗せられていく失敗品の数々が努力の跡を匂わせるのですが……。

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練習の痕

 いやこれ一晩で成長しすぎじゃないですか?

 いやはや、これは本当にすごいですね。最初はまるで真っ黒こげで石炭のようなパンケーキなのに、だんだんと形もまともになっていき、しまいには学園祭初日で皆に絶賛されるパンケーキになってるんですよ?はぐれメタルでも乱獲してんのか!?ってくらいそれぞれの出来に差がありますね。これには一晩でどうにかする事に定評のあるジェバンニも思わず目を見張ってしまうでしょう。

 

 でだ、五月。夜遅くまで恐らく勉強していたのは偉い。練習中の姉のために味見をするのも偉い。偉いんだけど、太るぞ。

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太るぞ

 さて、冗談はここまでにしておいて……頑張っている姿の三玖を見て五月はなぜそんなに頑張るのか、その理由を問います。

 

 一つは、三玖の中に『将来調理師になりたい』という強い思いがあるから。もう一つは『学園祭で買ってくれる皆に喜んでもらいたい』から。でもそれらは一番の答えではないでしょうし、質問をした五月もそれだけの事だとは到底思っていないことでしょう。

 

 これに関しての推測は後述します。

 

初日の三玖

 自宅でも必死に頑張って練習した成果が出たのかパンケーキの味も好評で、売れ行きはとても好調なようでした。クラスの女子からも大いに褒められ、三玖も満更ではなさそうな表情が実にいいですね。

 

 そんな中、クラスの男子が敵情視察に来ていました。それを発見した女子が対抗意識を強く燃やして三玖を鼓舞したのですが、当の三玖はというと『男女が競い合うこと』よりも『男女が仲直りする事』に意識が向いていました。

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一緒にやった方が楽しいよ

 三玖のこういう言い方(実際は言っていませんが)、21話『おまじない』での一緒に勉強しない二乃と五月を見かねて言い放った四葉の姿をふと思い出しますね。

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五人揃った方が楽しいよ

 やっぱり五つ子ですな。

 

 さて、そんなような事を他の女子に言えない三玖の雰囲気を感じ取り、他人の心理を読む事が上手な松井さん(自社調べ)がズバリ三玖の心理を言い当てました。

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いるってコトネ!

 違う!確かに合ってるけど絶妙に違う!!

 

 松井さん、もう既に自分に前田という彼氏がいるからって他人の恋愛模様を心の底から楽しんでやがる。そんなん修学旅行でやれ!もう終わったけど!

 

三玖の思いは 

 そんなツッコミをいれますが、三玖としてはその恋に関してもはや達観』している様子でした。なんせ一花の(私でなくてもいい……これで区切りが付けられるんだ)っていう半ば『諦観』の混じった心情吐露を超えてハッキリと(この恋の成就が不可能だって私は知ってる)と思っていますからね。

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不可能だという事

 恐らく今回で一番の衝撃ポイントになる点だと思われますが、これに関しては三玖は『風太郎は一花が好き』だと思っているのではないか?と自分は推測しています。

 

 そのきっかけはおそらく94話『分枝の時①』にまで遡ります。一花の退学を知って風太郎が説得する場面ですね。この時の風太郎は『卒業までの残り僅かな時間、今でしかできないことを皆としたい』という気持ちを持っており、一花の退学を必死に止めようとしました。

 

 その最中に「一対一の個人指導をすれば卒業できる」と提案していましたが、そのやりとりを間近で見ていた三玖は果たしてどんな気持ちを持ったのでしょうか?

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この時、三玖は。

 それから風太郎がパン屋のバイトをしている時に、三玖はなぜ一花を引き留めようとするのかを風太郎に尋ねました。もしかしたらこの時には既に「風太郎は一花の事を好いてるのではないか?」と内心思っていたのかもしれません。少なくとも花火大会の時の「どうしてそこまでお節介焼いてくれるの?」と言った一花の言葉とは意味が大きく異なるのは何となく察することができると思います。

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一花のために

 もちろん風太郎としては『一花が好きだから』ではなく『一花には恩返しがしたいし、一花とも一緒に楽しい時間を過ごしたいから』という意識だったと思うし、事実三玖にそう告げたでしょう。

 

 だけど「風太郎は一花の事が好きなのでは?」と疑問に思って質問したんだとしたら、風太郎の答えを聞いて「やっぱりそうなんだ」とその認識を強くしてしまう事は十分あり得ます。特に『普段誰かに感謝する事があまりない風太郎が感謝していて、その姿を間近で見る』という部分は大きいのではないでしょうか?

 

 あとはちょっとした余談レベルですが、織田プロダクションでの説得でも『一花に感謝している事を恥ずかしくて伝えられなかった風太郎の姿』を目の前で見ています思いっきり相棒ポジションで一花の説得に協力していた三玖ですが、その胸中はどんな感じだったんでしょうね。

 

 その後、三玖は学園祭の一週間前というタイミングで風太郎を水族館デートに誘います。自分の夢に向かって進んでいきたい事をハッキリ伝えるためだけではなく、風太郎に告白してその返事を待つために。

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返事を待つ事を決めた三玖

 そもそも三玖がこういう事を「学園祭前に話しておきたい」と言ったのは、一花も知っている通り学園祭の三日間でカップルが成立する事が多いという噂話を知っていたからで、三玖としてはそこでケリを付けたかったのではないでしょうか。もしも風太郎の気持ちが決まっているのなら、ここでハッキリと白黒をつけてほしいと。

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三玖も知ってるんじゃないかな

 

  ただし学園祭直前日までは「もしかしたら?」というあくまで『疑惑』程度の感情だったのでしょうが、その夜に三玖は一生懸命にパンケーキを練習する事でその『疑惑』『確信』になってしまったのでしょう。夜の五月の質問への答えとしては、

自分が一生懸命パンケーキを焼く練習をするのは、大好きな風太郎に食べてもらいたいため

 ……という感じになるのでしょうが、その構図がそのまま風太郎にも当てはまり、

一花の退学騒動の時に風太郎が一生懸命バイトをしていたのは、好きな一花に辞めてほしくないため

 ……と三玖が早とちりして思ってしまったんじゃないか、というのが自分の印象でした。

勇気を出して

 男子との和解を望むべく、敵情視察と称してたこ焼きチームの本丸へと乗り込む三玖。しかし女子が女子なら男子も男子という感じで対抗心をバリバリに燃やしている様子。風太郎は自分が説得しても逆効果になりかねない事を危惧し、直感で三玖に和解の可能性を託しました。

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フータローを信じる

 自分の直感を信じるのか信じないのかは三玖次第とはいえ、それでもこの状況を変えられるのは自分ではなく三玖だと風太郎は言ってくれました。かつて自信のなかった三玖ならそれでもできなかった事だろうけど、今は違います。風太郎が好きな自分』を肯定できる強さを持った三玖は自分を信じて、そして自分を信じてくれている風太郎の言葉を信じて行動に出ました。正直ややこしい。

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たこ焼き一つください

 このコマを見た瞬間に「ハチミツください」を思い出してしまったのは明らかにモンスターハンターのやりすぎですね。

 

 たこ焼き陣営に顔を出した途端に野次馬的な対応をさせられた三玖ですが、それでも意を決してたこ焼きを一つ注文します。

 

 大体どういう時でも同じような流れになると思いますが、仲違いや喧嘩をしている相手と関係を戻す場合に『相手を肯定する事』っていうのはかなり重要な事だよなあ……と、いつも思わされますね。

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悪かったな

 そして注文を聞いた前田が三玖に謝るシーンになるのですが、正直言って「前田かっけえ……」ってなりますよね。実際のところ前田は前田で一花を呼び出す理由を偽っていたので騙すことに関してはお互い様(一応フォローするなら前田は直後に嘘だと言っている)なのですが、それでも一花から話を聞いて『自分の恋愛感情を弄ばれた!』と憤慨するどころか自分の非を認めて当時の三玖に申し訳なかったと相手を慮れるまでに至っていますから。

 

 相手の良いところを見つけて肯定し合う和解の仕方も素晴らしいですが、こうして自分の非を認め合う和解の仕方も中々見てていいものです。自分の非ってどうしても認めにくい、認めたくない心理が働くものですからね。それを超えてこの二人が「ごめん」と言い合えたのは地味ながら素晴らしい事だと思います。

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うまっ

 前田から差し出されたたこ焼きを食べる三玖。少し前に四葉も試食をしますが、食べ方や反応に多少の差はあれど、その感想を述べさせれば一字一句の間違いもなし。2.5文字しかねーじゃねーか!というツッコミはナシで。三玖の言葉がお世辞でなかったのがわかった男子はたこ焼きの美味しさの秘密を暴露します。

 

 そして絶品のたこ焼きを1組の女子にも食べさせてほしいとお願いをする三玖。お互い意固地になってしまっている部分はあるけど根底にある思いは同じはずだと信じ、卒業後に振り返った時にいい学園祭だったと懐かしめるものにしようと伝えます。

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いい学園祭だったねって……

 その言葉を聞いた男子達の間に動揺が走りますが、お手洗いから戻ってきた武田が一言、

そういえば前田君は松井さんに食べさせてあげてたよね 

  というこの上なく素晴らしいアシストを放ってきました。これを聞いた男子は自分も食べさせてあげたい女子がいると前田にキレまくります。

 

 もはや収拾のつかなくなったたこ焼きチームの陣営でしたが、ついに三玖に女子達を連れてきてもらうようお願いをする事になりました。こちらの陣営に来てから難しそうな顔しかしていなかった三玖でしたが、この言葉を聞き、ようやく和解への道が見えた事で一気に表情が明るくなりました。

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頼んでいいか

 1組の問題が解決したのを見終えて、風太郎は自分の仕事に戻る事を三玖に伝えます。去り際に三玖はお礼を言いますが、当の風太郎は今回男子達の心を動かしたのは全て三玖のおかげであり、「強くなったな」と成長した三玖を誉めます。

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強くなったな

 その言葉を聞いて風太郎が去った後、今までの自分では到底成し遂げられなかっただろう問題を自分の力で解決に導けたことが嬉しくて思わずガッツポーズをする三玖の姿がそこにありました。

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グッ

火に包まれた屋台

 このままいけばクラスの問題も無事に解決できそう。そんな事を考えながら女子グループを連れて来た三玖を待ち構えていたのは、 消火作業に追われている男子達の姿と燃え上がるたこ焼き屋の屋台でした。

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突然の火事

 理由は恐らく、美味しさの秘訣を説明している最中に出てきた『改造コンロ』でしょうね。いやね、生まれてこの方たこ焼きを作ったことが一度もないので「そもそもコンロが改造できるのか?」とか「どうやったら他のものに火が飛び移るのか?」とかが実はイマイチわかってないのでこれ以上書きようがないのが事実なのが実に厳しい(笑)

 

 実は『第三者による放火なんじゃないか説』も考えたんですけど、それは完全に犯罪であって学園祭を続行させるわけにはいかないのですぐに取り下げました(笑)

 

 理由や被害の少なさなどは関係なく、問題が起こってしまったとあっては学園側も対処をしなければなりません。3年1組のたこ焼き屋は二日目以降の出店停止処分を言い渡されてしまいました。

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出店停止処分

 燃え盛る屋台を前にどうすればいいのかと逡巡する三玖。せっかくクラスの皆が和解できるように勇気を振り絞ったものの、想定外のトラブルに何もできず立ち尽くしてしまいます。

 

 果たしてこの騒動に解決は見えるのか?といった締まりで今回は終わりです。

 

 100話終盤の例のコマで予想されていた通り、ついにボヤ騒ぎが起こってしまいましたね。個人的にはボヤ騒ぎであってほしくなかったですが、メタ読みによる推測&願望でしかなかったものなので起こってしまったものはしょうがない。ここからは考えを改めていきましょう。

気になる事

 途中で考察をいくつか挟みましたが、他の件で気になった事をいくつか述べていこうかと思います。

①三玖は何故クラスを和解させようとした?

 率直に言えば『いきなり感』がありました。97話『変わり始める日常』で男女の対立に対して困惑している様子は確認できていたのですが、『どうにかしなきゃ!』みたいな使命感?みたいなものは感じられなかったんですよね。

 

 前回の記事で『水族館デートの最中、風太郎が男女間の和解を三玖に頼む』という考察をしたのですが、今回の風太郎と三玖の言葉を聞く限りそのようなやりとりがあったとは言い難く、『和解に関してはたまたま風太郎と三玖の考えが一致していた事によるもの』という見方が強いと思っています。

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風太郎も同じ気持ち

 そもそもこの件を三玖に任せていると言ったなら、今回で改めて「この状況を変えられるとしたらお前だ」というのは少々文脈に合わないので、任せたのは別件だったという事なのでしょう。

 

 それから少し考えて思い出したのですが、そもそも今回の男女の対立に似たような構図が中野家の五つ子の間でもあったじゃないですか。修学旅行で。

 

 おそらくあの経験があったから、学園祭での男女の意識の根本は同じはずだと思ったのでしょう。そして仲直りをさせないときっと後悔する(=皆で喜べる学園祭を過ごせなくなる)事も見えていたからこそ、自分の意識で男女の対立を和解させようと頑張っていたんだと思います。

②今後の展開について

 正直な話、「どうするんだよこの状況……」と言うのが率直な感想。二日目の三玖の様子を見ると既に問題が解決しているような素振りも見られるのですが……。

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風太郎と回りたい三玖

 どうなんでしょうね、一緒に回りたいというよりも男女の和解に関する相談をしたい感じなのでしょうか。

 

 あとは一花・二乃同様に風太郎にキスをするのか?そしてパン屋さんと上杉母との話はするのか?などなど、色々気になる案件が残っているのでこれらをどのようにまとめていくのかが気になります。

 

 ただ今回での男女の対立が修学旅行でのシスターズウォーをなぞらえているとするなら、あの時風太郎を前にして二度も逃げてしまった三玖が今回のトラブルから逃げずに向き合い、自分の力でクラスの男女を完全に和解させられるようになってほしいと願う所ですね。

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あの時は逃げ出してしまった三玖だけど……

 今回の話の最後にうずくまってしまう三玖の姿がありました。風太郎に頼ってばかりではダメだと、自分でもできる限りの事はやらないといけないんだという決意を胸に、初日の夕方から1組全員集合させて夜までに問題解決ができるよう三玖の活躍を願いたいですね。

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どうしたらいいの?

風太郎の謎の傷痕について

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左頬にある謎の傷痕

 一花ですね。『一花の場合②』の感想でも述べたのですが、「誰も選ばない」と言った風太郎に対して一花が思わずビンタしたんだと思います。

 

 仕事の撮影で役者さんが「やり慣れてない……?」と言っていた事と、一花が風太郎に「誰も選ばないなんて言わないで」と言った後右手を思わず口元に持っていって「あっ……」みたいな表情をしている事から、一花がビンタをしたとみていいと思います。

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思わずビンタしてしまった

  これを見ると、屋台のボヤ騒ぎは一花を送り届けてから発生したものと考える事ができます。ボヤ騒ぎが17時10分に起こっているのが時計で分かりますので、それより前の時間帯に一花は学校を離れていますね。

 

 「バタバタしてるとこごめんね」と言っているので、風太郎が告白してからここまでの間にボヤ騒ぎ以外で何かがあったという事でしょうか?

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バタバタしてるとこ

 告白後にあった事として、二乃と風太郎が一緒にマルオを探して勇也と合流したの事が挙げられます。しかしそれをバタバタしてるかと言われるとちょっとバタバタしていないような感じにも見えるので、きっと別の何かがあったのかと思われるのですが、果たして真相やいかに。

まとめ

 二乃以上に落としどころの見えてこない三玖回でした。ボヤ騒ぎの騒動は初日で決着が付くのか、はたまた二日目に決着が付くのか?そしてどういう流れでキスをする事になるのか?もしくはならないのか?何もかもが予想が付きません。

 

 ただ一つ、三玖の成長物語ももう最終章と言ってもいいでしょう。勇気を出して行動を起こせば、不可能はきっと可能になる。その事を今回実感した三玖が男女の件でさらに積極的に解決へと導き、そして風太郎に対する達観じみた恋愛感情に対しても勇気を出してぶち破り、自分のしたいことをしてほしいものです。

 

 次回の更新まで24時間を切ってしまいましたが、今回はこの辺で終わろうと思います。

 

 ご拝読ありがとうございました。

*本記事で掲載している画像は©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁」より引用しています。

 

 

   

五等分の花嫁:104話感想 これは家族が家族になるための物語。

 104話読了。読んでいる最中にも感情が大きく揺さぶられる出来事があったのですが、ちょっと油断して最後に全てを持ってかれてしまいました。そりゃあそうですよね。二週間前に一花が好きな人にキスをしたんだから、そりゃあ二乃だって好きな人にキスしますよね。

 

 理屈だとかそこまでに至る過程とかを考える脳がこの時ばかりは麻痺してしまい、目の前にある二乃のしてやったりな表情をただじっとにやにやしながら見ていることしかできませんでした。この記事を書いている現在はすでに落ち着きを取り戻しておりますのでご安心くださいませ。

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してやったり

 という事で104話の感想、行きましょう。

 

二乃と風太郎、マルオの元へ

 前回、日の出祭二日目終了時に店番をしていた二乃の所へ風太郎がバイクに乗って現れ、マルオの所に文句を言いに行くから付いてこいと言う場面で終わりました。

 

 なのですが、二乃はその同行を拒否してしまいます。

 

 風太郎のパパの話から自分と四葉が考えに考え抜いて送った招待状を読んでくれていた事は分かった。それなのに一向にこちらに姿を見せに来てくれないのは、自分達の事なんてどうでもいいと思っているからなんだと。これ以上待つのは嫌だ、こんな事になるなら最初から希望を持たなければ……とその思いを口に出してしまいます。

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もう待てない

 ですが、そこでひるむ風太郎ではありませんでした。風太郎はマルオからいつも鋭い目を向けられているのですが、その厳しい目つきの裏には『娘達を大切にする』という父親としての思いが確かに含まれているんだという事を二乃に伝えます。

 

 風太郎から依頼を受けていた放送部の椿ちゃんから、マルオが日の出祭二日目に来ていた事を教えられます。いやあ椿ちゃんグッジョブと言わざるを得ません。武田以上に出番を頂いているようで、モブキャラ愛好家達もこれにはニッコリ。 

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二日目に来ていたマルオ

 風太郎の証言、映像という動かぬ証拠。これだけの材料が揃ってしまえば、次に二乃が取るべき行動は一つしかありません。弱気になっていた心を叱咤激励し、マルオの元に行く決心を固めて風太郎にバイクで連れていってもらいます。

 

病院にて

 二日目に学校に来たマルオが突如引き返したのは、担当している少年(?)に何か急な出来事が起きてマルオを呼ばざるを得なくなったという事でした。もしかしたら五つ子の誰かが倒れたのかもしれない不安はありましたが、ひとまずは違うという事で一安心です。

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五つ子じゃなかったね

 少年の状態を確認して院長室(かな?)に戻りますが、そこには入館許可証を持った風太郎と二乃が待ち構えていました。ここで風太郎が「お借りした娘さんを返しに来ました」と言うのは最後の試験で「娘さんを頂いていきます」と言ったことへの対比的な表現だと思われますが、時と場合が違ったら最低最悪の言葉になるので気を付けましょうね?

 

 風太郎は「なぜ娘の前に姿を現さなかったのか」とマルオに質問にぶつけるのですが、当のマルオはそれに全く答える気もなく帰りなさいと言って聞こうともしませんでした。しかし二乃が持ってきた鉄板でパンケーキを焼いてる姿を見て、過去に交わした零奈とのやりとりを思い出します。

 

 それは零奈が入院していた時の頃。もはや長く生き永らえることのできない零奈とマルオとの間で交わされたパンケーキに纏わる世間話。

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それは在りし日の遠い記憶

 高校の頃に零奈と会ってから何があったのかは分かりませんが、マルオにとって零奈は恩師だった事、それからマルオが零奈のファンクラブの会長だったという事もわかりました。会長という事はおそらく創設したのもマルオだったと思うのですが、一体何があったらファンクラブというものを『あのマルオが』作る事になるのか、想像もつきませんね。

 

 物語開始当初の風太郎が他人と関わりを持とうとしなかった前例があるのでマルオも同様に学力「だけ」の人間なのかと思っていたんですけど、そこは認識を改める必要がありそうですね。生徒会長もやってたことだし、もしかしたら武田並みに人望もあったのかもしれません。

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零奈先生ファンクラブ会長

 マルオの前に差し出されたパンケーキ。そこには二乃の「マルオに食べてほしい」という思いだけではなく、入院中の零奈がふとこぼした「小さな娘達の成長」という心残りに対する一つの答えがありました。

 

 自分の未来の選択ができるようになれた、ここまでの成長を。そして未来に向かって一歩一歩確実に進んでいくための、これからの成長を。その全てを父親として、家族として傍で見届けてほしい。そんな二乃の思いが込められていました。

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ここまでも、これからも

 そんな二乃からのパンケーキを受け取るマルオですが、ここで初めてその心の内側が明かされることとなりました。

 

 零奈の死後、マルオは恩師に報いるために娘達を引き取りましたが、その心の奥底では零奈の死を受け止めきれていませんでした。鉄仮面(勇也の言からすれば素の顔かもしれませんが)を被って娘達に接してきていたのは、その部分に触れられるのを意図せず忌避していたからに他なりません。

 

 そして自分が医者で家にいる時間が少ないのも、高級マンションを買って娘達に自分が近くにいなくても何不自由なく生活をさせていたのも、そういった深層心理が自ずと働いていたからなのでしょう。

 

 二乃から差し出されたパンケーキを見て、それに気付かされたマルオ。誰よりも現実を見ていたマルオが『零奈の死』という点において誰よりも現実を見る事ができなかったのが、なんともはや……という思いで一杯でした。

 

 娘の作ったパンケーキは自分の記憶に残っている味と同じだった。それはつまり『零奈の死』という辛い現実に真正面から向き合ってきた証拠と言うに他なりません。あの時に誓った「責任を持って引き受ける」という言葉を真に果たすために、マルオはついに零奈の死を受け入れる事ができました。

 

 そして何よりも二乃が欲しがっていた言葉を伝えます。

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家族全員で

 ここはもう、『感慨深い』の一言に尽きます。今までの描写の中で娘達を大切に思っている事に関してそれとなく察していましたが、その心の内が読めずにやきもきしてしまう事もありました。それが明かされた上に問題解決までしたので『本当に良かったなあ……』と思わずにいられませんでした。

さらに攻める事を覚えた二乃の――

 さて、ツンデレツン』あたりから表面化してきた二乃とマルオの父娘問題にもある程度決着が付きました。押しても引いてもダメだったマルオにさらに攻めの一手を重ねた結果、問題を解決する事ができました(引いたかどうかはこの際置いておきましょうね)。だとするなら押しても引いてもダメだった風太郎にさらに攻めの一手を重ねていく事は二乃にとって十分『アリ』な選択と言えるでしょう。そう思ったであろう二乃は風太郎にキスをしました。

 

 正直ね、(ま……いっか)と二乃が思っていたあのコマの時点で「あ、これ絶対やる奴や!!」って思いました(笑)。 そして冒頭の感想に繋がっていく……。

 

 そりゃあそうですよね!

 

 躓いてからのキスがスクラン編ラストのキスの状況と似ている事(より正確に言うならこちらはキス未遂に終わりましたが)、そして一度失敗したのをすぐその後でリトライしたのがスクラン編直前の二乃の告白の状況と酷似していた事など、過去との対比が存分に散りばめられていました。ぶっちゃけファンサービス以上の意味はないと思いますが、思わずニヤリとしてしまいましたね。

 

 ざっとした感想はこんなもんなので次に気になった事を色々書いていきます。

 

気になる事

①零奈先生、めちゃ美人

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めちゃ美人

 めちゃ美人。

 

 回想当時の娘達の年齢はおそらく10歳前後でしょう、そこから当時の零奈の年齢を考えると大体35~45歳くらいだと思うんですよね。だけど何というんでしょう。どう考えても20代の顔にしか見えません。零奈先生美人過ぎます。こりゃファンクラブができてもおかしくないっすわ。

 

 それから余談なんですけど、零奈先生って先生としての勤続年数はどれほどあったのでしょうか?今回の話で先生は数年前の話と言っており、『最後の試験』での下田さんの話だとたった1年しか思い出がないそうですが……。

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零奈先生はいつまで「先生」?

 すごい真面目に考察するのであれば、このまま零奈先生が同じ学校に勤めていた場合、マルオがいつかは高校を卒業してしまうじゃないですか。その場合ファンクラブの会長のポジションも辞して次の世代にバトンタッチをするはず(別のとある漫画ではそんな感じでした)なんですけど、ファンクラブの話で零奈はマルオに「初代」とかそういった類の言葉は一切使っていないんですよね。

 

 

 おそらく考えられることとして一番あり得そうなパターンを挙げるなら、零奈は新卒でマルオ・下田さん・勇也達の通う高校に赴任する事になった。そこで何があったのかは分からないけど、何故かマルオが主導でファンクラブが作られてしまった。しかし何らかの理由が原因で、零奈先生はわずか1年で上中下トリオの高校から去る事になってしまった。

 

 この際教師の職そのものをやめたのかどうかはわかりません。もしかしたら実父と恋仲に落ち、五つ子を身ごもった可能性とかもあるのかな?たった1年で高校を去るというのはよほどの事がない限りありえないでしょうしね。

 

 ただ、おそらくですけど体調を崩したために1年で高校を去った、というのは考えにくいかなと思ってます。五つ子をどこかのタイミングで出産している以上は健康体である事が望ましいわけですし、『7つのさよなら』で五月も零奈が段々体調を崩していったと描写されていましたし。


 ただしその場合はマルオが医者になる理由が不明になるんですよね。漫画的には『零奈のために医者になった』って展開もロマンなのですが……。

 

 ここら辺は後に分かる事なのでしょうか?続きに期待しましょう。

 

②今後の話について

 一花回でキスをして続く二乃回でもキスをしたとなれば、当然『残りの姉妹もキスをするのか?』という疑問が出てくることでしょう。それについての自分は『少なくとも三玖と四葉はするのでは?』と予想しています。

 

 単純な話、三玖と四葉は既に風太郎を好いていることがわかっているので何か切欠さえあれば感情が高ぶってキスをしたとしてもおかしくないと思っています。じゃあそのトリガーは一体何か?というのが今後のポイントになるのではないかと。

 

 四葉と五月の話は今回は時間がないので省略しますね。とりあえず次回の中心になる可能性が高そうな三玖に限定して話をします。

 

 一花は自分が半ば諦めているのに対して風太郎が選択肢に入れてくれていたからキスができた。二乃は押しても引いてもダメならさらに攻めればいいことに気付いたからキスができた。

 

 二人の姉がキスをした理由をザックリ言えばこんな感じじゃないでしょうか。そして『三玖はどのような心の動きがあれば風太郎にキスができるようになるのか?』を考えた時に、上のツイッターのような事を考えました。

 

 自己評価の基本的に低い三玖が風太郎から任された事に関して感謝される事で、その自己評価を高めて自分に自信を持ったからキスができた。自己評価が高まったからと言って即キスをする……というのはさすがに安直で考えにくいかもしれないけど、決してありえない話ではありません。

 

 で、風太郎から任された事というのが前回の記事から言っている通り『男女混合でたこ焼き屋とパンケーキ屋の店を営業するよう皆を説得する』という仕事で、その事が原因で初日の四葉の注意を聞いていなかった1組の女子がボヤ騒ぎを起こしてしまう……というのが現状の予想です。

 

 その後の展開まで一気に考えると大体次のような感じになるのではないでしょうか?

 

 ボヤ騒ぎの間接的な原因になって『やってしまった……』と三玖が落ち込んでしまうけど、クラスが仲良くなるように提案してくれた事やそもそも初日の功労者だった事もあってクラスメイトの皆から逆に感謝される事になり、3年1組は一致団結して日の出祭最終日へ臨む。

 

 そしてクラスの仲を良くしたいと思って三玖に頼んだ風太郎もその光景を見て満足し、三玖に感謝する。感謝された三玖は思い余って風太郎にキスを――!

 

 

 いや、合ってるのかこれ!?

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あ、合っているのか……?

 「三玖は幾つもの壁を越えてきたのでもう失敗をしないだろう」というメタを完全に取り除き、あの例の『火のコマ』が屋台のボヤ騒ぎの1シーンを切り取ったものだと想定した場合に三玖がキスをするようになる過程ってこれくらいしかないのでは……というのが今の自分の考えですかね。

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答えやいかに。

 

 あとはこれまでの記事で何度も言っている通り、上杉母・パン屋さん・三玖の間で上杉家のパンの味が伝承されていくロマンストーリーが展開されてくれることも願います!!

 

③倒れた姉妹は誰か?

 今週も倒れた妹が誰なのかは描写されませんでしたね。ただ、今回の時点でほぼ『倒れたのは五月』だと決め打ちしてもいいのかな?と思う根拠が出てきたのでそれについて言及してみましょう。

 

 今回でマルオが病院に戻った理由は入院していた少年から呼び出しがあったためという事がわかりました。おそらくこの時点では妹組の誰かはまだ倒れていないものと思われます。

 

 また、風太郎と二乃が入館許可証をもって院長室でずっと待っていた事から、マルオが学校を去ってから二乃達が病院に来るまでの間にも誰かが運ばれてくることはなかったでしょう。もしもこの時点で誰かが倒れた場合、間違いなく二乃にも連絡が入るはずです。それにも関わらず、院長室でマルオとその話を一度もしなかったのはつまりそういう事だと思います。

 

 以上の事から『学園祭の最中に過労や思わぬ転倒で救急車に運ばれる』という可能性がほぼ消えてなくなったと思います。なので過労で倒れる予想が多い三玖や四葉は候補から外され、消去法で五月が倒れたのではないかと推測しました。

 

 「妹さんが倒れたそうだ」という言葉のインパクトに騙されがちなのですが、例えば五月が実父と出会った衝撃でめまいや貧血を起こして救急車に運ばれたとしても、その話を聞いた織田社長が拡大解釈して「妹が倒れた」と表現するのは特段おかしい事でもないでしょう。

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本当にバタッと倒れたのか?

 以上が五月が倒れたのではないか、という理由です。

 

 ついでにもう一つ言うのであれば、一花は思い出の公園で、二乃はバイクでの告白など、過去のシーンを彷彿とさせる場所や状況が今回の『最後の祭り』編でマッチしていました。過去に風太郎が入院している時に五月と会話していたので、今回の『最後の祭り』五月編では逆に五月が病院のベッドで横になっているのでは……という予想も十分考えられます。

 

 あとさりげなく重要な事なのですが、今回の話でマルオが零奈の死に向き合う事が出来ました。もしかしたらまだ母の死を直視できていないであろう五月にマルオが親として何か言う展開もこの先待っているのかもしれません。そもそも五月は零奈と同じで普段から敬語を使っているし、下田さん曰く「先生にクリソツ」なので……。マルオがそこについても何かしら言及する事があるのかも?

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零奈に一番近い五月

 

まとめ

 ずいぶん取っ散らかった文章になりましたが、今回は一花回に引けを取らず盛り上がりを見せてくれた素晴らしき二乃回だったと言えるでしょう。マルオとの和解もさることながら、二乃の攻めの強さにはある種シビれるものがありました。やっぱり二乃はこうでなくちゃね!

 

 さて、もはや留まるところを知らない『最後の祭り編』も五分の二が終わりました。しかもその後には未だに詳細の語られない『日の出祭三日目』も待ち構えていることでしょう。長い。本当に長い。

 

 三玖、四葉、五月。三人のエピソードを終え、そして最終日も終わった先、風太郎が出す一つの『答え』に我々読者は果たして辿り着くことができるのか……?

 

 次回以降の展開に関して色んな推測・憶測が飛び交っていますが、すべてはねぎ先生の言葉のまま。様々な不安と期待を楽しみに変えつつ、今回はこの辺で終わろうと思います。

 

 ご拝読ありがとうございました。

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アイキャッチ用なのです

 

*本記事で掲載している画像は©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁」より引用しています。

 

 

五等分の花嫁:103話感想 父と娘の想いとは

 103話、読了しました。ここ二週間は物語の核心となる話題をずっと提供し続けて最後の最後に大立ち回りをした一花の話が中心となりましたが、三日目の様子は描写されませんでした。そして今回は学園祭的には初日の華となった二乃が主要視点者となる話が始まりました。

 

 学園祭の本祭が始まる前に二乃とマルオが関わるストーリーが二つほど(93話『ツンデレツン』、97話『変わり始める日常』)描かれています。今回から始まる『最後の祭り編』の二乃パートはそれらの回をもとに話が進められていましたので、二乃とマルオのすれ違いの多かった関係性に『決着』が付くのではないか。そんな予感がしております。

 

 そして徐々に明らかになっていく大人達の様々な側面。真実のベールが段々とはがされていくようなこの感覚は、もうすぐ五等分の花嫁という作品が終わってしまうんだろうなあ……と、そんな印象が見受けられました。

 

 もちろんそういった事情を考えるのは大事ですが、この作品の根本はラブコメですからね。今回から始まる二乃と風太郎の織り成す恋の物語を、しかとこの目に焼き付けようではありませんか!

 

 と言った至極適当な前置きをしつつ感想考察を始めます。

 

最終日の二乃

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教室の教壇にて思いを馳せる二乃

 扉絵は一花の時と同じでした。学園祭終了のアナウンスが聞こえる教室で、黒板の前に立って中央を向いています。そしてやはり一花と同様、どこかアンニュイな表情を浮かべていますね。その瞳には一体何が映っているのでしょうか……。

 

 黒板に『パンケ』『たこ焼』の文字があることから、今いるのが自分のクラスである3年1組の教室だという事がわかります。一花がどこかの教室のベランダにいるのは間違いないでしょうが、やはり3年1組のベランダでしょうか?

 

 であるならば残りの三玖・四葉・五月も同じ教室内にいる事が推測できるのですが、実際はどうなんでしょうね。そもそもその内の誰か一人は二日目の学園祭で倒れて病院にいるので、三日目に退院してこの教室まで来れるのかどうか、という疑問もあります。

 

 ちなみに余談ですが、四葉は教室の後ろ側で立っていて、五月は自分の席に座っている、そして三玖は三玖で他姉妹よりも返事を聞く心構えはできているので人事を尽くして天命を待つような表情をしてるのかなと個人的に予想してます。どうでもいいか。

 

 さらに余談なのですが、この黒板の「〇ERY THANK Y」の文字が書かれてるじゃないですか。あれっておそらく「VERY THANK YOU!」って書こうとしているんでしょうけど、それって文法上正しいんですかね?「Thank you very much!」はよく耳にするじゃないですか。でもこれ逆やん?そこんとこどうなんでしょう。ふと気になりました。英語に詳しい方がいたら是非とも教えを請いたいものです。

 

初日の二乃

 二乃は初日のオープニングアクトでまさかのダンスを披露していました。しかもセンターポジションのおまけつきです。

 

 何故二乃がそんな事をしているのかが謎でしたが、ようやく今回でその理由が明かされましたね。一つ目は風太郎にきらびやかで華やかなステージ衣装を見てほしかったからでした。

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特別な自分を見せたい

 ステージ衣装は普段の服と違う、ある種『特別』な衣装と言っても過言ではありません。それを着る以上は『大好きな人に見られたい』という心理も大きく働くのでしょう。多少の恥じらいを持ちつつも風太郎に『特別な自分を見てほしい』と伝える二乃のこの表情は何と言っても『恋する女の子』そのものですよね。

 

 そして理由の二つ目が四葉の仕事量を分散させるためでした。引き受けた理由としては一番その度合いが大きいでしょうね。誰が見ても『働きすぎ』という感想が出てくるくらい四葉はたくさんの仕事を引き受けている様子でしたし、それを見かねた二乃が助け舟を出した結果、センターで踊る事になったと。

 

 なんかいいですね、ここ。二乃って結構立派なモノ……じゃなかった、精神を持っているなと思わせるものがあるんですけど、この時の二乃って姉妹のために躊躇なく行動を起こしつつ自分のために行動しているんですよね。前述した風太郎に衣装を見てもらうのも、そしてこれから述べるマルオの事についてもそうでした。

 

 他人のために働きすぎて自分を顧みない四葉に対して「自分の事もちゃんと考えなさいね」と諭す二乃の姿はやっぱり『面倒見のいいお姉さん』って感じがします。

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自分の事も考えなさいね

 最後、三つ目の理由はステージの上から客席を見渡してマルオを探すためでした。マルオに学園祭に来てほしくて招待状を送ったものの、本当に来てくれるのだろうか?そんなちょっとした期待と不安を胸に、二乃は舞台の上から客席を隅々まで見渡していた事でしょう。

 

 パンケーキの味を披露したくなったのか、はたまた自分たちが過ごしている楽しい学園祭の空気を肌で感じてほしいのかは分かりません。しかし義理とは言えここまで育ててくれた恩義ある父親の姿をふと気になって探してしまう二乃はどこまで行っても『家族愛を求める子供』の構図に当てはまりますよね。中野家の家庭事情は特殊過ぎるもの。家族愛を求める姉妹がいてもおかしくないことです。

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マルオは見に来てくれるのか

 風太郎の告白後、二乃と風太郎は二人でマルオを探しに屋台へパンケーキの屋台へ向かいますが、肝心のマルオの姿はどこにもありませんでした。「元から期待なんてしてない」と二乃は言うのですが、風太郎は二乃の父親に来てほしいと願う気持ちを読み取り、「勇気出して招待状送ったんだろ、納得できるのかよ」と強く励まします。

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勇気出して送ったんだろ

 いやはや、何度見返してもここの風太郎はすごいと思わざるを得ません。ツンデレツン』でも『変わり始める日常』でも風太郎とマルオは直接会話をしたわけでもなければ、二乃が自分の父親に対する気持ちを風太郎に吐露した事実も全くありません。なのに風太郎は二乃が父親に家族愛を求めている事を察知できたんだから、まー「心の機微を読むのが上手いなあ……」と思わず感心してしまいました。

 

 

 ……などと考える一方で、実はある程度の事情を知っている四葉が密かに風太郎にメールで伝えたのではないか?という考えも僅かながらにあるんですよね。風太郎が携帯電話を操作せず、ただ画面をじっと見ているようにも受け取れます。そもそもマルオに招待状を送った件については四葉が最初に事情を説明していましたし。

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四葉から聞いてます

 にも関わらず風太郎は「お前だって」と二乃に限定した言い方をしているところに若干の引っ掛かりを感じるのもまた事実です。告白前に四葉から話を聞いている以上「お前だって」という言い方になるのが自然かと思われますので。

 

 まあそれについても風太郎の告白後に四葉がこっそり風太郎にメールを送れる心理状態にあるのか?』という疑問もありますので、結局どっちの線が濃厚かは現状では結論が下せませんね。個人的には風太郎が独力で二乃の気持ちを悟った方がロマンがあるのでそちらを推していきたい所です。

 

明かされる二人の父親

 パンケーキの屋台にはマルオは来ていませんでしたが、代わりに(と言うのもアレですが)勇也とらいはがやってきました。数時間前にパンケーキを食べてたらいはが、今度は綿あめを食べてます。いいですね、お祭りに綿あめは欠かせませんよねやっぱり。

 

 さてここではマルオと勇也の過去が少しだけ明かされるのですが、なんと二人は同じ学校の同級生だった事がわかりました!

 

 大体予想してたけどな!

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相性の悪そうな二人だが

 どこからどう見たって相性の悪そうな二人です。なのに何故二人は今も友好関係(マルオにはその気は一切なさそうですが)を築けているのか、そして家庭教師の仕事を持ち掛け、了承したのか。

 

 勇也が少し口を滑らせてしまいましたが、そこにはどうやら零奈の存在が大きく関わっているようです。

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零奈が二人を繋げたっぽい

 余談なのですが、最初はマルオも不良仲間かと思っていました。

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上中下トリオ

 坊主頭の奴こそがマルオで、『勇也や下田さんとも不良仲間だったから今でも友好な関係を築けているのかな?』と予想していたのですが違いましたね。いや実はこいつがやっぱりマルオでめっちゃ頭がいいし何故か生徒会長もやってるけど勇也・下田さんと不良仲間であり零奈に鉄拳制裁を食らった後で髪の毛を生やした説とか言うのも無きにしも非ずなのでどうとも言えませんが。

 

 マルオと勇也&下田さんの不良組が繋がるキッカケになるとしたら零奈のファンクラブですかね?マルオがどういう経緯で零奈に惚れたのかが全く分かりませんが、それも今後描写されていくのでしょうか。

 

 

 マルオが来ないことに二乃以上に腹を立ててる様子の風太郎ですが、勇也の言葉を一旦信じて二乃と共に待つことを決めました。二乃が父親に会えないのを内心では気にしている事、そしてその一方でマルオが娘達の事を心配している事を知っている風太郎としては双方すれ違っている状態になっているのが我慢ならないんだろうなあ……。

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文句言いに行ってやる

 一方で、話の中心になっているマルオはテレビの大画面に映っている三玖を一瞥した後、どこかからかかってきた電話に折り返します。電話先とマルオの話し方からして職場の人間からの電話でしょうね。そこでどのような会話があったのかはわかりませんが、マルオは「構わないよ、すぐ行こう」と言って学園祭を後にしました。

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折り返しの電話

 一体どんな内容の電話だったのかが気になるところです。電話先の会話だけで解決できるなら病院に戻る必要がないのですが、「すぐ行こう」という事はそれだけ急な要件ができたという事になるわけで……。自分は医療関係の知識は疎いので『急患が運び込まれたけど医師の数が少ないので対応に追われている』くらいしか想像ができていませんが、他には何かあるのかな?

 

 あとは嫌な想像になりますが、いわゆる『モンスター』な来客があって「医院長を出せ!」としつこく言ってきたとかでしょうか。営業妨害で警察に差し出せばいい話ですが、一応マルオに連絡を入れて判断を仰ごう……みたいな。

 

二日目の日程が終わって

 学園祭二日目も終わりのアナウンスが響き渡りました。屋台で完売しきれなかった分であろうパンケーキの生地を焼いている二乃の元に、マルオを待ちきれず痺れを切らした風太郎がバイクに乗って駆け付けてきました。

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付いてこい

 どうやら次回は風太郎がマルオに正面から意見をぶつけていく展開がみられるようです。『7つのさよなら』で一度マルオにガツンと言ってやった風太郎ですが、当時は『顔を知らない』『雇用関係が消失している』『電話でのやり取り』だったのですが、今度はその全てが正反対です。勇也も(どの立場から言っているんだ……)と内心思っていましたが、果たして風太郎はどのような話をマルオにするのか?そしてマルオはそれにどう答えるのか?次週が楽しみですね。

 

 

 以上103話の感想になります。あとは気になることについて少し書いていこうかと。

 

気になること

①初日15時集合までの流れ

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3人は一緒に教室に来た

 今回の話で全員が教室に集まるまでの過程がある程度判明してきましたね。二乃・四葉風太郎の3人は一緒に教室に入ったことが分かりました。

 

 初日の風太郎は学級長としてたくさんの仕事をこなしてきましたが、集合時間残り五分のところで体力に限界が来ていました。もしかしたら倒れそうになっている風太郎を四葉が発見してそのまま二乃のいる教室に向かったのかもしれませんね。『二乃がどこで何しているのかをどのように知ったのか?』はこの段階だと分かりませんが、まあ二乃の友達から聞いたのでしょう。

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四葉がこの時手助けに参上したのかも

 それから五月も教室で「私たちだって時間を過ぎていましたが……」と言っているので、五月も途中で三人と合流してから教室に入ったのかな?『先に教室に到着していたけど何らかの理由で15時には間に合っていなかったパターン』もありますので確定とまでは言えませんけれども。

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五月も後で合流した?

 

②勇也が初日に来た理由は?

 初日は学園祭に来ない事を風太郎に話していたそうですが、勇也は急に行くと言い出したそうです。何故でしょう?

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なぜ初日に来たのか?

 これが現実なら『初日に予定していた事がそのまま二日目にずれた』『初日にやるべきことを片付けて時間ができた』という感じの理由付けができるでしょうが、まあおそらくそんな単純な理由ではないんでしょうね。なんとなく初日に来たのではなく『初日に来ざるを得なかった』と推測しています。

 

 この時マルオを見てないかどうか二乃に訪ねていましたので、マルオの捜索が主な目的でしょうか?それから98話で五月を心配していたことと、マルオに「同窓会しようぜ」と言っている辺り五つ子の実父を警戒している節も見られます。

 

 ところで何かしら特定の情報を掴んでいる事の多い勇也ですが、その職業はなんぞやといつも思わされますね。風太郎が最後の試験で満点を取れなかった事も密かに知っていましたし、実は探偵とかの職業に就いていたのでしょうか?カメラも探偵であれば商売道具になりますからねえ。実際のところどうなのか気になります。

 

③めっちゃ気になります

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ニワトリ?大根?

 なんだコイツ!?

 99話を読み返すと、パンケーキ屋のすぐ隣に『たま〇〇』みたいな屋台があるのが分かります。おそらく『タマゴ』を使った何かの出し物で、この謎の生命体はニワトリなんだろうなと推測することができます。できますが、99話の全体絵を見るとコイツの足の形がどう見てもニワトリではなく大根にしか見えません。いやほんとマジでなんだコイツ!?

 

④『火』がもたらすもの

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完全に一致

 今回マルオが立ち去るコマが100話の最後に出てきたコマと完全に一致していました。それから唇のコマは存在していませんでしたが、一花回で2週に渡ってキスの話をやっています。となると、残りの三玖・四葉・五月は他の3つのコマでそれぞれ発生しうるものだと推測できるのですが……。

 

 とりあえずね、『演劇部のキャスト変更のコマ』は四葉に関連した話でいいと思うんですよ。それから『誰かの背後に迫る人物のコマ』が『マルオに近づく実父』の構図で五月に関連した話になるのも分かります。そうなると残りの『メラメラと何かが燃えているコマ』が消去法で三玖回に該当することになるのですが……。

 

 これがどうにも腑に落ちない。色々な可能性が考えられるのですが、漫画メタを含めた色々な否定材料があるのでどうにも個人的に落ち着かないんですよね。

 

④-A 屋台でボヤ騒ぎ説

 そもそもあの火事は何なのか?という話から始めますが、色々な考察を見ている限り『屋台でボヤ騒ぎ』という説が一番多いようです。僕自身も一応はこれが一番有力だろうなと思っています。

 

 学園祭初日に四葉がたこ焼きチームの安全点検に来た時に「紙片は危ないので片付けておいてください」と言っているので、これが伏線になっているのが大きいでしょう。事実、紙片っぽいものが燃え散っている様子が確認できています。

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これが伏線なのかも

 また、二乃と一花が病院で「皆の様子は?」「一旦落ち着いたところよ」という会話をしていますが、この「皆」の正体が前回で予想した『取り乱した妹』ではなく『ボヤ騒ぎ中の旭高校(あるいは3年1組)』という見方も一応できます。

 

 一応と言ったのは、『皆=倒れた妹以外の二人』だと認識している一花との会話が嚙み合っておらずアンジャッシュ状態になっているのが理由なのですが、それはこの際放っておきましょう。

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一旦落ち着いたのはボヤ騒ぎ?

 それからもう少し前の回、三玖と風太郎が水族館デートをしている最中の事です。クラスに顔を出せそうにない風太郎が三玖に何かを任せていました。

 

 何を任せたのかは現状判明していませんが、もしかしたら風太郎は『たこ焼きとパンケーキを作るメンバーを男女で分けず、男女混合にする』というのを提案していたのかもしれません。今週のラストで二乃がパンケーキを焼いていた事と男子が数人作業に参加していた事が主な根拠です。

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男子もいますね

 それから三玖は学園祭初日で松井さん達1組の女子達に何かを言おうとしていました。男女混合で屋台を営業しようと言おうとしたけど結局言えなかったのでしょうか?「男子には負けたくないよね」という言葉に反応しているように見えるので、やっぱりそういう事なのかなあ、

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男女で出し物を作るように提案した?

 などなど、以上の事から男女混合チームを呼びかけた三玖がたこ焼きチームで仕事をする事になり、そこでボヤ騒ぎが起こってしまった可能性があるのかなと個人的には予想しています。

 

 現状の描写だけで起こり得るを考えるとしたら間違いなくこれでしょう。しかし前回の記事でも言った事ですが、もう三玖は五等分の花嫁という作品においてトラブルの中心になるキャラクターではないと思ってるんですよね。スクランブルエッグとシスターズウォーで二度もトラブルの中心となっているので、これ以上は……という思いが個人的にあります。

 

 いくつものトラブルを経験していくつもの壁を乗り越えてきた三玖なので、これから三玖を中心に描写するなら風太郎の傍に寄り添い、風太郎の心を解きほぐしていくような方向性にシフトチェンジすると思っています。かなり漫画メタな予想の仕方なんですけどね。

 

④-B 上杉母焼死説

 続いて考えたのがこれです。説の名前からしてなんじゃそりゃってなるんですけど、まあ落ち着いて聞いてください。

 

 上杉家の場所を知っているのは五月だけであるように、上杉母の事について知っているのは三玖だけとなっています。そして、今回の話でケーキ屋の店長とパン屋の店長も学園祭二日目に顔を出していた事が分かりました。

 

 で、修学旅行の時からずっと考えていた事だし何度もブログの方で書いているのですが、上杉母とパン屋さんに繋がりがあるのではないか?と予想しているんですよね。『上杉母⇒パン屋⇒三玖』と上杉母のパンの味が次の世代、さらに次の世代へと伝わってくれていればそれはロマンだよなあって。

 今回の最後で風太郎は店長ズからバイクをパクって借りて二乃の元に来たのでしょうが、もしかしたらその前のタイミングで三玖・風太郎・店長ズの4人で上杉母の話をする展開があるのかもしれません(ケーキ屋の店長が上杉母の存在を知っているかと言われれば微妙な線ですが)。

 

 その最中に上杉母の死因が焼死だと判明するのではないか、そして当時の悲惨な光景こそがあの『メラメラと何かが燃えているコマ』の正体なのではないか……というのがこの説です。

 

 割と突飛な発想なのは承知ですが、もう一つ思い当たる根拠があります。それは風太郎が思い出話の中で

六歳の頃、死ぬまでパンを毎日

 と語っていた事でした。正直「死ぬまで毎日」というのは風太郎の『誇張表現』なのかなと思っていましたが、もしも死因が病死でなく焼死である場合であれば、らいはの出産時期を除いて文字通り毎日パンを焼くことができます。

 

 それから、二乃と同様にマルオが来ると信じて待つと決めた風太郎が「待ってらんねー」と突然言い出したのも気にかかる部分ではありました。『三日目も信じて待つ』という選択肢を取らずにこちらから文句を言いに行くように決断した理由は、やはりその直前まで親の話をしていたからなのではないか?と推測しました。

 

 以上が上杉母焼死説の内容なんですが、こちらも例によって否定材料があってしまうんですよね。ざっくり箇条書きで済ませてしまいますが、

・これまで風太郎に『火に関するトラウマ』の描写が一切ない

らいはの体が弱いことから、病死の可能性は残っている

・他の4つのコマの時間軸は全て『現在』である

 という感じですのでこちらもこちらで微妙かもしれません。正直深読みしすぎている感はあるので、素直に『屋台でボヤ騒ぎ説』を取った方がいいのかもしれない。

 

 何かが燃えているコマに関してはこんなもんですね。これを読んだ皆さんがどう思うのかが気になる所ですがいかがだったでしょうか?

 

まとめ

 「5人が好きだ」「竹林襲来」「誰も選ばない」「一花のキス」と連続して波乱の展開が続いてきた学園祭編ですが、今回はそれらの話と比べてやや落ち着いた印象がありました。

 

 次に待っているのはマルオとの直接対決ですが、ある意味似た者同士で『遠慮』という言葉が脳内から消えているであろう二人がどのようなバトルを繰り広げるのかが楽しみです。その一方で二乃は残ったパンケーキを届けるのか?そしてマルオと和解できるのか?と言った部分にも注目ですね。

 

 そして当然の事ですが、「一花のキス」に引けを取らないレベルで二乃と風太郎の恋物語が展開される事を強く願わずにはいられません。

 

 そんな期待をあっちこっちにばらまきつつ、今回はこれで終わろうと思います。

 

 ご拝読ありがとうございました。

*本記事で掲載している画像は©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁」より引用しています。

五等分の花嫁:102話感想 『嬉しかった?』

 102話、読了しました。絶句?呆然?何と言えばいいのでしょうか、語るべき言葉を奪われてしまい、この気持ちにふさわしい言葉が出てきません。正直言ってこんな感じでした。

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読み終わった時の自分

 花嫁が誰なのかを考えながら読んでいくのがこの作品流の読み方になると思いますが、今回はその事をすっかり忘れてしまうほどの大きな衝撃に包まれました。意を決した人間の思いの強さがどれほど刺激的で魅力的で、どれほど美しいものなのかというのをこれでもかというほどに思い知らされた気分です。

 

 世界の一花推しの方々の中にはおそらく感情の荒波に襲われて限界点を突破してしまった方も大勢いるものと思われますが、そうなるのも頷けるくらい今回のお話は綺麗な物語でした。

 

 

 ということで本題。今回も前回に引き続き、一花を中心としたお話が展開されました。キスの話と、自分の気持ちに区切りを付けたくて一足先に答えを得ようとした一花に告げられた「誰も選ばない」という風太郎の宣告。その二つの話が交差する運命の時、初めてできた風太郎との思い出の場所で一花が導き出した答えとは一体何だったのか。振り返っていきましょう。

 一花の演技と倒れた妹

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渾身の一撃!

 のっけから一花の渾身のビンタが炸裂。これは「誰も選ばない」と言った風太郎に対して言ったのではなく、二日目の撮影での1シーンでのセリフであることが直後のコマでわかります。

 

 しかしビンタされた俳優の方が「やり慣れてない……?」と言ってるので、あの後で風太郎にも思いっきりビンタをかました可能性は十分ありますね。後に風太郎と夜道を歩く場面でも右手を口元に持っていく描写がありましたので、やっぱりぶちかましたんでしょうか?

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この表情はもしかしたらビンタしたのかな

 

 一通りの撮影が終わってホテルに戻ろうとする一花に、カツラをかぶるレベルで髪の毛がふさふさに生えているだけでは飽き足らず七三分けにして決め散らかしている織田社長から「妹さんが倒れたそうだ」と連絡が入ります。学園祭の二日目だったよねと確認していた事から、おそらくその最中に倒れたのかな?

 

 もう夜も遅いとはいえど電話だけでは心配だったので直接病院に訪れた一花でしたが、倒れた妹は大事にはならず元気も戻ってきているようで一安心。途中で風太郎と二乃とも合流しますが……

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どうやら何かがあった様子

 地味に気になる発言でした。倒れた妹は一応は元気な様子ではあるので、一花のように安堵しているのであれば『一旦』落ち着いたという表現は少々妙な気がします。それって裏を返せばもしかしたらまた落ち着かなくなる可能性も出てくるって事ですよね。

 

 つまり倒れた妹とは別に、理由は分かりませんが取り乱した妹もいるのでは?と推測しています。で、取り乱した妹は倒れた姉妹の原因に心当たりがあって、もしくは倒れた姉妹とは別で何らかの要因があって落ち着かなくなってしまっているのでしょうか?ここら辺は今後の話のカギになってきそうな予感がビシバシと伝わってきますね。

 

 

 ひとまず『誰が倒れたのか?』という問いでダントツで考えられるのは四葉ですよね。シンプルに『過労で倒れてしまった』という理由です。

 

 二日目は風太郎は学級長としての仕事はお休みで、今ある仕事は他の学級長が全部やるとの事でしたので四葉が本来風太郎のやるべき事までやっている可能性は高いと思われます。事実、二日目の四葉はずっと学園祭の仕事に追われているようでした。

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今日はお休み

 思い返せば風太郎がいきなりお休みをもらえたのも割と謎でしたね。風太郎も言っている通り「昨日はあんなに忙しかった」のですから。事前に学級長の集まりで各日程の役割分担を組んでいたならお休みがもらえるのも分かりますが、この突然休憩所を作りたがってた無計画な女との会話を聞く限りそのような分担もなさそうです。

 

 もしかしたら、風太郎が答えを考える時間をじっくり与えるために四葉風太郎の分も率先してやる事を引き受けた可能性なども一応考えられるでしょうか。そして本来予定にない仕事を一手に引き受けた結果無理がたたってしまい、倒れてしまったのかもしれません。

 

 その意図がなくても、演劇部の部長から二日目以降の劇の相談を持ちかけられた事もあります。そして二日目に竹林登場というイレギュラーもあったため、余計な事を考えないようにたくさん仕事を引き受けた、あるいは不安定な精神状態のまま仕事をしていたら普段やらないようなミスをして倒れてしまったというのは考えられます。

 

 

 四葉に関してはこのくらいでしょうか。そして次に倒れる可能性があるとしたら五月なのではないかと推測しています。働く描写のない五月は過労で倒れるようなイメージがほぼほぼないので別方面から探っていく事になるのですが……。

 

 これは自信がないので聞き流して頂いて全然構わないのですが、漫画の登場人物が何らかの原因で昔の記憶がフラッシュバックされ、『過去のトラウマ』が蘇って気絶してしまうような描写を目にしたことはありませんか?それがもしかしたら五月にあるのではないか?というのが自分の推測です。

 

 実父の関係で何かしら辛い過去があったとしたら、実父と会った瞬間にその記憶を真っ先に思い出してしまうのではないか……という具合に一応考えています。

 

 

 四葉と五月に関しては上記の通りですが、とりあえず三玖に関しては倒れていないと断言してもいいかなと思います。三玖は二日目は風太郎と一緒に回ろうとしていたのもあって仕事がなさそうでしたから。

 

 それに三玖はこれまでの話で体力不足がたびたび描写されていましたが、学園祭初日に数人でパンケーキ屋を完売まで回し続けた実績がありますからね。追加分もある上で完売したので、自分のお店で働く分には過労の可能性はないと見ていいんじゃないでしょうか。

 

 さらにもっと言うと、三玖が疲れた顔をしている時は非常に分かりやすいです。近くにクラスメートがいるならまず間違いなく気付いて三玖を休ませてくれる事でしょう。風太郎が海で楽しんでいたのを見抜いた観察眼の鋭いあの松井さんが近くにいてくれるならなおさらです。

 

 最後におまけでもう一つ。これは漫画メタですが、三玖はこの『五等分の花嫁』という作品の登場人物の中で最も成長を遂げているキャラクターになっていますので、これ以上は三玖を中心にしたトラブルはもう起こらないだろうと踏んでいます。

 

 なので同じ理由で『取り乱した妹』も三玖ではないと思いたい。

 

 逆に取り乱した妹は上述した件で五月がそれにあたるのかなと思ってます。読者が実父実父言ってるだけで実は実父が無関係である可能性も当然ありますが、勇也達の話から存在を匂わせてはいるのでねぎ先生から否定されるまでは追っていきたいと思います。

 

 

夜道を歩く花と風

 二乃と別れ、一花と夜道を歩くことになった風太郎。その場所はかつて人だかりのできていた花火大会の会場でした。学園祭の会話を重ねていく中で、一花は風太郎の感情面にアプローチをしていきます。

 

 風太郎は硬派に見えるけど行の時には大はしゃぎするし、叫べる場所に出てくればヤッホーと大声で叫ぶ。勉強星人となった今でも人並みに素直な気持ちを持ち合わせて行動していることを指摘し、「誰も選ばないなんて言わないで」と伝えます。

 

 風太郎自身が全員に「この六人でずっと、このままの関係でいられたらと願ってる」と言ったのは、かつて一花も思っていた事でした。だけど、もう区切りを付けなければならない段階にまで関係性が深くなっているのもまた事実。心の整理がついていない状態の風太郎に、一花は単純な問いを投げかけました。 

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誰だったら……

 『キスをしたのが誰だったら嬉しいか――』

 

 ある種この作品の『核』にあたる質問ですよね。『誰がキスしたのか?』については他の方々の考察・感想ブログやツイッターなどで盛んに議論されていますが、こうした風太郎の気持ちを軸とした考察』は最近風太郎が5人に告白するまでは中々お目にかかれていなかったですし、僕自身も当然そういう考察をしていませんでした。

 

 「なーんて」と言ってその質問を取り下げたように見えましたが、一花はさらに風太郎に畳みかけていきます。それが自動販売機での問いになるわけですね。

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二度も自分を選択肢に含めなかった一花

 五月の好きな飲み物はカレーだと単行本のキャラクター紹介にも書かれていますが、この場ではさすがに無理がありましたね(笑)。描写こそなかったものの、家では一花同様にコーヒーを飲んでいるのかもしれません。

 

 

 10分以上悩んで風太郎は何らかの答えを出しましたが、その間ずっと待ちぼうけを食らっていた一花は仕事の疲れからか眠りこけてしまいます。ずっと悩んでいる姿を見せていたのもあって「ダセぇとこを見せちまった」と独り言ちる風太郎でしたが、一花との思い出は「いつもこんな感じだった」と振り返り、「お互い苦労したな」と眠っている一花に語り掛けます。

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長男と長女

 前日、泣きそうな迷子のショー君を前に『お姉ちゃん』としての一面を見せた一花に対して『お兄ちゃん』としての一面を見せられなかった風太郎。「誰も選ばない」と告げたその心の内を見透かされて一花に「素直な気持ちを大切にしなよ」と教えられた風太郎。それだけではありません。中間試験前の泊まり込みの時や林間学校の二日目で、他姉妹の接し方について悩んでいる風太郎に助言をくれたのもいつだって一花でした。

 

 『似たもの同士』とは風太郎と五月の意地っ張りな性格がそっくりだという意味で使われていましたが、風太郎と一花の間にも『長男・長女として立場が似通っている者同士』の関係性が成り立っていました。風太郎がそこにある種のシンパシーを感じ、普段の一花ではなく眠っている一花に自身の心情を吐露したのが実に深いと思わざるを得ませんでしたね。

 

 

初めての――

 風太郎は眠っている一花の唇をじっと見つめます。脳内に呼び起こされるキス五月の無言の表情、一花の問いかけ。もしかしたら、風太郎とキスをしたのは……と言ったところで一花が目を覚まし、風太郎が唇を見ていた理由を尋ねました。

 

 おそらく一花は驚いたでしょう。風太郎がキス五月の正体が一花である可能性を全く捨てていなかった事と分かったからです。

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正解は四人の中ではなく、五人の中。

 「誰なら嬉しかった?」という質問の時も、自販機での問いかけの時もそうでした。一花は二度にわたって自分を選択肢の中に入れていませんでした。それは初日に「変な期待」をしつつも、一花の中には「私じゃなくていい」「この気持ちに区切りが付けられるんだ」と、風太郎との恋愛に対して半ば諦観もあったからだと思います。

 

 しかし、風太郎が自分の可能性も探してくれている事がわかったその瞬間、一花の中にある諦観という名の感情の蓋は取り除かれました。それまでずっと抑えつけていた風太郎への感情はもはや溢れかえる勢いでいっぱいです。もうこの気持ちを止められる術はありません。一花は自分の持っていた素直な気持ちをキスという単純にして最強の形で風太郎に伝えました。

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 もうね、ここから後の一花はもう『ずるい女』の連続でした。

 

 キスをして、普段の大人びた一花と打って変わって恋する乙女の表情をしながら「私だった?」と尋ねるんですよ。鐘キスをしたのかしていないのかなんて自分自身が一番よく分かっているハズなのに!

 

 自分の感情を悟らせないばかりか男の人とキスするのは風太郎が初めてだからって「嬉しかった?」って聞いてきたんですよ。半ば諦めかけていた可能性を拾い上げてくれて自分の方がとことん嬉しかったハズなのに!!

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嬉しかった?

 花火大会の思い出の地でもある公園を燦然と照らす満月をバックに、一花の魅力を全て凝縮したようなこの表情。至高の一枚でした。

 

 

気になること

 感想としてはそんなところでしたので、あとはちょくちょく気になったのを考えてみましょう。

 

風太郎と二乃が病院に来た事について

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来訪の意図

 自販機で悩んでいた時間が22時30分を超えていたので、そこから逆算して軽く見積もっても21時は過ぎているでしょうか。そんな時間にこの二人が病院に来た理由って何でしょうね。それによく見たら二乃は制服の上にエプロンを着用しています。竹林と遭遇する時はエプロンは着ていませんでしたが、あの後自分の仕事に戻ったという事でしょうか。

 

 五月がたこ焼き屋さんの方は大丈夫ですか?」と質問してるので本来二乃は二日目にたこ焼き屋のシフトが入っていたんだけど、何かがあってそれどころじゃなかったのでしょう。それが風太郎の告白だけなのか、他にも何かあったのかは不明ですが。

 

 が倒れた時、同じく学園祭に来ていたマルオの指示で病院に運ばれる事が決まり、マルオが倒れた妹に付き添った。そして二乃が自分の仕事を片付けようとしたら今度は別の妹に何か落ち着かなくなるようなドラブルが発生し、その対処に追われてしまった。それも一段落ついて、取り乱した妹倒れてないし取り乱してもない妹に任せてから倒れた妹の様子を見に病院に行ったら駆け付けてきた姉と遭遇した、という具合でしょうか?

ややこしいわ!!

 

 風太郎が一緒にいる理由は至極単純で、女の子に暗い夜道を一人で歩かせるわけにはいかないから。そこらへんは勇也の教育の賜物ですね。

 

風太郎は何を言おうとしたのか?

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君の名は。(違います)

 一花が話の主導権を握ってしまったため分かりにくいですが、ここで風太郎は何を一花に話そうとしたのでしょうか。直前に明日の仕事の事を聞いていたので、とりあえず明日は学校に来てほしい、とかそんな感じなのかな?

 

③三日目の後夜祭には何があるのか?

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三日目の後夜祭で何かが起こる

 自分がいた学校の文化祭では、最終日に男子が全校生徒の前で好きな女子に告白をする謎の告白大会がありました。ねぎ先生も自分と同じ愛知県出身なので、もしかしたら同じ経験をした可能性があるのかもしれませんが、果たして。

 

 学園祭の話が出てきた頃は四葉が全校生徒の前で風太郎に告白する予想を立てていましたが、今となっては逆ですね。風太郎が告白するのではないかと思ってます。

 

 ただし100話でキャンプファイヤーの描写がありましたので、林間学校の時と似たような何らかの伝説(多分伝説とかいう大層なモノではなく、ジンクスか何かの類でしょう)があるんじゃないか?というのもありますので、「最終日に踊ったカップルは~~」というパターンも一応予想しておきましょう。全校生徒の前での告白に比べればインパクトは足りないですが、「三日間でカップルがたくさんできる」という話が真実なら十分ありえる話です。 

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どこかで見た光景

④竹林じゃね?

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竹林じゃね?

 竹林じゃね?

 

 それはそうと、このドラマのこのキスシーンを見たというショー君がどんな感想を抱いたのか是非とも聞いてみたいですよね。百合カップルに目覚めてしまうのかどうか。というか何見せてんねんショー君のお母さん!!

 

 以上、気になる点でした。

まとめ

 風太郎が誰を選ぶか関係ない、一番大切なのは自分がどうしたいのか?』そこに気付かされて風太郎に告白という名のキスをするという流れがとにかく最高で、五等分の花嫁の中でも屈指の一花回でした。のっけから『最後の祭り編』のシリーズ最高潮に達したと言っても過言ではない今回の話ですが、仮に一花の最終日が描かれるにしても『今回味わった感動を上回ることができるのか……?』という不安さえ生まれてきてしまいますよね。

 

 それとも三日目は風太郎の視点だけで話が進むのでしょうか。となると次の回は別の姉妹に変わるわけですが、考えられるとしたら二乃なのかなと。病院のシーンではバトンタッチの意味も含めて二乃が出てきたのではないかとも一応推測していますので。

 

 いやあ、この程度の予想くらいは合っててほしいものですね(笑) と言った具合で今回はこの辺で終わろうと思います。続きは次回。

 

 ご拝読ありがとうございました。

 *本記事で掲載している画像は©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁」より引用しています。

五等分の花嫁:101話感想 えっ、フータロー君!?

 101話を読了しました。前回の終わりがあんな形だっただけに、今回の話がどういった展開になるのか読者の皆さんも戦々恐々としていたように思われます。

 

 ツイッターなどで見てきた限りですが、一度学園祭の様子を振り返る回が間に挟むのではないかという考えの人が多数いたように見受けられました。自分も同じようにブログで「次以降の話はもしかしたら学園祭を初日から誰かの視点で回想していったり裏側が明かされる感じになるのかなと思ってます。」と考えを述べていましたが、一応その予想は当たりですね。一花の視点から学園祭初日を振り返っていく形式での話となりました。

 

 そしてそのサブタイトルも『最後の祭りが一花の場合①』。完全に『最後の試験編』を踏襲しております。個人的に『最後の試験編』が物語の中で一番好きなシリーズだったので、それがもう一度味わえるんだという期待が一つ。そしてあの時以上に関係性の深まった6人が織り成すこの恋の物語の終着点は一体どこにあるのか、それも非常に楽しみにしております。

 

 

 というわけで早速本編の感想&考察に移りたいんですけど、今回の感想は実に簡単です。なんと4文字で表現できてしまいますよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 えっ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これが全てです。皆さんも最後の最後で自分と同じように全ての感想を持ってかれたんじゃないでしょうか。それくらい衝撃的なエンドだったように思いました。

 

 なんせ最終日に誰かを選ぶと思っていた風太郎が初日とはいえ「誰も選ばない」という選択肢を取る事なんて、想定こそ僅かにはしていたんですが「絶対にありえない」と思っていましたのでね。

 

 色々考えるべきことはありますが、ひとまずこの話題は後に書きたいと思います。まずは一花視点のお話を振り返ってみてみることにしましょう。

 

 

最終日の一花

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教室のベランダにて思いを馳せる一花

 

 初日の話に入る前に冒頭のページで二つほど

 

 どこかアンニュイな表情を浮かべ、どこか遠くを見つめているように見える一花の横顔ですが、学園祭終了の放送が聞こえてきている事と、『私とある男子②』でその存在が確認されている事から今現在一花が立っている場所はどこかの教室のベランダで間違いないでしょう。そしてそれは、一花は学園祭の最終日にも旭高校にやってきているというもう一つの事実も指し示しています。

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同じベランダだと思います

 

 そしてこのコマは厄介な事に、姉妹と一緒に教室で待っていたけどベランダに移動した数秒を捉えたコマなのか、風太郎に呼ばれたけど他の姉妹はまだ来ていないのか、そもそも他姉妹が風太郎に呼ばれていないのか、五人全員が呼ばれた場所がバラバラなのかなど、どういう状況なのかを考えようとしても答えが一向に見つからないコマとなっています。そこを考える意味が果たしてどのくらいあるのかは全くわかりませんが。ないかもね

 

 そして二つ目。記事の冒頭で触れたサブタイトルですが、よくよく見ると①が付いています。

 

 今回は一花の初日だけの行動を追って終わりましたのでこのあと②③と続くのでしょうが、これを5人分やるとなると相当の量になりますね……。姉妹全員が③まであるとなると合計で15話もあることになるので、単純計算で単行本12巻をすっ飛ばして13巻の2つ目のお話までこの『最後の祭り編』が続く形となります。なげえ!

 

 いや、さすがにそこまで長くなることはないよな……。一花なんて二日目はずっと撮影のお仕事だし。

 

 「初日は無事に終わりなんてしなかった」というモノローグがあるのと、学園祭の三日目については一切の描写が存在していないので、そこらへんにかなりの描写が充てられるかと思われます。その中でそれぞれ姉妹がどう風太郎と関わっていくのか、そして風太郎は何を思い、どんな結果を導き出していくのかが気になる所です。

 

前日の一花

 さて。と言った所でようやく本編の感想に入るのですが、開幕からコレですよ……

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最低ね

 何のドラマ撮ってんねーん!って思わず突っ込んでしまいそうですがここはぐっとこらえましょう。それよりも一花のこのセリフと表情がなんともはや……ってところですよね。一部のアレな方達が泣いて喜んで「俺も言われたい!!」とかトチ狂ったことを言い出してもおかしくないくらいに、そして対面する男性もその雰囲気に思わず言葉を失ってしまうほど演技力に磨きがかかっています。

 

 まだ18歳という、未来がバリバリにある年齢でこの演技力は相当なものです。さすが織田プロダクションの看板女優と言われるだけありますね。それにも関わらず「このシーンもう少しだけインパクト欲しいですね」などとのたまう恐れを知らないディレクターもまーー相当なプロ根性を持っています。

 

 そんな一花でしたが風太郎からメールが届いていることを知るや否や一気に乙女の顔になりました。

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この表情の落差よ

 一瞬で表情が変わる姿もあっぱれながら、気になるのはメールのタイトルに「Re:」とあること。それから最近の携帯電話であれば自分以外にも受信した人のアドレスも画面に映るんじゃなかったかなあ。などなどの描写から、「もしかして風太郎は一人一人にメールを送って呼び出した可能性があるか?」という考えが浮かびました。

 

 ……が、考えましたけど、時間も場所も決まっているメールを個別に送る理由が風太郎になさそうなので、一花の携帯電話にはそういう機能が備わってなかっただけ、と見た方がいいですかね。ここはもう100%考察しなくてもいい場所かもしれません。

 

 

 って思って放置しようとしたけどちょっと待ってください。

 一花は他の4姉妹も同様に呼ばれている事を知らなかったけど他の4姉妹はどうだったかなと思って前々回の話を読み返してたら、二乃と五月はお互いに招集がかかっている事を知っているような雰囲気でした。

 

 というよりも思い返すと二乃・三玖・四葉・五月は「一花を除いた4人が呼ばれた」と思っている様子でした。それは前々回で一花が登場する前後のセリフで分かります。

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一花を除いた全員だと思っていた様子

 このことから察するに、風太郎は一花に単独で、そして4姉妹には一斉にメールを送信したことがなんとなくわかりますね。一花が先なのか後なのか、それだけでも風太郎の気持ちが一花に傾いているのかいないのかが分かるのかもしれません。多分このメールはもうこれ以上言及されないでしょうが一応頭の片隅にでも覚えておいて損はないかも?

 

当日の一花

 さて、メールを受け取った一花は旭高校へと潜入することになります。既に一般の方達の間でも有名になっていて自分の存在をバラさないよう二乃の変装をするのですが、その一方で二乃が初日の大スターになって『憧れの中野二乃パイセン』と化しているのを知らない事が災いし、二乃パイセンのファンに追いかけられます。なんだかよくわからないぬいぐるみにも目をつけられていますけど、お前見た目メスじゃなかったか!?

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二乃に変装しても向けられる好奇の目

 逃げるニノレッド一花を匿う風太郎。逃げてくる一花の変装を見破ったのかはわかりませんが、「なんだ」と冷静に言っているので一目見て一花なんだろうなと思ってたのでしょうか。まあ二乃は初日は終始アイドル衣装だったので服装を見れば一目瞭然ですかね。

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冷静なので最初から一花だと分かってた?

  五人を呼んだ理由が特にないと言われるが、それに対して「告白の返事まだでしょ?」風太郎に問う一花。

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告白の返事

 これ誰の告白かは言っていないので最初は二乃と三玖の告白の件かと思っていたんですが、よくよく考えるとついさっきまで自分一人しか呼ばれてないものと思っていたんですよね。それに今回の最後で一花は区切りを付けたがっていたようなので、実は自分の事を言ってたりするのかなーなんてちょろっと思ったりもしました。一花の場合は異色ですけど「告白していないわけではない」ですからね。異色ですけど。

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一応。

 とはいうもののやっぱり二乃三玖の事でいいかなと。

 

 

フータロー君とショー君と一花ちゃん

 この後風太郎と一花は迷子のショー君を見つけ、お母さんを一緒に探すことになります。

 

  前々回でツッコミどころ満載の流れがありましたが、その内容がそこそこ今回で回収されましたね。あの時「お兄ちゃんたち」と言っていたのが気にかかっていたけどそういうことだったのか!迷子センターもインフォメーションセンターとかもなかったんやな

 

 さて、風太郎の「見つかんねーな……」という呟きがショー君にも聞こえてしまい、心細くなったショー君が涙をポロポロこぼしてしまうのを見て一花が声をかけるシーンがありました。

 

 この時ショー君はお母さんと一緒に来ていて、もうすぐ妹が生まれてくるそうです。そんなショー君に一花はお兄ちゃんとして「強くならないとね」と励ますわけですが、ここでの風太郎は何を思ったのでしょうか。

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この光景に何を見たか

 普通にらいはが生まれてくる時に風太郎が言われたことを思い出したのかもしれませんが、「母親のために」「妹のために」ということから、もしかしたら6年前に京都で交わした誓いの事を思い出してたのかな、と個人的に思いました。

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母親のために、妹のために

 後で何を考えていたのかわかるのかな。

 

 

 ところでこのシーンの一花の笑顔を見てくれ。

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今週のベストショット、頂きました

 最高。ホント好き。めっちゃ好き。やばい。

 

 

 話も変わるのでここで一つ余談をば。風太郎の一言でショー君が涙ぐんでしまったシーンに関する事なんですけど、子供って大人が「聞こえていないだろう」「どうせわからないだろう」と思って発した声もしっかり聞きとってしまうんですよね。どういう原理なのかはわかりませんが。

 

 子供と接することがある時はうっかり声に出さないようにしましょうね。子供はちゃーんと聞こえていますし、自分に向けられているであろう声がどういう類のものか本能でわかっています。余談終わり。

 

一花とキスの話

 さて今回の一つ目の山場である「キスの話」について。ショー君が一花がドラマでキスシーンを演じていたのを見ていた事から話が発展します。

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フータロー君だって経験済みだもんね

 思いっきり意味深な発言を残すのですが、この発言の意図としては次のような場合分けができますでしょうか。

・自分が風太郎とキスをした。

風太郎が誰かとキスしたのを見た/聞いた。

・キスの事は何も知らず、キスをしたのかどうかカマかけをしている/すぐに「してねーよ」とツッコミが入ることを想定しての世間話のつもり。

 ざっくりこんな感じ。あくまでも風太郎が(どんな理由があろうと)キスをした事についての話なので、風太郎が唇以外の場所にされたキス」の事についてはまず間違いなく言ってないだろうなと思っています。

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ここら辺は風太郎がキスしたとは言えないので×

 未確定な描写が多いので推測の域を出ませんが、現状自分の答えを言うなら『一花は鐘キスをした人物ではない』。それは次にあげる3つの理由から考えられます。

①自分がキスをしたならそう言えばいい。

②【漫画メタ】キスの事についてこっそり聞いた人物に当てはまる。

③【漫画メタ】風太郎の回想はあてにならない。

 以上3点。まず今回の一花はメールを見て、そして風太郎から「ちゃんとお前にも来てほしい」と言われた時に自分が風太郎にとっての特別な人なんじゃないかと期待をしてしまっている状態でした。その一方で、風太郎が誰を選ぶかを知ることで自分の気持ちに区切りを付けたがっていたが分かります。

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もうこの恋に決着を付けたいと思っている一花

 自分がキスをした張本人であるならいっそその事を風太郎に告げて風太郎の判断材料の一つにしてもらうのも、一花の選択肢としては十分アリだと思っています。

 

 修学旅行の時の精神状態ではないですが「使えるものは何でも使う」という事で、自分の持っているものは全部出し切った方がより後悔の少ない区切り方になれるんじゃないかなって。そう思うんですよね。

 

 

 続いてはこれ。

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こっそり聞いたんだけど

 未来の結婚式での事。姉妹の誰かが「こっそり聞いたんだけど」と言っていましたが、その言葉を発したのが一花だという可能性が浮上してきました。今回の一花と風太郎のやり取りは「こっそり」どころか「ガッツリ」という印象の方が大きいですが、それは置いておきましょう。

 

 これだけだとパンチが弱いのでもう一つ根拠を示すのですが、その前に自分の勘違いを一つだけ。例の『こっそり聞いた姉妹』『花嫁になる姉妹』からキスをした事を聞いたとばかり思っていました。姉妹からではなく、風太郎からキスの事を聞くパターンがあったのを完全に失念していたんですよね。先入観とは恐ろしいものです。

 

 で、『こっそり聞いた』相手が風太郎だとしたら、もう一つ当てはまるものがあるんですよ。それがこれ。

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前田は誰から聞いたのか

 今までずっと不思議でした。当時の前田はキャンプファイヤーで松井さんと踊っていたから、風太郎が風邪を引いて寝込んでおり、そのすぐ近くに五つ子がいたことなどわかるハズもなく、それを知る方法は誰かから話を聞くことのみ。

 

 で、それはおそらく風太郎が教えてくれたのでしょうが、そもそも何故「上杉から聞いたんだけど」みたいな言葉がないのか?何で教えてくれた人の存在を隠しているんだろうなと思ってたわけですよ。

 

 『前田に話した相手』風太郎だとして、それを隠す必要があるとしたら、それは何のためか?

 

 それは隠すことによって『今後、結婚式の関係者達が何故か知ってる情報の発生源が全て風太郎であると推測させるため』だからです。なんと言えばいいのでしょうか、ニュアンスとしては『隠すことによってその情報の価値や信憑性が高まる』というのが正しいのかな。

 

 なのでその原理にしたがえば、『こっそり聞いた姉妹』の情報源は風太となり、『こっそり聞いた姉妹』は一花だったと判明するわけです。

 

 

 最後の根拠はこれ。

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風太郎の『思い込み』

 キスとは全く関係ないしこれ自体も全然考察されてないので自信は全くないのですが、ここで言いたいのは『過去の回想はあくまでも話を聞いた風太郎が勝手にそう思ってるだけ』というポイントです。

 

 二乃をビンタしたのは母親の真似しての行動だった風太郎は思っています。これが本当なら普段から五月は母親の真似事として常日頃から二乃にビンタをしていてもおかしくありませんが、後に五月がビンタをするよう子じゃなかったという二乃の発言があるので『ビンタが母親の真似事』というのは風太郎の思い違いであることが推測できます。

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一度もビンタをしたことがなかった

 この風太郎の誤った推測』というのが今回の一花との会話にもあるんじゃないのか、というのが自分の考えです。一花は『キスそのもの』の話しかしていないのに、風太郎が勝手に『鐘キス』の話をしてしまった、という事。

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フータロー君の早とちり

 一花が疑っているのか、はたまたからかい前提の世間話をしたのかはわかりません。どちらにせよ風太郎の過去の推測が外れるジンクス』が存在するのであれば、逆説的に一花はそう言う考えを一切持っていなかったことの証明になります。

 

 

 以上の3点によって『一花は鐘キスをした人物ではない』という結論をひとまず出しておきました。とはいえ一花は大女優なので風太郎の前での状態が演技なのか素なのかが他の4姉妹より輪をかけて分かりにくいんですよね。

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全てを見透かしているような、そうでもないような……

 だからこそ『一花の心情』と『漫画的なメタ』に根拠を求めて結論を出したんですが、これらを覆して『自分こそがキスの当事者だった』という結果になるならそれはもう大女優の本懐ってもんですよね。

 

 

風太郎の決断

 場面を最後まで飛ばします。風太郎が五人が好きだと言って最終日まで時間をくれと言ったものの、フライングして先に答えを求めた一花の耳に「誰も選ばない」という到底信じられない言葉が入ってきました。

 

 これこそが冒頭で「えっ!?」と言ってしまった要因なわけなんですが、これについては別の方が考察した次の内容に賛同の意を示そうかと思います。

 

 

 『風太郎は最初は誰かに告白するつもりだったが、学園祭初日を過ごしていく内にあることが切欠で考えが変わった』

 

 これが一番聞いててしっくりきました。

 

 順を追ってみましょうか。まず、風太郎には五つ子に伝えたい何かがありました。それは三玖の告白五月の「あなたに出会わなければ、なんて後悔することはないでしょう」という言葉が直接の切欠になっていたものだと思われます。

 

 そして自分の選択をしたので、それを伝えるべく5人に招集をかけました。

 (この際『一花に単独で、二乃・三玖・四葉・五月は一斉にメールを送信したパターン』なのか『五人全員に送ったけど一花の携帯電話には受信者のリストが載ってなかったパターン』なのかはどちらでもいいです。)

 

 この時既に「誰も選ばない」という選択を決めていたのであれば、集合時に「俺も整理しきれていない」といって期限を伸ばす必要は全くないと思われます。なのでメールを送った段階では既に誰かに気持ちが傾いていたと考えるのが自然じゃないでしょうか。

 

 しかし一花と一緒にショー君のお母さんを探している時に風太郎は聞いてしまったんですね。「姉妹が同じ男を好きになってしまう」というドラマの話と、その結末を

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ぶっちゃけこのドラマが純粋な意味で気になります(笑)

 

 これを聞いた風太郎はさすがに内心で戸惑っていたのではないでしょうか。そしてそのまま集合時間となり、いざ五人に気持ちを告げるタイミングになって臆病風に吹かれてしまったと。

 

 さすがに修学旅行で五つ子達が仲の良さを取り戻し、何があろうと誰も後悔しないだろうと五月から言われてるため、今は「整理しきれていない」として最終日まで待ってもらい、それで大丈夫だと思ったらあらかじめ思いを寄せていた誰かに改めて告白する。

 

 

 一応自分が想定したのはこんな感じです。おそらく風太郎としても本気で誰も選ばない選択をするつもりはないと考えているので、もしかしたら残り二日間で風太郎は心配事である『姉妹仲の再崩壊』を防ぐために姉妹一人一人に接していく感じになるのではないでしょうか。大丈夫だと思ったらその場で選ばないことを言うのか、はたまた最終日に五人全員に同時に言うのかはわかりませんが。

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「それっきり」にならないようにしたい風太

 

竹林来訪の理由

 前回竹林が来た理由が『一花に妹達の本音を引き出してほしいと頼まれたため』と言ったのですが、今回を見たらその可能性がなさそうに思えてきましたので改めないといけませんね。『妹達の本音を引き出すため』ではなく、『風太郎に誰かを選ぶきっかけを作ってほしい』と言った具合でしょうか。まだまだ一花と竹林が裏で繋がっている可能性は追い続けたいと思います(笑)

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竹林は一花と繋がってるんだろうか

まとめ

 ひとまず最終日に風太郎による告白が描写されなかったので一安心……というわけにはいきませんでしたね。おそらく最終的には結論を出してくれるとは思うのですが、それまで漫画的にはしばらくお預け状態です。

 

 学園祭はまだまだ続くと思われます。今回の一花視点ではショー君に関する事がわかっただけで、例のあのおじさん無事で終わらなかった初日の内容などは未だに不明なままです。あとは四葉の演劇に関するあれこれもそうですし、二日目に来たであろうマルオの行動も気になります。

 

 全員分の初日を先に描写するのか?それとも一花の学園祭をまるっとやってから別の姉妹の視点に移るのか?そういったことすらもわからない。もはやわからない事尽くしですが、一個一個わかる部分から、推測できる部分から考えに考えを重ねて風太郎が選ぶのが誰かをズバリ当てていきたいですね。そういった楽しみを求めつつ、今回はこの辺で終わろうと思います。

 

 ご拝読ありがとうございました。

  *本記事で掲載している画像は©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁」より引用しています。

五等分の花嫁:100話感想 竹林襲来、上杉風太郎の選択!

 この作品が連載されてついに100回目の今回。夢の3桁連載に突入を果たしました。なんともおめでたい話です。しかも連載100回を記念して一花・二乃・三玖・四葉・五月でそれぞれ1ページずつ、計5ページに渡って100話の扉絵を描くという大盤振る舞い!五つ子が一人一人がアップでの1文字1文字を紡いでいくその姿は実に可愛らしく感慨深いものでした。

 

 いや本当に、こちらこそ「ありがとう」と言いたい気持ちで一杯です。もう今となっては五等分の花嫁の事を考えない日が一日もないくらい感化されている状態なのに、こんな贈り物を僕達読者に与えてくださったねぎ先生に感謝感激雨あられです。

 

 いまや留まるところを知らない五等分の花嫁ワールドの、その大いなる節目の一つに立ち会えたことは決して忘れることはないでしょう。これからのねぎ先生の活躍に超期待です!

 

 という前置きをしつつさて本編の感想および考察を話すわけですが、そういった祝福のムードとは天と地ほどの雰囲気が漂っております。一言で言うなら「不穏」の二文字が実にふさわしく、謎の込められた土塊があちらこちらに飛び散っている感覚です。

 

 なんせ今回は竹林さんという連載100回を記念して幼馴染に会いに来た女がいますからね。まずは彼女についてあれこれ触れていきましょう。

 

竹林の目的およびその背景は?

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JK竹林さんの登場です!

 学園祭二日目、風太郎が暇になった瞬間をまるで狙ったかのように(別に狙ってはいないけど)竹林が現れました。はい、何故でしょうね?

 

 いやまあ答えは自分でも言っている通り「幼馴染に会いに来た」という事に間違いはないんですけど、問題はそこじゃなくて『一度交友関係を全て絶ってきた風太郎と竹林がこうして再会できたその理由・いきさつは何が考えられるか?』というのがポイントになります。

 

 しかもこの竹林、どうやら中野家の五つ子を五つ子だと分かっている様子でした。今回の話の中では二乃と五月の二人としか会話しておらず、しかもどこからも「五つ子」という単語も出てきていません。はい、何故でしょうね?

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何故五つ子の事を知っているのか?

 そして二乃達との会話で風太郎との仲について五つ子を挑発したと思えば謝罪をし、その一方で今度は風太郎の成長を喜び、応援していく竹林。

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煽り、応援する竹林さん。

 何故、というより何なんだこのムーブは!?と全力でツッコまずにはいられませんでした。過去に五つ子達(四葉除く)が修学旅行で出会った時のあの礼儀の正しい竹林は一体どこに行ったんだ!?まあJKにもなれば色々変わるか。

 

 いやあ、竹林が久しぶりに登場しただけで3つも謎を置いていきましたよ。さすが連載100回記念に幼馴染に会いに来ただけの事はあります。謎の解き甲斐があるってもんですね。

 

 

 というワケで竹林が学園祭に来た目的について色々考えていったのですが、その結果次のような結論にたどり着きました。

 

「一花が女優仲間の竹林に、妹達の本音を引き出してもらって風太郎への想いを自覚させるようお願いした」

 

 結論から言ってしまいましたが、これが僕の考えです。ここからしばらくはそう考えるに至った過程を説明していきたいと思います。

 

 

 まず最初に考えたいのは「五つ子の皆も良い子だった」というセリフについて。

 

 読んで分かる通り、そもそも竹林は学園祭で五つ子全員に会っていません一花がどこかで撮影の仕事をしていることがその根拠になります。この二乃から始まり五月で終わる一連のページは同じ日付内の描写であると考えるのが自然なので、おそらく一花は学園祭二日目だけは高校に来ていないと推測できるのではないでしょうか?

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一花だけは学園にいないのでは?

 それに一花だけではなく、遠くから見ていただけの三玖四葉にも会ったとは言い難いです。 以上の事を考えると、『五つ子の皆もいい子だった』というセリフはおかしい。学園祭に来る前から知っていると考えた方が自然でしょう。で、それを教えたのは女優仲間の一花である、と(竹林が女優かもしれない根拠は後で明示します)。

 

 

 

ちょっと待てよコラ

 

そういう描写がないだけで、あの会話の後で竹林さんは中野さんと中野さんに会った可能性もあるだろコラ

 

それに会話をしていたら中野さん達が五つ子だって事も自然とわかるだろコラ

 

あといち……中野さんに会おうが会うまいが、結局それ以外の中野さん達と会ってんならほぼ『皆』って言っても別にいいだろコラ

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 もちろんその可能性は十分考えられます。ただしその場合竹林は学園祭に来るまで五つ子の存在を知らなかった事になり、『二乃と五月に対してあんなムーブメントをかましたワケ』という次の謎がより一層深まってしまうんですよね。ということで次はこの点について考えていきます。

 

 竹林が風太郎だけをからかうのはまだわかります。あの二人を見るとそれなり以上に気心の知れた仲であることは察することができますから。

 

 ですが、初対面で全く知らない二乃や五月に対して「じゃあこれではっきりしたね。私とあなたたち、どちらがより親密なのか」なんて普通言いますかね?こんな言い方をするのは87話『私と姉妹①』で描かれた礼儀正しい竹林のイメージと思いっきりかけ離れていると思いませんか?

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礼儀正しかった頃の竹林

 もちろん人は変わる生き物です。小学生の頃と大きく変わったのは風太郎だけじゃありません。風太郎たちの物語が描かれていくその裏で、竹林の方にも何らかのドラマがあって人生観や性格が大きく変わる出来事に直面したとしても不思議ではありません。

 

 とはいえですよ。竹林が読者が今まで持っていたイメージとかけ離れた行動をとっている以上、そこには必ず何らかの目的が隠されているんじゃないかと思うわけです。ならば次に考えるべきはその竹林の隠された目的を解き明かす事、その一点のみ。

 

 

 ……なーんてやや大げさに言ったものの、二乃と五月をからかった目的について考えるのはそこまで難しくありません。『からかった結果発生した事象が、それ即ち竹林の目的である』と単純に考えればいいだけのことだからです。

 

 竹林が挑発した事で何が発生したかというと、四葉と五月が自分の感情を外に出した事ですね。四葉は竹林の煽りに対して耐え切れなくなったのか、「私の方が上杉さんのこと――」と今までひたむきに隠してきた感情を表に出して飛び出していきました。

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一気に表面化する四葉の感情

 『自分が風太郎にとっての特別な存在になってはいけない、自分が特別になることで他の姉妹より幸せになってしまってはダメなんだ』と今までずっと自分に言い聞かせてきた四葉でしたが、竹林のからかいによって自身の感情が大きく揺さぶられ、思わず自分の持っている気持ちをぶつけようとしました。

 

 そして五月も五月で冷静に、だけど自分の中にも決して譲る事のできない強い想いを持っている事を竹林に伝えました。

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竹林に自身にも譲れないものがある事を伝える五月

 滅多なことでは自分の気持ちを外に出すことのなかった妹達が、竹林というイレギュラーが関わることでついにその心の内を曝け出すことになりました。これこそが竹林の、もとい一花の目的!本当かなぁ

 

 

 

 以上の事から竹林がからかった直接的な理由については十分説明できたかと思われます。今度はその背景を明かしていこうかと。冒頭で言った『一花は女優仲間の竹林に妹達の本音を引き出してもらうようお願いした』の根拠は以下の通り。

①竹林が『五つ子の皆』と言っている

②真田君が一緒に来なかった

③女優は『カメラに撮られるお仕事』

④一花が妹達の風太郎への想いを知っている

⑤タイムリミットが限られている

 以上、この5点を見ていきましょう。

 

①竹林が『五つ子の皆』と言っている

 これは最初に言っている通りですね。少なくと二日目に一花に会ってない事はもうご理解いただけたと思います。

 

②真田君が一緒に来なかった

 これはブログを書いている最中に思いついたことなんですが、真田君はなぜ学園祭に来なかったのでしょうか?もちろん真田君に何か予定があって学園祭にお邪魔できなかった可能性も考えられるんですけど、それにしてもです。

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竹林が学園祭にいく事自体は知っている様子

 そもそも竹林のあの行動は真田君が傍にいなかったからこそできた動きです。近くに真田君がいたら五つ子に「竹林は風太郎の事を好いているのでは?」と認識されにくくなりますからね。というか「こいつ浮気しとるやんボコせボコせ!」ってなる。

 

 前々回の勇也の時とはその意味合いが大きく異なりますが、同窓会をするならむしろ真田君も一緒に付いてきた方が自然かと思われます。真田君がいない、という事は『竹林が風太郎に好意を見せるような素振りを五つ子に見せるため』という説の補強にもなるんじゃないでしょうか。

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真田がいないからやりたい放題

 あ、言い忘れてたけど竹林と真田君はおそらく恋人の関係になっていると思われます。別に恋人でなくてもいいんだけど、漫画的にこの二人はもうワンセットで考えていいと思うので。

 

③女優は『カメラに撮られるお仕事』

 ここで風太郎の過去をご覧いただきましょう。

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盗撮だ!

 はい、カメラで撮られていますね。これは竹林も女優になるという暗示だったのさ!!

 

④一花が妹達の風太郎への想いを知っている

 一花は四葉と五月の恋心にも気が付いているのではないか説。

 

 四葉に関しては今さら言うまでもないですね。6年前に風太郎に会っていることを知っているし、姉妹を優先するために自分の気持ちに蓋をしていることも分かっていますから。

 

 で、五月に関してですが、30話『結びの伝説三日目②』と92話『秘密の痕』を合わせれば一花の視点でも推測は十分可能です。

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男女の仲を気にする五月に大丈夫という一花

 林間学校最終日。『男女の仲』という点で考えた時に風太郎の事をよくわかってない事、そして自分の両親がおそらくうまくいかなかった過去。その重ね合わせもあって五月は風太郎と顔を合わせづらい様子でしたし、一花はそれを目の前で見聞きしました。今にして思えば、五月がどういう理由で恋愛というものについて悩んでいるのかを知っているのは一花だけでしたね。

 

 そして、夏のプールでの出来事。

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手の痕について何かを察する五月

 風太郎の右手に残る謎の痕の答えを知って五月は取り乱していましたが、この場面で『一花も謎の痕が何かを察することができたかもしれない』と考えられるかもしれません。

・ウォータースライダーで、一花は五月の手を握る事を約束していた

・一花は何度も五月にスライダーに連行されていた

・「何かつけてた?」というセリフ(もしかしたら三玖の可能性もあるが)

 

  以上3点が主な理由です。風太郎の手を見て「五月ちゃん、フータロー君と手を握ってんじゃん」みたいな事を考えられるのも、五月の手を握っていた(実際は握られていたという方が正しいのでしょう)一花ならわかるかもしれません。

 

 そしてあの五月の取り乱していた様は、二乃・三玖・四葉から見れば「何で慌てふためいているんだろう?」くらいにしか映らなかったけど、事情を察した一花なら「あらあら、これは……?」と思っても不思議ではないでしょう。

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何度も手を握られてる一花なら推測できる気がします

 

 以上の事から、一花は学園祭開幕が始まる前には既に妹達全員の気持ちを理解した立場に立っているものだと思われます。

 

⑤タイムリミットが限られている

 そんなこんなで妹達全員の気持ちを知った一花ですが、ここで突然すぎる事態に襲われてしまいます。そう、学園祭初日に風太郎が放ったあの爆弾発言。

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俺はお前たち五人が好きだ

 

 風太郎は五人に対して嘘偽りのない素直な気持ちを伝えるだけでなく、学園祭の最終日に誰かを選ぶと宣言しました。

 

「いきなり来たね……」と言っているので、一花も『フータロー君がいつか誰かを選ぶときが来るんだろうな』とは薄々感づいていたように思われます。ただ、そのタイミングは一花の想定を大きく上回ってました。それくらい風太郎の告白はあまりにも早すぎる。

 

 一花は四葉も五月も風太郎に対する気持ちは持っているが、それを受け入れられる準備がまだ整ってない』という事が分かっています(もちろん五月に関しては僕の推測ですよ!)。そのため、今の時点で風太郎から告白されたとしても四葉と五月は受け入れられずにその場で振ってしまい、後で酷く後悔してしまうのではないか……?と予想する事もできます。

 

 そうなるのを一花は何としても避けようとしたのではないでしょうか。

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後悔しないように

 かつては姉妹の選択に何も意見せず見守る事の多かった一花でした。だけどシスターズウォーで「本当に戦うべき相手は姉妹ではない」「姉妹の弱い部分は他の姉妹で補い合う」という経験を経た今となっては、ただ見守るわけにもいきません。四葉と五月の二人が風太郎への恋に戸惑っているかもしれないというのなら、それを後押しし、少しでも自身の恋を肯定できるようにさせるのが今の五つ子達です。

 

 そのために一花は女優仲間の竹林に頼ったのではないでしょうか。やり方は少々荒っぽいですが、外部の人間が挑発することで少しでも多く妹達の本音を引き出して自覚させ、風太郎の告白を受け入れられるようにする。そんな狙いがあったのではないか、と自分は考えました。

 

 

 

 さて、これを読んだ皆さんに聞きたいんですけど……

 

 どうですかね、これ!?

 

「竹林に何らかの意図がある」という事を考え出したら止まらなくなってしまい、こんな結論が出てくる始末なわけですが。

 

 そもそもこの説が会っているかどうかとか、一花が竹林をけしかけたのが感じ悪いとか、竹林視点だと三玖と四葉に挑発してないじゃんとか、色々意見も出るでしょうが、一応考えに考えたので筋自体は結構通っていると思います。

 

 久しぶりだぜ、こんなに半信半疑な状態で考察書いたの……。

 

 

 ちなみにですが言われるまでもなく『竹林に確固たる目的などが全くなくて、純粋に風太郎に会いに来た説』も十分通じます。

 

 風太郎が旭高校にいることを知るのはそんなに難しいことじゃないでしょう。何故かは知らないけど風太郎って学校内で噂されるくらいには有名ですし。

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上杉君の噂

 それに全国模試で3位を取った事が竹林の耳に入ることだってありえます。真田君or竹林が全国模試の上位に属しているのなら、他の成績優秀な人を調べようとする時に風太郎の名前を見かけたりもするかもあるかもしれません。

 

 あとは単純に勇也(orらいは)から直接聞いた可能性も普通に考えられます。

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同じ小学校なので

 3人は同じ小学校に在籍していたので、引っ越しさえしていなければお互いの家はそこまで離れていないでしょう。小学校からだいたい半径2キロ以内には全児童のお宅はあると思います。それに「うえすぎ」の看板もあると思われるので、探そうと思ったら難なく見つかるんじゃないかな。

 

 そして家に突撃して勇也やらいはに聞いたなら近々学園祭が開催されることもわかるのでこうしてお邪魔しに来た、と。しかも風太郎の事を喋るなら五つ子の事も話してそうな気がしますのでなおさらですね。

 

 竹林の件はこんなもんでしょうか。どっちとも言える展開で自分の中で浮かんでくる説がどれも半信半疑で中途半端だったので思い切った考察をしてみました。完全に「ライターの暴走」だったと言えなくもないですが。

 

 

 

上杉風太郎の選択

 さて今回は学園祭の二日目を中心に描かれていましたが、ラスト2ページでまさかの最終日も終了という事態に。早すぎや!!

 

 『果たして風太郎は誰を選んだのか?』というのが今回の話題でしたが、皆様の意見はいかがでしょうか?

 

 え、僕ですか?

わかんねえよそんなの!!(ノ ゚Д゚)ノ====┻━┻

(※ブログを書いている最中ですがマジで予測ができていません)

 

 風太郎が整理すると言ったように自分も色々整理しながら記事を書いてるのですが、とりあえず風太郎の「五人が好きだ」というセリフは、あくまでも友愛を前提とした発言だと思っています。恋愛感情の観点で5人が好きだって言われたら……その、ねえ?

 

 ただ、風太郎は『五つ子の自分に向けられる想い(恋愛感情)に誠実に向き合っていく必要があり、答えを出すべき時が来たと思ったから』5人に対して宣言をし、タイムリミットまで精一杯考える時間を設けたんだと考えています。 

 

 

ちょっと待てよコラ

 

いち……中野さんはともかく、中野さんと中野さんは上杉に直接告白してないだろコラ

 

上杉視点で恋愛感情を向けられてるかなんて分からんだろコラ

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 実際自分もそう考えてました。だけど思い返してみてください。四葉も五月も『告白らしいこと』をしてるじゃないですか。

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「好きだから」

 四葉は中間試験後、なぜ最初から風太郎の味方をしてくれていたのかを明かす時に。

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「今日は綺麗な満月ですよ」

 五月は二乃との喧嘩後、上杉家の居候になった日に、何度も。

 

 この事を考えたら風太郎に全く告白していない』かと言われたら明らかに『ノー』なんですよね。本人の(特に五月の)感情や僕達読者の感覚がどうであれ、他ならぬ風太郎自身がこれらの事を思い出して当時の考えを改めて『告白された』と考えてもなんら不思議ではありません。もちろんそれが風太郎の思い上がりにすぎない可能性もあることは承知の上です。

 

 ともかくこれらのことがあったから、風太郎は一花・二乃・三玖だけでなく四葉と五月も呼んだんだと思います。タブンネ

 

 というところまではいいのですが、じゃあ誰を選ぶねんって話よな……。

 

  一つ考えた事があるんですけど、この風太郎の最後のモノローグを見てください。

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それでも――

この選択を

あるいはこの選択をすることは

正しかったのだろうか

そんなことを考えるには

三日間はあまりに短すぎた

それでも――

 

 これです。

 

『この選択』 誰か一人を選ぶ事。

『この選択をすること』『学園最終日に誰か一人を選ぶ』のを決めた事。

それが果たして正しかったのかどうか。

 

『そんなことを考えるには 三日間はあまりにも短すぎた』という事について、『三日間で誰を選ぶか考えつつ、その一方でそういった自分の選択が本当に正しいのかどうかも一緒に考えていたが、三日間でその答えを得られなかった』という事なのか。

 

 それとも『答え自体はしっかり考えて出したけど、後で振り返って学園祭のわずか三日間でそれが正しいのか?と考えるのには無理がある』という事なのか。

 

 そして『それでも』という、今回の選択について後に色々考えることができてしまうが、この選択を最後まで貫き通す意志を見せるような言葉。

 

 

 一応このモノローグで自分が推測できた事は大きく分けて3つあります。

 

「京都で出会った子に感謝の意を込めて一緒にいたい」と思って風太郎の脳内で一番可能性の高い五月を選ぶが、本当は京都で出会ったのが四葉だと後で知る。感謝する相手を間違えてしまってこの選択が正しかったのかを自問するが、「それでも五月を選んだことを後悔したくない」と心に決め、改めて五月を選ぶ。

 

「京都で出会った子に感謝の意を込めて一緒にいたい」と思ってボートで零奈にちらっと言った「思い過ごし」を信じて京都で出会った子=四葉を選ぶが、四葉の方がまだ風太郎の告白を受け入れられずに断ってしまう。学園祭中に誰かを選ぶことそれ自体が正しかったのかを自問するが、「それでも自分の考えは間違っていなかったんだ」と心を震い立たせ、改めて四葉に向き合わせる。

 

「誰か一人に答えを絞らなければならない」という事で誰かを選ぶが、そもそもそれは5人に誠意を見せようとしているだけで、「誰かとずっと一緒にいたい」などの恋愛感情とは全く別の感情だという事に気付かされる。学園祭中に誰かを選ぶことそれ自体が正しかったのかを自問するが、「それでも誰かを選んだことを後悔したくない」と心を震い立たせ、その誰かへと心から向き合う。

 

 とりあえずこんな感じですね。書いてる最中に大分整理できたので、四葉か五月が選ばれる可能性が高そうかなーってところくらいでしょうか?

 

 

 そしてとりあえず私見なんですけど、ここで選択したヒロインが最終的に結ばれるヒロインになるのかもしれないので、次以降の話はもしかしたら学園祭を初日から誰かの視点で回想していったり裏側が明かされる感じになるのかなと思ってます。思いました。 

 

その他

 軽く残りの考察要素をいくつかザックリ拾い上げて終わりましょうか。

 

①放送部の椿ちゃん

  ついにやってきました。3年1組物語で時折顔を覗かせて来た準レギュの子です。戦国武将で椿というのはいないので苗字ではなく名前の方なのかな。

 

 戦国武将に関連した苗字が多いので、おそらくはこの二人もそれに倣った命名をされているとは思いますがどうでしょう。現在僕からサザンカちゃん」と呼ばれる彼女の名前もそのうち出てくるんじゃないでしょうか。期待して待っておりましょう。出なかったら素直に笑います。

 

 ちなみに本命は「桜ちゃん」です。

 

風太郎はどこへ行こうとしたか?

 学級長のお仕事でお休みを伝えられた風太郎は二日目をどう過ごすかノープランのようでした。お金もないので食べ歩きをすることもできず、途方に暮れている状態でしたがどこかに行く当てがあったようです。それは果たしてどこなのか?自分のクラス手伝いに行けよ

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どこならいけるか

 まあこれに関してはおそらく多くの方が予想しているかとは思いますが、『演劇部の公演』が一番候補にあげられるのかなと思われます。もともと四葉が演劇部の助っ人をすることは三玖との水族館デートの時に知ることもできましたし、演劇部の公演は二日目もやっているそうですからね。

 

 それから今回の話の最後の方で演劇部のポスターのコマがありましたね。『キャスト変更』の文字が大きく描写されていますが、ポスターの方をよく見てみるとしれっと『入場無』と書かれていることが分かります。

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『入場無』

 これは『入場無料』を示しているんだろうなという事で、あまりお金を使えない風太郎が行く場所としては適当なのではないでしょうか。公演のタイミングと四葉のお手伝いのタイミングがどうなっているのかは分かりませんので確定とも言いづらいですが、そこまで考えなくてもいいかなあ……。

 

③マルオが来てたかも?

 椿ちゃんが色々なお客さんにインタビューをしており、エバ部長(今は元部長。相変わらずで安心しますね 笑 )の次の人が全く答えることなく去っていきましたが……この人マルオだよね?

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この口調と指輪がヒント?

 まあここは議論するまでもなくマルオだなと確信してるし皆さんもマルオだと確信してますよねきっと?

 

 ただ、個人的な予想ではマルオは三日目に来ると思っていました。

  

 初日のパンケーキは三玖が、二日目が五月が当番だという描写があったので、それじゃあ最終日は二乃が担当に回るんだなと思っていましたので(笑)

 

④初日に何が起こったのか?

 わかるわけがない考察その①

 五月の発言からすると、どうやら初日は立て続けに何かが起こったらしいです。

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立て続けに

 描写されていた中で上げるとするなら、二乃はオープニングアクトでダンスを披露した事だけ、五月はその二乃の姿を楽しんで見た後はひたすら食堂で勉強。風太郎からの告白を除けばそれくらいの事しかありません。

 

 二人の雰囲気を見る限り風太郎の告白以上の話題性はないと思われるし、落ち込んでいるとか不安になっているような表情もしていませんのでそれほど気にするような事でもなさそうかな?

 

 あとは二乃と五月には偶然関わってないだけともとれますし、二人とも分かってて口に出してないだけともとれますね。後者の場合がちょっと不穏ですが。

 

 これはさすがに後述する問題と一緒に考えるべきかな。

 

⑤謎の影は一体?

 ラストに書かれた風太郎のモノローグ。そこに描かれているコマは全て二日目・三日目に関係している何らかのコマになるとは思いますが、そこに謎の影が描かれています。果たしてその影とは一体?

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怪しい影が二つ

 

 「一体?」ともったいぶって書いたんですけど、もうこれに関しては考察界隈では前回現れた謎のおじさん説以外にほぼ意見が見られないし、自分も同じですわ。その正体が五つ子の実父なのか下田さんの塾に招かれる有名な講師なのかとかは別ですが、ひとまずあのおじさんでしょう。

 

 あの色々と考えることが多いんですよね、あのおじさん。今分かってる事だけでも書いていくとこんな感じです。

・ハゲてる。

風太郎が食堂へ案内した。

・三玖は知らないっぽい。

 そこにさらに五つ子の実父なのでは?という仮説が立てられると話がさらにややこしいことになります。

・何故ここに来れた?

・何故今さら現れた?

・勇也とマルオと同級生なのか?

・塾講師なのか?

 などなど。ちょっとこれは情報と時間がないので書ききれませんね。次の話以降で何か情報を掴めたらその都度書いていきたいと思います。

 

 個人的には実父の存在はよほどのことがない限りこの作品には不必要だと思っているんですけどね……。零奈が病気を患って亡くなってしまった時点で実父に対してあまり良い感情を持っていませんので。失踪したりしたのによほどの理由があるにせよ、マルオ達とどう折り合いを付けていくのかも疑問ですし。

 

 まあ、今はまだ想像の域を出ないのであのおじさんが本当に実父なのかどうかも疑わしいと言えば疑わしいですけどね。実父の友達みたいな感じもあるかもしれませんし。

 

 とりあえず、今日はここまで。98話、99話は思うように言葉が出てこなくて感想記事の投稿ができませんでしたけど、久しぶりに書けた気がして満足です。内容は突飛なものばかりですけどね。

 

 それではまた次回、よろしくお願いいたします。

 

 ご拝読ありがとうございました。

 *本記事で掲載している画像は©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁」より引用しています。

 

 

五等分の花嫁:97話『変わり始める日常』感想 ボタンを掛け違えたままの関係にさよならを。

 リアルの都合で金曜日~月曜日の間記事を書くことすらできなかったので大分遅れてからの更新となります。マガジンが一週間お休みで本当によかったと思っている唯一の人間になれたと無駄に喜んでいます。

 

 今回で五等分の花嫁の連載が2周年を迎えられたそうなのでまずは一言。

 ねぎ先生、五等分の花嫁連載2周年おめでとうございます!

 

 僕が五等分の花嫁にハマったのは今年の1月の頃でした。ハマったきっかけについてはちょっと人に言えない理由があるので割愛しますが、とにかくこの漫画に出会ってもう半年以上経つわけです。時間というのはあっという間に進むものですね。

  本アカの方を確認したらハマったの2月からだったわ。普通にブログのプロフィール詐欺ってるな。でも面白いからこのままにしとこう。

 

 ここまでハマってしまった作品だからこれからもずっと五等分の花嫁を追い続けていきたい気持ちはありますが、おそらくそれももう1年、もっと言えば半年と経たずに連載が終わってしまうんだろうなあ……。年内には終わらせたいみたいな噂が飛び交っているのもあるでしょうが。

 

 その一方で、世間では3か月前のスペシャルイベントではアニメ二期の制作発表、近頃ではラッピング電車、そして五等分の花嫁展、さらにはコミケで色々なグッズが売り出されては超スピードで大完売祭りが起こるなど、色々な場所で五等分ワールドが広がっていってるのが分かります。自分はスペシャルイベントは幸運にも参加できたけど他は仕事とリアルの都合上行けませんでしたからね、皆さんが楽しんでいる様子をツイッター上でこの目にしかと焼き付けていこうと思っております。

 

 原作の話に戻りますが、とりあえず物語が終わるその時までに『花嫁は誰か?』という作品最大の謎に自分なりの答えを導き出していければいいなと思う所存でございます。そして答えがバッチリ当たってケイスケ ホンダばりに「俺の勝ち!」って言いたい。なのでこれからも全力でネギ ハルバの心を意欲的に読んでいきたいと思います。

 

 という前置きをしたところで簡単に本編の感想をば。97話のサブタイトルが『変わり始める日常』とあり、今回は二乃を中心に話が進んでいきました。三玖・五月・四葉と他の姉妹との会話を重ねていく内に、今まで二乃がマルオに対して抱いていた思いが刻々と変化していく様子が描写されましたね。

 

 今までマルオの事を「正しさしか見ていない」としか評していなかった二乃がその正しさの裏側に隠されたマルオの意思を知り、「一時の気の迷い」だったマルオへの招待を確固たるものにしたこと、そして何よりも二乃の初めて作った料理がパンケーキで、しかもそれがマルオから材料一式を与えられて作ったものだと分かった時には思わず心が打たれてしまいました。

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  これが料理が得意とされる二乃のルーツでした。『私と〇〇』編で零奈の死後に五姉妹それぞれの特徴が顕著になっていく経過は描写されていましたが、こうして『マルオから与えられた結果、姉妹で唯一の個性を持つ』ことになるとは全く思いもよりませんでしたね。

 

 そんな二乃が今まで目にしてこなかった正しさの裏側に着目しながら、今回の話を見ていこうと思います。

 

第一次3年1組大戦

 さて前回の終わりで男女でたこ焼きVSパンケーキの争いが起きるんじゃないかと予想したところ、今回の1ページ目で早速3年1組大戦が繰り広げられていました。

やっぱりな!!

 

 どうやら何日にも渡って両雄並び立ってしまっている状況が続いているようです。

 ちょっと身も蓋も夢も希望もない3年1組考察を一つ。学級長が投票せず14:14で同票、そのうちたこ焼きの1が二乃って事は、男子14人、女子16人のクラスなんですね。普通の高校で言うなら文系クラスかな?まあこの漫画に普通の概念は全く当てはまらないのでそういう考察に何の意味もないのは内緒だぞ!

 

 真剣に考察……するわけでもないんですけど、果たして1組の出し物は何に決まるのでしょうか。考えられるのを一つずつ上げて考えていきましょうか!

 

①たこ焼き軍団の勝利 

 どちらかの軍勢が勝利するパターンその1。とはいえこっちの勝利はどうなんだろうなあ……たこ焼き軍団長の二乃が「マルオを招待してパンケーキを振る舞いたい」と思う可能性があるのであまり期待できないかもしれません。

 

 その一方で「私が最初に提案したんだもの、最後まで責任持つわ」と言っている以上そう簡単には旗を上げる事もしないとは思いますが、だからと言ってパンケーキ軍団の内部で裏切りが発生する可能性もなさそうなので基本的にはたこ焼き軍団は不利と見ていいでしょう。

 

②パンケーキ軍団の勝利

 どちらかの軍勢が勝利するパターンその2。正直こっちの方が勝つ確率は高いんじゃないかなあと思っています。

 

 前述した二乃の件もそうですが、仮に今まで投票をしなかった学級長が投票権を持った場合に風太郎がパンと関連してパンケーキに入れる可能性もありますし、そもそも去年のランキングという理由だけで最初から候補にあったたこ焼きと違って「三玖が提案したことで初めて候補にあがった」というのも一つの大きな要因になりそうです。

 

 武田に好意を持っているであろう女子3人が万が一たこ焼き軍団に降伏するような事でもしない限り、基本的にはパンケーキ軍団が有利な状況かなと。

 

③二つとも一緒にやる

 ブチ切れた二乃が言い放った悪魔の提案。片方でやるより必要な材料が多くなり、人員の確保も難しく、片方がものすごい流行ってしまうともう片方のお店の肩身が狭くなるだけではなく、その分のスペースが非常に邪魔に感じられてしまうことになってしまいます。さらに言えば、一つのお店で二つの食べ物が買える便利なお店として大繁盛するかもしれませんが、成功しすぎて忙しくなると休憩時間などがもらえないかもしれません。

 

 一緒にやる場合、学園祭は3日間あるので『初日はたこ焼き、2日目はパンケーキ』みたいに交代しながらお店を出すやり方が無難だし効率もいいとは思います。しかしクラスの空気を見てみると、3日間同じものしか出せないっぽいですね……なむさん。

 まあそんなことしたら他のクラスもダブル出し物大作戦を敢行して学園祭がしっちゃかめっちゃかになる可能性もあるけどね(笑)

④二つを混ぜ合わせる

 たこ焼き機でパンケーキを作りましょう。試す価値はある。

 

⑤まさかの別の案が飛んでくる

 カレーは強い。カレーは林間学校で一度作っていますし作り方も全然難しくもないので失敗する道理がありません。それにカレーが嫌いな日本人もいないのでこれで決まりですね。

 

 「たこ焼きが嫌いな日本人なんて存在しねーよ」と何やらクラスメイトが騒いでいますが、たこ焼きなのにタコが入ってないシロモノも作られている現実を理解していますか?あれはたこ焼きのタコが嫌いな人がいるから作られたので、それを考えたらたこ焼きが嫌いな日本人も一定以上いるハズですよ!そこんとこ覚えとけ!

 

 さらに言えば五等分の花嫁展のドリンクコーナーでも「五月のカレースープ」が販売されますからね。これは1組の出し物がカレーになるフラグと見ていいでしょう。

 

 

 さて色々な案が出たわけですが、これだけ列挙しておきながら自分はパンケーキになるのではないかという面白くもなんともない予想を立てておきますね。まあさすがに今回の流れでいきなりラブコメ漫画定番の出し物『劇』になることはないと思われますしね、順当に考えていきましょう。

 

 男子達の不満をどう抑えていくかは学級長の腕の見せ所、ですかね。もしくは人望的な面で、今まで出し物に関して何も口を出さなかった武田あたりがまとめてくれるのかもしれません。

 

二乃にとってのパンケーキ

 風太郎の母親がパンをよく作っていたことから三玖は『うちのこと』を思い出し、学園祭の出し物としてパンケーキを候補にあげました。

 

 ここの二人の会話を見ると中々に興味深いですね。三玖が「うちのこと」と言っているだけでなく、二乃も「あれこそふわっふわだった」「あれは一朝一夕じゃ作れない」「あの味が恋しくて」と言ってることから、まだ零奈が存命だった頃に作ってくれたんでしょう。しかも二乃の言葉からしてかなりの絶品かもしれません。

 

 零奈が他界してマルオが義父になってから、二乃がパンケーキのお店に行きたいと駄々をこねてもマルオは頑なに連れていこうとしませんでした。それはきっと、五つ子達だけじゃなくてマルオと零奈の間にも何かしらパンケーキに関わる思い出が存在していたということなんでしょう。

 

 そんな零奈お手製絶品パンケーキの味を他者に上書きされたくなかったんだろうし、娘達にも味わわせたくなかったからこそマルオはパンケーキのお店に娘達を連れていかなかったんだろうなあ。しかし何度もパンケーキを食べたいと言ってくる二乃の希望をかなえさせるため、家に戻ってきた二乃に食材一式セットを置いておいたのでしょう。思い出の味を100%再現することはできないだろうけど、実の娘が作る料理なら母親の味に似たものが出来上がるのではないか。そんな期待もあった……かどうかまではわかりませんが。

 

 二乃が初めての料理を成功させたのか失敗してしまったのかはわかりませんが、その経験がきっかけで段々と料理をするようになっていき、今では中野家の食卓を任されている、と。そういうことなんだろうなあ。

 

 

 いやあ、多分捻ることなくこう考えていいんですよね。最初にこの部分を読んだときは「あれ、これもしや上杉母が経営してる個人喫茶なのかな?」と思ったんですよね。で、マルオが担当したけど結局死なせてしまったからマルオとしても申し訳なさが先に来てしまいお店に入るに入れないみたいな。

 

 そう考えもしたんですけど『うえすぎ(上杉家の一階のアレ)』は一体何だったのかって話になりますし、パンケーキを取り扱うお店は他にいくらでもあるので別のお店に連れていけばいいだけの話なんですよね。って考えると頑なに拒んだ理由はやっぱり『お店』ではなく『パンケーキ』にあると見ていいようです。

 

心配をかけさせたくない 

 三玖と別れた二乃は一緒に帰る人を探して五月と遭遇しますが、結局一緒に帰ることはできず。こういう所にも二乃の淋しがりな性格が現れていますね。

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こういう描写ってさりげなく初めてだよね


 五月から入試判定の話を振られましたが、二乃はそれなりに自分に合った大学を選んでいたようで『B判定』を受けていました。このままいけば卒業だけでなく大学入試も無事に終わりそうな気がします。

 

 というか中野家の五つ子は知識のインプットは人並みにあるけどアウトプットが壊滅的に下手くそなだけなので、そこを重視して勉強に取り組んでいけば今よりも1ランク、いや、2~3ランク上の大学も目指せると思うんですよね。これまでのテストや問題集を見ると空欄の答案用紙を見かけたことがほぼありませんからね。知識の蓄積量に関しては問題ないハズ。

 

 さて、このままでは夢である先生になれないと取り乱した五月を落ち着かせるために飲み物を買ってくる二乃でしたが、買ってきたものにねぎ先生の悪意(笑)を感じさせるものがありました。

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「オモ」ピスウォーター

 カルピスウォーター→軽ピスウォーター→重ピスウォーター→オモピスウォーター

……

 いやいやいや!これ完全に皮肉でしょ!!

 

 これ今五月は取り乱してたから二乃に感謝してますけど、例えば風太郎が「差し入れだ」とか言って平常時にこんな名前の清涼飲料水を五月に渡したら中身を全部一気飲みしてから空き缶を全力投球されてもおかしくないですよきっと。こんな感じで。

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風太郎がオモピスを渡すとこうなりそう

 話が逸れました。五月は風太郎に最初は相談しようとしていましたが案の定風太郎は学級長の仕事で忙しそうだったし、『何より今までずっと勉強を教えてもらっているのにこの有様』という事に対して非常に申し訳なく思っている様子でした。

 

 そして先生からは親と相談した方がいいと言われましたが、それも乗り気ではない様子でした。というのもマルオが娘達をいつも放置しているような親だからではなく、陰でずっと気にかけてくれていたマルオにこれ以上無用な心配をかけさせたくないから

 

 その際、零奈の命日に五つ子よりも先に墓にきて花を置いていったのはマルオだと五月は言います。あくまでも五月の言なので確証はないですが、誰かに向けて五月が言い切るという事は間違いなくマルオが手向けた花なんでしょうね。

 え、前回の記事でマルオの可能性が一番低いだって?ダレガソンナコトカイタノカナ?

 

 そんな五月の話を聞いて二乃は少なからず衝撃を受けているようでした。父親はこれまで自分達に何もしてこなかったと思っていた、というよりも『他の姉妹もマルオに対して「何もしてこなかった」と思っててほしかった。』多分、そういう事なんだろうと思います。二乃が「そんなわけ……」と最後まで言えなかったのは、自分にも思い当たる節があるから。それが今回の最後で明かされたパンケーキの思い出ですね。

 

有名な講師とは?

 下田さんの塾に近々有名な講師の方が来て特別講義をしてくれるそうですが、果たしてそれは一体誰なのか?

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何それ、怪しいわ

①江端さん

 兎にも角にも江端さんで一点読みをしていきましょう。そう考える理由はズバリ怪しいからです。

 

 風太郎を再度家庭教師として雇おうとしたときに五つ子は江端さんの偽の履歴書を作りましたが、それを見た風太郎は「見た目は怪しいがな」と感想を述べています。

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見た目は怪しいがな

 そもそも塾の事情を知らない二乃が五月の話を聞いただけでわざわざ「怪しいわ」と言うのかな?と思った部分は大きいですね。普通に聞く限りでは別にわざわざ怪しく思うものでもないですし。まあ二乃からしたら風太郎以上の教師は間違いなく存在しないので、そういう意味では怪しいと言えなくもないですが……とりあえず今回はただその一言が出てきたために江端さん一点読みをします。

 

風太

 ちなみにですが、一応『有名な講師』『(私達五つ子にとって)有名な講師』と解釈できるならば江端さんだけじゃなくて風太郎にも可能性があると思います。

 

 ほら、今はまだ可能性の話でしかないんですけど、上杉・中野・下田の『上中下トリオ』の存在があるじゃないですか。そんな大人達の横の繋がりを活かすために、勇也と下田さんが風太郎を講師にして特別授業をすることを裏で話しあっていたとか。そんな可能性もなくはないですよね。

 

 風太郎も風太郎で4月末の全国模試で堂々の3位をもぎ取りましたし、先の入試判定でA評価の結果も貰っていました。そして風太郎自身「何事も経験」をモットーにしている事なので、学園祭の事で忙しいのもありますけどその程度の仕事なら喜んで請け負ってくれるでしょう。さらに言うなら、「1対多」の授業の仕方も『最後の試験が四葉の場合』で描かれていたので多少は分かっていることでしょう。

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多人数の授業の仕方も大丈夫かも

 何より風太郎が講師をするならそれはそのまま五月とのイベントに繋がりますからね。そういう見方もあるので『特別講師=風太郎説』は自分の中では『割とアリ』な方です。

 

 風太郎も怪しいしな!

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怪しいですね……

陰でコソコソ

 別の日のこと。マルオへの招待状の準備ができた事を四葉から聞く二乃でしたが、一時の気の迷いだったとして送るのをやめようとしました。家にもロクに帰ってこないでいつも陰でコソコソしているだけの父親なんだから、どうせ招待状を出したところで何も変わらない。そんなマルオへの屈折した思いが二乃の中にあったことでしょう。

 

 そんな話をしている二乃と四葉でしたが、階段下で自分を睨んできていた女子グループを発見します。

 これ良くないですか?今回はずっと妹達との会話で話が進んでいたけど、二乃が「姉らしさ」を出していたのってこのシーンくらいしかないんですよね。それゆえか、コマは小さいものの個人的に好きなコマになってます(笑)

 

 女子グループとの衝突を回避しようとした二人はその子たちが風太郎と話していることに気が付きます。曰く、「二乃がたこ焼き派にいるのは意中の男子がいて、それが武田だったら勝てそうもない」という事でした。

 

 またもや話を脱線させてしまうのですが、二乃って他姉妹と比べて格段に武田との相性が悪いだろうなと思ってるのは自分だけですかね?笑

 

 一花は2年の時に同じクラスでしたし五月は夢を持ってる者同士仲良くできそうですし、三玖はスマートフォンの武田菱が目撃されるかジムデートに現れれば仲良くできそうじゃありません?四葉に対しては武田を学級長に任命しなかった罪があったのですが、今では友達であり永遠のライバルとも呼べる風太郎が3年1組に段々馴染んできているのも四葉が選んだおかげな部分はかなりあるのでチャラどころかおつりがくるレベルで「よくやった!」と思ってるのかもしれません。

 

 一方で二乃はというと、初登場時から「胡散臭い」、他にも「(心中で)憐れだわ……」「朝からうるさいわね……」「男二人が邪魔ね」と、もはや武田の事など眼中にないような言動が目につきます。こういう部分を女子グループも目撃していれば安心できたんじゃないかなあ(笑)

 

 

 話を戻します。このままではクラス内で不和が生じかねない(というかもう生じているけど)と感じた風太郎が女子グループの話を聞いて勘違いを正そうとします。何よりも五つ子達との楽しい思い出を作っていきたい風太郎としては、今回のような二乃に対する誤った感情を修正していかなければ「二乃に学園祭を楽しんでもらえないのではないか?」と思ったんじゃないでしょうか。

 

 ゆえに女子達の前で爆弾発言をぶっ放すわけですね。「二乃は俺を好きだからな」と。

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二乃は俺を好きだからな!(理想)

 はい。「二乃は俺を」まで勢いで言えたものの、その後がつっかえてしまってしまらない状態になってしまいました。そりゃ他人に「あの人は自分が好きだよ」なんて言えるわけがありませんからね。かつて恋愛を否定していた風太郎ならなおの事言いづらかったでしょう。それでも口に出せた風太郎はすごい立派ですよ!(突然の上から目線)

 

 二乃と風太郎の事をよく知らない女子達からすれば「学級長が何かおかしいことを言っている……」といった程度にしか映らないのが悲しいところですが当たり前と言えば当たり前の反応ですね。でも一番肝心なのは、その風太郎の言葉を二乃がしっかり聞いていた事です。二乃の告白に対して(二乃が返事を後回しにしているとはいえ)まだ答えが出せていない風太郎でしたが、少なくとも今はまだ真剣に返事を考えてくれていることが二乃にも伝わったことでしょう。

 

 そんな風太郎の姿を見て微笑んでいる二乃に四葉「陰でコソコソも悪くないと思うな」と声を掛けますが……ここは見てて何とも言えない気持ちになりました。

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きっと何か理由があるんだよ

 この影の差された笑顔の裏に、四葉が今までずっと抱いてきた風太郎への6年分の想いがある。自分が陰でコソコソ動いていたからこそ出てくる言葉なのは読者しかわからず、読者しかわからないが故にその重みがどれだけのものなのかを実感させてくれます。

 

 四葉の言葉を聞いた二乃は過去を振り返り、パンケーキのお店に連れていかなかったマルオが陰で自分のためにしてくれていた事を改めて思い起こしました。そして今までずっとすれ違い状態だったマルオに「学園祭に来てほしい」という思いを明確にするのでした。

 

 零奈の命日にマルオにお墓に来てほしくて「明日も忙しいの?」と探るような聞き方をしていたあの頃とは違います。ハッキリ学園祭に来てほしいと思ったから、今度は招待状を送る。たったそれだけのことなんです。二乃が父親に家族愛を求め、マルオは二乃に家族愛を示す。お互いに不器用なためにボタンの掛け違いからそのまますれ違ってしまった義理の親子ですが、これを機に二乃の、ひいては姉妹全員とマルオとの親子関係が良くなることを願わずにはいられません。

 

三玖とのデート先はどこ?

 最後のページにて、三玖が風太郎とデートに出かける描写が差し込まれました。果たして一体どこへ行く予定なのでしょうか?

 

①ジムデート

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スポーツジムのペア券

 真っ先に思い浮かんだのはこれでした。この回の時からどこかで三玖とのジム回があるんだろうなと思っていましたからね。

 ただ、今となってはこのジムデートに一抹の不安を感じるものがありまして……。91話『偶然のない夏休み』の記事でも書いたことです。

 武田って宇宙飛行士になる夢を持っているじゃないですか。そしてそれになるために勉強をたくさんしていますし、体づくりも欠かさずやっていることだろうと思われます。修学旅行の初日で昼食を食べすぎて動けなくなった前田をおぶってあの大量の階段を登り切ったとすると、四葉に負けず劣らず相当な体力を持っているものだと思います。

 

 そして今回も前田と一緒に登場した時にも、体を鍛えてることがわかるような描かれ方をしてたじゃないですか。

 

 で、ここで皆さんに思い出してほしいことがあるんですけど、風太郎の誕生日プレゼントに三玖ってスポーツジムのペア券を渡したじゃないですか。これで三玖と風太郎がスポーツジムデートをするんでしょうけど、もしかしてそのジムに武田が出入りしてるなんてことあるんかなって。

 

 仮にですよ?もしも仮に今後三玖とのジムデート回があるとして、そこに武田と偶然出会ったりしようものなら三玖と武田が将来くっつく可能性もガチでありえるんじゃないかと想像してしまったんですよね。

 

 これは飛躍しすぎだよなあと自分でも思っているんですが、その一方で風太郎に将来選ばれなかった四人の花嫁候補の未来がどうなるのか、とかも気にならないと言ったら嘘になるわけで。武田なら武田ですっかりいい人間になってるから別に三玖にふさわしくないわけでもないのもまた悩みどころ。

 これが正直ありえそうで怖い。ないとは思うけど万が一って言葉があるじゃないですか。現状武田には五つ子達に深く関わるような描写は現在ありませんが、いつどこでねぎ先生が手のひらをひっくり返してくるかわかりませんからね!

 

 ただ、ジムデートならば学園祭の近づいている今だけでなく、修学旅行が終わってからでも機会はいくらでもあったように思われます。描写こそありませんでしたが1学期中にジムデートを終わらせていた可能性は一応考えられることなので、ジムデート一点読みは避けようかなと。

 

②料理専門学校のオープンキャンパス

 三玖は1学期の終わりに料理の学校に進みたいことを姉妹に言っています。もう2学期も始まっているので、まだ風太郎に言っていない、なんてことはないと思うんですよね。一花を雇うために一緒にパン屋でバイトしていた時間もそれなりにはあったと思うし風太郎に言う機会はこれまたいくらでもあったはずです。

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料理の学校に進みたいと言ったのかどうか。

 で、風太郎に言ったのであれば、次はそういったところのオープンキャンパスなんかに行ってみてもいいんじゃないのかなって。風太郎がオープンキャンパスに行く理由は一切ありませんが、三玖にお願いされたら予定がない限りは「付いていってもいいか」くらいには思うんじゃないでしょうか。なんせ三玖の夢のためですし。もしかしたらそこで風太郎の今後の夢の話も出てくるんじゃないでしょうか。それは妄想しすぎか。

 

③なんか普通にデート

 『勤労感謝ツアー』での四葉とのデートと同じで、普通にお買い物やレストランなど色んな所に出かけるパターン。風太郎にはお金がないし、三玖もおそらく以前ほどの持ち合わせはないと思われるのであの時ほど散財することはないと思われますが、ウインドウショッピングとかも中々に面白いですよ。問題は二人の体力がすぐに尽きてしまう所でしょうか。あとは戦国武将の史料館とかに行って三玖の武将蘊蓄をたくさん聞くのも面白そうですね。

 

 例を3つ挙げましたが、「フータローに用がある」と言って誘う中で一番『用事』というのにふさわしいのはオープンキャンパスですかね。これならお金も交通費と食費だけで済みますし。ただ逆に「頑張るぞ……!」という言葉に少しだけ合わない気もします。逆に「今じゃなくてもできる」という点を除けばジムデートが有力でしょうか。何よりこちらはペア券を持っているという明確な描写があったわけですしね。果たしてどこへ行くのやら……。

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フータローとデート

まとめ

 二乃のマルオに関する問題は解消に向かっているとはいえ、他の3年1組の出し物と五月の進路に関する問題は解決の糸口が見えてきません。そして四葉は今回トラブルは起こりませんでしたが、果たして起こらないまま学園祭編は終わってしまうのでしょうか?

 

 色々な問題が錯綜していてまさしく『問題は山積み』な状態ですが、風太郎と五つ子達ならきっと乗り越えてくれるさ!ひとまずは次回の三玖のデートを楽しみにしつつ、今回はこの辺で終わろうと思います。

 

 ご拝読ありがとうございました。

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アイキャッチ用なのです

*本記事で掲載している画像は©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁」より引用しています。